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2015.07.31

「保育園で大泣き、家に帰ってママにべったり!」子どもの行動の裏側にあるものとは?


パパさえダメで「ママ〜」「ママ〜」って追っかけてくることよくあります。

パパさえダメで「ママ〜」「ママ〜」って追っかけてくることよくあります。

子どもを預けて母が働きに出ることで、子どもは愛情不足になってしまうのか

前回、武蔵野大学 教育学部 児童教育学科講師の齋藤慈子先生に、そもそもの前提として、生物的にも子育ての歴史的にも、母親が家でずっと子どもと向き合っている必要はないというお話をうかがって、だんだんその答えが見えかけてきた気がします。…が、それでも、ふだんの子どもの行動から、不安がムクムクと頭をもたげてしまうことは多々あるもの。

たとえば、毎朝、保育園に行くときに嫌がって大泣きをしたり、帰ってくると会えない時間を取り戻すかのようにべったりと甘えてきたり。

「保育園に預ける前より『ママ見て~!』『ママ来て~!』という回数が増えた」(T.Sさん、会社員、子ども7歳)

など、アンケートでも、「愛情不足だからこんな行動をしてしまっているのでは?」と感じることがあると答えたママが多くいました。こうした行動をとる子どもの心理の裏側には何があるんでしょうか。

目に涙をためながら「バイバイ」と言われて・・・

寂しい思いをさせているとわかっているから、ママも泣かれると苦しくなります

寂しい思いをさせているとわかっているから、ママも泣かれると胸が苦しくなります

3歳と0歳のお子さんを持つワーママである齋藤先生。ご自身も、子どもを預けて仕事に行くときに、切ない思いをしたことがあるそう。

「うちの子が2歳くらいのころ、ママが仕事だっていうのはわかり始めている時期で、保育園に預けるときに目に涙を溜めてこらえながら『バイバイ』って言ってきて。もうそれを見たら、こっちが泣いちゃいました」

わかります、子どもが悲しそうにしていると本当にこっちもつらくなっちゃうんですよね。中には、泣くどころか、のたうちまわって大暴れして保育園に行くのを嫌がる子もいるようです。

「でも意外とそういう子も、お母さんの姿が見えなくなるとケロッとしていることが多いみたいです。愛着が十分に形成される3歳くらいになると、お母さんは仕事に行ってしまうけど戻ってきてくれるし大丈夫なんだということをだんだん理解するようになります」

べったりは子供の発達段階のひとつ

あああ

インタビュー時、担当編集者のお悩みにも優しく応じてくれた齋藤先生

これって愛情不足かも?と思ってしまう子どもの行動に「いつも以上に甘える」というものもあります。保育園から帰ってきて子どもがべったり甘えてしまうのは、やっぱり一緒にいない時間の分を取り戻そうとしているんでしょうか

「そうした行動も、『この人は何かあったときにきちんと助けてくれる人だ』ということを確認するため愛着形成の最初は、子どもの要求・信号に親が応える『応答』から始まって、そのうち子どもが親に自分から物理的にくっつくようになります。そうしてだんだんと、『この人はちょっと離れていても戻ってきてくれる』ということを子どももわかってくると、ずっとべったりということはなくなると思います」

なるほど、保育園ではないときに親にくっついて甘えてしまうのは、愛情不足というより、子どもの発達段階のひとつとしてとらえられることなんですね。

アンケートでも、「それまで、寂しいのか添い寝をしていないと『ママ~』と何度も起きてきたけれど、3歳になったら1人でも朝まで寝るようになりました」(M.Oさん、会社員、子ども3歳、0歳)と、成長とともに甘えることが少なくなったという声がありました。

子どもを育てるのは保育園のお友達?

あああ

保育園にいると、年齢差がある子どもたちが一緒にいることも多くなりますね

そうはいっても、子どもには寂しい思いを多少なりともさせているわけで、これがのちのち発達などに影響したりすることはないんでしょうか?

「保育園に預けている子と、家庭で育っている子で、両者の発達的な変化を比べた研究があるのですが、データをとってみるとほとんど差はないという結果が出ています。むしろ、早期保育をしたほうが、問題行動のリスクが低いとか、社会的適応が高いというデータもあるくらいです」

以前公開した記事「子どもを「保育園に預けること」に罪悪感を持たなくていい!その根拠とは?【児童教育の専門家に聞いた!】」のお話にもあった“アロマザリング”の観点からすると、子どもが成長する中で、安心できるホームの役割を持つのが母親ひとりである必要はないということなのでしょうか。

「そうですね。それは保育士さんでもあるし、たとえば年長のお姉さんお兄さんだったり、同年齢の子であることもあります。うちの子の場合、一時期なぜか保育園のトイレに行くのを怖がっちゃって、同じクラスの子に一緒に行ってもらっていたようです。そうやって、いろんな人に助けを求めたり、自分が助けることもあるという中で、子どもは社会性も身に付けていきます

ただし、保育の内容や質にこだわることは大切だと齋藤先生。

「最近、“保育崩壊”という言葉が生まれたりしていますが、保育所が乱立している中で、あまりよくない話を聞くこともあります。なので、子どもが入る保育園の下調べはなるべくしっかりしてあげたいですね。そして、『ここなら大丈夫』と確信を持って預けたら、それはそれでもう預けている間はクヨクヨ気にせず、自分のことに専念する時間を持ったほうが、(人にもよるでしょうが)ストレスが少ないので、結果的に自分のためにも、子どものためにもなると思います」

 

とてもためになる、そしてワーママの不安を次々と斬ってくださる齋藤先生のお話も次で最終回次回は、物理的に子どもと接する時間が少ない中で、母も子もいっそう安心できて愛情が深まるコツを教えていただきます。

PROFILE


齋藤慈子(さいとうあつこ)武蔵野大学教育学部児童教育学科、講師。専門は比較認知科学、発達心理学。ヒトを対象とした研究のほか、マーモセットの養育行動や、ネコの社会的認知などの研究などを行っており、著書には「心理学研究法 4 発達」(分担執筆)、「飼い猫のココロがわかる 猫の心理」などがある。


【特集まとめ】


「子どもを預けることに罪悪感を持たなくていい」その根拠とは?


「子どもは母親が家で見るべき」論はまちがっている!?

本宮丈子

本宮丈子

ライター/エディター

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