それでもママは働く 未来と自分を信じて ワーママ・プレワーママの共感サイト| BRAVA(ブラーバ)

2015.06.26

別居生活のなかで学んだ“根を張って生きる”こと<後編>


吾妻リエさんの助けられ力【伝える力】

 

子ども同士にトラブルがあった時、どうする?

小学生になると行事も増え、保護者の協力が必要に

小学生になると行事も増え、保護者の協力が必要に

現在、2人のお子さんが小学校に通っているリエさん。最近の小学校は、PTAの役員活動をポイント制にしてあるなど、共働きでもシングルマザーでも親の介護があったとしても、必ず最低限はできることをやりましょうという風潮になっています。

かくいう私も長男が小学校に通っている間、役員活動を3年間行いました。ずっと苦手意識を持っていましたが、自分がやらないことで、誰かが負担を多く背負ってしまうのもイヤだなあと「これならできるかな?」と引き受けました。

「小学校って色々なお母さんがいますよね。仕事だなんだと理由をつけて、保護者会などにも絶対こない人もいます

そして、役員などを絶対に引き受けてくれない人もいる。お母さん同士でうわさ話を始めると、そういう母親に対してやはり非難は出がちなもの……。

「親を先に見てしまうと固定観念で見てしまう。だから、必ず子どもを先に見るようにしています。『あの親だから……』と思いたくないですから」

とさて、実はここまでは前置きです。

今回はリエさんが遭遇した、子どものトラブルについて。

 

小学生高学年になると、お友達との関係も一筋縄でいかなくなります

小学5年生にもなると、友人関係も一筋縄でいかなくなります

子ども同士のトラブルに親はどう関わる!?

「上の子どもは小学校5年生。女の子なのでちょうどイジメの問題出てくる頃。3年くらいまでは、お友達が鉛筆返してくれない、筆箱取ったなどの1対1の小さなバトルなので、親同士もすみませんと言いあえば大丈夫。逆に、仲がいいからこそぶつかるという感じなので安心して見ていられます。でも、4年生くらいから悪口を人に言ってターゲットの子を仲間はずれにするというようなものに変わっていくんですよね」

グループができてくるに従って、子どもの友達関係も複雑になり、それにともなってトラブルも親には見えにくくなっていきます

「ある時、家の娘がAちゃんと遊ぶ約束をしていたのに、それを破ってM子ちゃんと遊ぶというようなことをするようになったんです。最初は、ウチの子が悪いのだと思っていたのですが……」

実はそれは、M子ちゃんがリエさんの長女に対して、「Aちゃんとの約束は反古にして一緒に遊ぼう」と半ば命令のようにしていたことが判明したのです。

良く気づきましたねと、おかしいと思ったきっかけを訊ねてみると……。

「子ども同士が電話をしているのですが、やたら長いんです。『そんな長電話しないの』と最初は娘を叱っていたんです。でも、ある時、娘がずっと無口で受話器を握りしめているので『おかしいな』と思ったんです。聞いてみると、『何かを探しにいくからちょっと待ってて』などといって、娘が電話を切れない状況を作り出していたんです。要は時間稼ぎをしていたんですね」

「おかしいな?」と思うようになってから、M子ちゃんのことを注意するようになりました。すると、朝、学校に行く前にかかってくるようになったり、一緒に遊ぶとノートを破かれるなど何かトラブルが起こることが分かりました。

「1年くらいかけて、M子ちゃんが原因なんだなと判明したんです。しかも、M子ちゃんは娘の悪口を他の子にいって、他の子たちが娘を嫌うように仕向け、娘を独占できるような環境を少しずつ作っていたんですね」

とはいえ、ここからどのように関わっていくのかは非常に難しい。関わりすぎても、子どもの解決能力が育たなくなるし、放置しておくと長女が学校でどんどん孤立してしまう可能性もありました。

「今、シングルマザーなので、親子関係を客観的に見る術がないのがつらかったですね。夫婦だと中立の意見でまとめられますが、ひとりで子育てをしていると自分の思いで動かしてしまいがち。だから自分の感情は二の次にして、あくまでも客観的に物事を考えて、まず落としどころ決めてから、自分の気持ちを伝えるようにしています。まず、ゴールを決めて、そこにいきつくためには、どういう風に話していけばいいかなというように……」

友達ではないママ同士。だからこそ難しい関係性

小学校も高学年になると、友人関係も一筋縄でいかなくなる

子どもが大人になるにつれ、親に話せないことも増えてくる

 

結局、娘さんには、「習い事があるから」「お母さんと約束があるから」などと上手に理由をつけさせて、少しずつ“距離を置く”方法を教えたそう。

「子どもに“距離を置けばいいのよ”なんて言っても分からないですから、説明が難しかったですね。でも、なんとなく分かってくれたみたいで、なんとか良い距離感を作ることができたようです。自分の身を守りながらも、相手を悪く言うこともしない……というのは大人でも難しいですよね」

今回のトラブルで、リエさんは学校の先生にも相談し、信頼できる人間関係で連携を計りながら解決をしていったそう。

「噂ではなく、正しい情報を共有しあうことが大事だなと思いました。噂になると、ああだこうだと尾ひれをつけて誰かを孤立させてしまいますから。問題があればあるほど、様々な人にかけあっていかないといけないので、伝える力が大切だなと思いました」

子ども同士のトラブルであっても、放っておくと大きくなるもの。できるだけ小さいうちに問題を解決していく方向へ導いていくためには、観察力や情報の伝達力が大切です。とはいえ、今は、働いているお母さんも多く、また、子ども同士は友達であっても母親同士は友達でないこともしばしば。忙しい時間のなかで、どう上手に伝えるか。まさに腕の見せ所だなと思いました。

 

ところで、我が家の長男は今春中学を卒業し、現在は学校の寮に入っています。

長男が「子ども」という感じで、とても身近にいた時間は、長かったようで、なんだかとても短かったような気がします。

毎日、ひとつの家で暮らし、ケンカをしても顔を合わせる家族という存在。伝えたいことは敢えていわなくても、自然に通じるときもありますが、敢えていわないと通じないときもある

近い存在だからこそ、伝えるのが難しいときもあるけれど、こじれなくてもいい関係をこじらせないように、上手に伝えていくことって大事だな……。インタビューを終え、伝えたいけれど、伝えずに、心に仕舞ったままにしてあることを思い出しました。

 

 

 

 

【記事まとめ】助けられ力のススメ

中山美里

中山美里

ライター、編集


, , , , ,