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2015.05.19

近くの親類ゼロ。孤立無援を救ったのは……(後編)


加藤さやかさんの助けられ力【ママ友とのリレーションシップ】

子どもが帰ってこない! 事件が起きた!! そのときママ友は……

加藤さんにインタビューをした日のちょうど前日。なんと、長男が行方不明になったというちょっとした事件が起きたそう。

放課後施設(学童のようなところ)が終わる17時をとっくに過ぎたのに、子どもがなかなか帰ってきません。心配になった加藤さんは、家の近くを探し始めました。

ちょうどその時間は保育園のお迎えラッシュ。道端でママ友たちに会い、その度に、「うちの長男が帰ってこないの。どこかで見なかった?」と訊ねました。すると、「加藤さんの家で下の子を見ていてあげるから、探しておいで」とその一人のママ友が家に来てくれたそう。

「そのママ友は妊娠中で上の子もまだ3歳。自分も大変な時期なのに、夕方の忙しい時間に家に来てくれて、ずっと下の子たちを見ていてくれたんです」

また、その話を聞いたママ友たちも手分けして探してくれ、「こんなにもみんなが助けてくれるんだ」と心強さを実感したそうです。

結局、長男クンがいたのは友達の家。道が分からないため「帰る」と言い出せずにいたそうでした。

「助けてくれたママ友たちに本当に感謝しました。ママ友の連帯って強いなと思った1番の出来事でした」

小学生ともなるとお友達の家で遊ぶことも多くなりますね。

小学生ともなるとお友達の家で遊ぶことも多くなりますね。

 

時間をかけて広がっていったママ友の輪

  さて、「ママ友ができない」「ママ友となかなか腹を割ってつきあえない」と悩む声はよく聞く話です。「どうやったら、気軽に助け合えるようなママ友を作れるの?」と聞いてみると……、

「私、苦手なの! 友達作るの、すごく苦手なんです。全然話しかけられないし、話しかけてくれるのを待っちゃうほうだし……」

と、驚いた顔。

「うーん、でも、話しかけてくれた人には、一生懸命話しますね」

そう言いながら、過去を振り返ってくれました。

「長男のクラスのときは、自分はすごく若いほうで、まわりは年齢が上の人ばかり。1人っ子のお母さんが多く、ビシッとしている人が多かったんです。でも私は、子どもが2人いて、さらに妊娠もしていて、いろいろちゃんとできなかった。だから『若いからダメ』と言われている気がして、勝手に自分から線を引いていたんです。『危ない!』って走って追いかけたりすると、『若いからいいわよね』と言われたりしたのですが、それも上手く受け止められなくて、いちいち引っかかっていました」

ところが、ある時の懇親会で隣に座ったお母さんが、とても話しやすそうな雰囲気を持っていたそう。

「その後、『ランチしよう』と誘ってくれて、『いくいく!』と二つ返事で乗っかりました。その人と仲良くなったことで、徐々に人の輪が広がっていったんです。人とのおつきあいが得意なママと仲良くなって、そこに乗っかっていくと良いのでは?」

 

ワーキングママ同士だから分かりあえること

「それに、基本的には、みんなうまくやりたいと思っているのではないでしょうか。合う、合わないはあるけれど……。合わない場合は、離れればいいだけですよね」

苦手な人の場合は、“ママ友”という言葉どおり、“ママ”としての側面のときだけ、当たり障りなくおつきあいできればいいのかも。

「今年の保育園の役員決めのとき、3人目のクラスで先生から『ぜひやってください』と指名されたんです。そのとき、1番話しかけやすそうな雰囲気の人に『一緒にやりませんか?』と声をかけてみたら、『いいですよ』と言われて、今、一緒に活動をしています。この時に『私、強くなったな』って思いました」

加藤さんは、上の子が保育園に入園してから小学校入学までの6年かけて人との関係をゆっくりゆっくりと築いてきたそうです。

この6年間の間に、シングルマザーになった人、職場を変わった人……、様々な人がいたそう。働いて、子育てをして、家事をするだけで毎日が精一杯なところに、転職、離婚、親の介護、自分の病気などが加わったらなんとも大変。それを敢えて言わずとも分かってもらえるのは、「同じワーキングママ」だからこそ。

そんな時に、「何かあったらお互い助け合おうね」などと声をかけったりするだけでも、「いざというときは頼れる人がいる」という安心感につながると加藤さんは言います。

徒歩圏内に住み、送り迎えで毎日顔をあわせ、時には家族ぐるみで一緒に遊びにいったり、食事をしたりと、濃いつきあいに発展する可能性のあるママ友。濃いつきあいだからこそ、深刻なトラブルも生まれ、そのトラブルばかりが表面化しがちですが、うまくつきあっていければ一生ものの友達にだってなれるはず。

「この間、同じ保育園の家族ぐるみで映画を見に行ったんですが、うちは下の子たちが小さいから、中で映画を見ることができない。そうしたら、『見ててあげるから大丈夫だよー』と言ってくれて、私は外で下の子の面倒を見ていたんです。そういう気遣いが自然にできるのがママ友。保育園だって風邪ひいてようが何があろうが迎えにいく……そんなつらい経験を共有しているからか、よく『女って強いよね』と笑ってます。独身時代の子どもがいない時の自分はもう考えられないですね」

子どもがいなければつき合うことのなかったような人とも支えあう。それは“ママ友”独特の感覚かもしれません。けれどもこの柔軟さは、母として、妻としての人生を豊かにしてくれるもののような気がしました。

【記事まとめ】助けられ力のススメ

中山美里

中山美里

ライター、編集


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