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2015.05.26

シングルマザーが知っておきたいこと (1) 〜シングルマザーの現状〜


「離婚するなんてありえない!」という、ひと昔まえの風潮が変化したこともあり、最近は私たちのまわりにも、シングルマザーが増えてきました。現在、シングルマザーの人口は108万(総務省統計局2010年データ)いると言われています。夫がいても大変な子育てと仕事の両立。それを1人で行い、経済的な自立もしなければいけない…少し想像しただけでも大変さを感じられずにはいられません。
そこで、これから7回にわたり、シングルマザーやいま離婚を考えているプレシングルマザーが知っておくと有益な助成・支援制度を紹介していきます。
第1回目は母子家庭になった原因や経済状況など、シングルマザーの現状をお伝えします。

シングルマザーの8割が離婚!
離婚原因の1位は「性格の不一致」

シングルマザー円グラフ

厚生労働省の「平成23年度全国母子世帯等調査」 よると、平成23年時点でシングルマザー家族は全国に約76万世帯あり、20年前の55万世帯から大幅に増加しています。シングルマザーになる理由は、離婚が約8割、死別が1割弱、未婚の母などを含むその他が1割程度です。この割合からもわかるように離婚をしてシングルマザーになる女性が圧倒的に多いことが伺えます。では、何が原因で離婚をしたのでしょうか?

ランキング

アディーレ法律事務所の弁護士さんに離婚の申立理由(離婚原因)を伺ったところ、司法統計の結果からわかるように、「性格が合わない」という理由が離婚原因のダントツの1位に。「性格が合わない」という理由が多いわけは、実際は、ほかの異性との交際、お金の浪費、DVなどが原因で離婚するケースでも社会的な体裁を気にして「性格の不一致」を理由にすることが多いようです。
そこで、BRAVA編集部でも離婚を機にシングルマザーになったかたに、離婚に至ってしまった本当の理由を伺いました。

前の奥さんと連絡をとっていた…

彼がバツイチの状態で結婚しましたが、前の奥さんに、結婚したことや子どもができたことを報告できないと言われました。結婚生活中にも電話がかかってくるなどが頻繁にあり、嫌になってしまい離婚しました。(会社員・子ども3歳5ヶ月)

隠し事が多く、ギャンブルで借金も…

会社を黙って辞めることもあり、隠し事が多く、信用ができなくなってしまいました。子どもがいるため、やり直したいという夫を何度も信じてやり直していましたが、どんどんエスカレートし、最終的にはギャンブルで借金も。ひとり隠れて楽しんでいたのが許せず、信頼もなくなりました。この先、子どもが大きくなったときに、もっと大きい借金を作られても怖かったので、いろいろ考えて離婚を決めました。(会社員・子ども7歳)

家族が増えても、ずっと独身気分…

家事育児にほとんど協力してもらうことができませんでした。子どもが増えても自分のお小遣いは減らさず、ずっと独身気分のままであることに耐え切れず、離婚しました。(会社員・子ども8歳、5歳)

やはり「性格の不一致」というだけの理由ではなく、それぞれ根深い原因がありました。そして、何度も何度もやり直そうと思い、それでも耐えられないという限界のところでようやく離婚という選択をされたことがよくわかります。子どもの将来を考えているからこそシングルマザーになることを決意したかたがほとんどではないでしょうか。

シングルマザーの貧困が
子どもの貧困を招く

子育てと経済的自立を1人で担わなければならない

子育てと経済的自立を1人で担わなければならない

ひとくちに「シングルマザー」と言っても状況はさまざまです。もしかしたら実家に住み、子育てや生活費の助けを得られる人もいるかもしれません。
しかし、シングルマザーの多くは「子育て」と「生活費の確保」を1人で抱えこみ、貧困や時間の足りなさと格闘しています。日本のひとり親家庭の相対的貧困率は50.8%で、OECD加盟国34カ国中33位のワースト2位です。シングルマザーの貧困は、すなわち子どもの貧困を招きます。
実際にBRAVAの取材に答えてくれたシングルマザーたちも、「生活に余裕がある」と答えたかたはおらず、近い将来に不安を感じ生活をしているかたばかりでした。

離婚前に買った家がまだ売れない

離婚する際に、別れた夫には自分の実家に戻ってもらい、私は離婚前に購入した家に、家が売れるまで息子と2人で住んでいます。住宅ローンを別れた夫が支払ってくれているのと、養育費を毎月4万円貰っていて、今はなんとか生活ができています。ただ、購入した家の連帯保証人に私がなっており、離婚の際に連帯保証人を外してほしいと依頼しましたが、外すことができず、今に至っています。
家が売れて、自分で家賃を払っていく生活になることにも心配はありますが、別れた夫が住宅ローンをいつか払わなくなり、いずれ私がそれを背負うことになってしまうのではないか…という不安も。
また、自分が病気になって、働けなくなった時のことを考えると経済的な不安はずっとつきまといます。
離婚をした時に子どもが情緒不安定になってしまったこともあり、親の事情で引っ越しをすることになって、また辛い思いをさせてしまうと考えるととても胸が痛みます。(会社員・子ども7歳)

将来、受験時の塾代・入学資金が払えるか心配

現在の生活は養育費を月額25万円貰っているため、裕福ではないが、そこまで逼迫(ひっぱく)している状況でもないです。ただ、子どもが大きくなって受験などをするようになった時、塾代や入学資金などを支払えるか…収入面での不安はあります。(会社員・子ども3歳5カ月)

自分が体調を崩してしまったら…と思うと不安

現在は養育費を毎月6万円と児童扶養手当を貰っているので、どうにか普通の生活はできています。ただ、私が元気で働けるうちは大丈夫だけど、体調を崩したらどうしよう…と不安になることがよくあります。(会社員・子ども8歳、5歳) 

このように、シングルマザーが抱える事情や不安は計り知れないものがあります。だからこそ、子どもの将来がその生まれ育った環境によって左右されることのないように、貧困の連鎖を食い止めるための、さまざまな社会的支援が大切になってくるのです。

 

【シングルマザーが知っておきたいこと 記事まとめ】

シングルマザーが知っておきたいこと(2) 〜プレシングルマザーへ 離婚を考えはじめたら〜

シングルマザーが知っておきたいこと(3) 〜もらえる手当と助成1〜

シングルマザーが知っておきたいこと(4) 〜もらえる手当と助成2〜

シングルマザーが知っておきたいこと(5) 〜利用したい割引・減免とさまざまな支援〜

シングルマザーが知っておきたいこと(6) 〜働かなければいけなくなったら〜

シングルマザーが知っておきたいこと(7) 〜困った時は利用して!民間支援組織〜

【記事まとめ】全国108万人!まだまだ増加中 シングルマザーという生き方

市口芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


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