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2015.04.25

公園内の保育園は合理的? それとも……。


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都市公園に保育園を作る画期的なアイディアの行方は……?

 待機児童が全国で最も多い東京都心で、都市公園内に保育園をつくるケースが相次いでいると4月14日に朝日新聞が報じました。自治体は「待機児童解消のための窮余の策」とし、保育課の担当者は「公園を園庭代わりに使える。子どもの声による騒音など、近隣住民とのトラブルも少ない」とメリットを強調していますが、住民からは反発も出ています。渋谷区の公園に隣接するマンション住民が中心となった保育園新設の反対の署名は10日間で800人が集まったそうです。

「働く、預ける、住む」は人生に大きく関わる問題だから

 保育園の用地不足に悩む都心ならではの策ですが、「子どもの声がうるさい」と近隣の住民からクレームが来たことを発端に、保育所建設予定地で反対運動が起こるケースも出てきています。
 私が住んでいる場所は山手線の内側で都心の部類に入ります。自宅兼仕事場は保育園の隣。近隣には幼稚園と小学校もあります。運動会のシーズンは賑やかな音楽やマイクの声などが確かにひっきりなしに聞こえてきますが、それ以外の時期は日中作業をしていてもそれほど気にならないレベルです。自分が気にならないから、他の方も気にならないだろう、ガマンするべきだ……とは一切思いませんが、本来なら聞こえてきてもおかしくないピアノの音や室内時の子どもの声が気にならないのは、保育所も対策を練っているから。防音壁を設置し、窓を二重ガラスにするなどの防音対策はすでに一般的になっているようです。
 さて、とにかく土地に余裕がない都心は、家賃も高く、生活費も高く、暮らしていくだけで目一杯。高齢者も、一人暮らしの若者も。
 だから、生活から快適さを奪うものを、つい目の敵にしてしまう気持ちは理解できます。
 しかし、ワーキングマザーとして働くことと、どこに住むかという問題は非常に密接です。通勤にかかる時間が延びれば延びるほど、託児時間も増え、それは子どもに負担がかかることと、親子のコミュニケーションの時間が減ることとイコールです。職住接近は理想だけれど、都心は保育園不足。かといって、保育所にゆとりのある郊外に引っ越せば、通勤時間が長くなり、子も親も時間に追われて疲弊していく……。
 働く、子どもを育てる、選んだ土地に住む。これは人生にとって非常に大きな選択です。
 働きやすく、暮らしやすい社会、そして住んでいる人たちがお互いに気持ちよくいられる環境づくりの問題は案外根が深いものだと感じました。

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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