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2015.06.20

自らの罪を売り物にする酒鬼薔薇聖斗。子を持つ親は許せるか?


非難殺到の『絶歌』出版

 

酒鬼薔薇聖斗の手記『絶歌』が6月11日に発売され、メディアからネットまで様々な意見が飛び交っています。同じ日に、「酒鬼薔薇聖斗の手記『絶歌』印税どうなる?米国では被害者に提供」というニュースが、J-CASTニュースより報じられました。

それによると、ショーン・マクアードル川上(経営コンサルタント)氏は、「アメリカでは過去の犯罪者がこうしたメモワールの類いを出して得た利益は被害者に返すという考えになっています」とコメントしています。また、オーストラリアでは80年代に強盗・殺人などを犯したマーク・リードが「チョッパー、獄中から」(10万部)を出版した際、政府は法律を改正して、 印税を寄付させているとのことです。

 

印税の行き先は? 本当に更生したのか。少年Aの真意は?

印税の行き先は? 本当に更生したのか。少年Aの真意は?

 

さて、今回の手記について、まず、書くのであれば実名もしくはペンネームであれば顔を晒して書くべきだと私は思いました。「少年A」という名前は、犯罪を犯した当時未成年だった彼につけられた名前。成人した現在、なぜ、プライバシーを保護されなければならないのでしょうか。

書籍という形にするのであれば、姿を現すのが最低限の責任ではないでしょうか。

 

かつて、私は触法少女であり、その体験を手記という形にして出版をしました。それは、同じような行為をして、ずっと悩み苦しんでいる私と同じような気持ちを持つ女性達に向けて書きました。同時に、この本を出した後は、ライターという職業に携わる限りは性というテーマと向かい合って、生き続けようとひとつの決意をしました。それが、犯罪のことを記した手記を出し、それで金を稼ぐ立場になった私の責任だとも思ったからです。

自分の過去を書くということは、きちんと向き合い、さらけ出すということ

自分の過去を書くということは、きちんと向き合い、さらけ出すということ

 

当時の私にとっても、本を書く事は『生きる道』でもありました。

しかし、私が犯した自傷行為としての犯罪には、実は被害者がいません。自分自身が加害者であり被害者でもあるのです。犯した罪を見つめ、書くことをしなければ、その加害と被害の泥沼のなかから、私は抜け出せませんでした

Aは、

「自分の過去と対峙し、切り結び、それを書くことが、僕に残された唯一の自己救済であり、たったひとつの『生きる道』でした」

と書いています。

仕事を転々としなければならず、自分のすべてをさらけ出すことができないなど、日々の暮らしがつらかったのかもしれませんが、誰もが、過去に選択したことを背負って生きています。人を2人も殺すという選択をしたのですから、その選択に対する重荷は相当のものでしょう。でも、生きている限り、背負わなければならないのです。

にも拘らず、少年Aという隠れ蓑の中で過去の犯罪を書くというのは、非常に卑怯なこと。真に過去と向き合ったとはいえないと思います。

 

私には『絶歌』が、どうしても、「俺が本を出せば売れるに違いない。作家として世の中に認められる」という自分勝手な打算と欲望で書かれた本にしか見えないのです。

過去と向き合い、自分の中に眠る汚らしくあくどい真実の姿を見つめたなら、恥と罪を晒して生きる覚悟だって座るでしょう。

 

ハンマー、ナイフ、靴ひも・・・。さまざまな凶器で犯行は行われたといいます

ハンマー、ナイフ、靴ひも・・・。さまざまな凶器で犯行は行われたといいます

 

また、なぜ、人を殺してはいけないのか? という理由について、彼はこう述べています。

「どうしていけないのかは、わかりません。でも絶対に、絶対にしないでください。もしやったら、あなたが想像しているよりもずっと、あなた自身が苦しむことになるのです」

「ふざけるな!」

 子どもを持つ親ならば、誰もがそう思ったのではないでしょうか。

けれども、もし、Aが、「何度も考えたけれど分からなかった。でも、今でも遺族に賠償金を支払っている両親に何かをしたい。本を書いた利益を遺族に支払い、両親の負担を減らしたい」というような思いでこの一文を載せた。そうであれば良かったのに……。

母としてライターとして、『絶歌』出版にまつわる様々なできごとを、複雑な思いで見ていました。

 

殺害現場となったタンク山には、慰霊碑が建てられ、地元の人々が手を合わせています。

http://www.kobe-np.co.jp/news/kobe/201408/p1_0007269799.shtml

Aはまだ訪れたことはないといいます。

ある地元女性は取材に対しこう答えました。「まず、被害者に手を合わせるのが先ではないか」と。

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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