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2015.08.03

一緒にいる時間が短くても、子どもに愛情を感じてもらうには?


発達心理学が専門の齋藤先生に、短い時間で子どもに愛情を伝える方法を伺いました

発達心理学が専門の齋藤先生に、短い時間で子どもに愛情を伝える方法を伺いました

ワーママは、専業ママよりも、子どもと接する時間が絶対的に少ないのは事実。そうした少ない時間の中で子どもに愛情を感じさせるために工夫していることはありますか?とBRAVAママにアンケートをとったところ、こんな回答が返ってきました。

「やたらくっついたり、何か新しいことができるたびにほめたりしています。また、どんなに忙しくても1日15分は“ながら遊び”せずに、しっかり向き合って一緒に遊んでいます」(M.Oさん、会社員、子ども3歳、0歳)

「家にいるときは必要以上に抱っこしたり、キスしています」(M.Tさん、会社員、子ども7歳、3歳)

M.Oさんのおうちでは、その後、妹ができても上の子が赤ちゃん返りをせず、それよりも「小さなお母さんとして、ママと一緒に妹のお世話をしてくれた」とのこと。M.Tさんのお子さんも、自分からキスやハグを必要以上に求めることが少なくなったそう。

「子どもと一緒にいるあいだにスキンシップをしたり、密なコンタクトをとることはとても重要です」と齋藤先生。短い時間の中でも、母も子もよりいっそう安心できて、愛情をお互い感じられるようなコツってなにかあるんでしょうか?

スキンシップで愛情ホルモンが出る!

ああああ

スキンシップをとることで、母子ともに愛情ホルモンがでる。なんだか素敵ですね

「まず身体的接触はとてもよいことだと言われています。教育的な研究というよりは、生理的な研究の分野になってくるのですが、接触することで、母子ともにオキシトシンというホルモンが分泌されることがわかっています。別名、愛情ホルモンといわれるオキシトシンは、ストレスに対する抵抗を高めると言われています」

そう言われてみればわたしも、保育園から帰ってきた娘を抱っこしてほっぺをスリスリ、ハムハムしているあいだに仕事のストレスがスーッと消えていくのを感じます…!それって子どものほうにも良い影響があるんですね。

「嫌がったりしていなければ、とても良いと思いますよ(笑)。母親と目を合わせたり、声を聞くだけでも子どもにオキシトシンが分泌されるという研究結果もあって。コンタクトをとる、ということはとても重要なことです」

いちばん大切なのは“応答”すること

目をみて話を聞いてあげるだけで、とても効果的なんですね

目をみて話を聞いてあげるだけで、とても効果的なんですね

子どもと接するときに重要なのは、一緒にいる時間にいかにきちんと“応答”してあげるということ。働いているお母さんたちは、やっぱり家に帰ってもいろいろと忙しいと思うんですが、『あとでね』ばかりではなくて、子どもの要求をきちんと聞いてあげることが大切です。子どもが『見て』と言ったときにきちんと見てあげる、というような本当に単純なことですけど、それが一番大事なことだと思います」

BRAVAママへのアンケートでも、「『ママ来て~』『ママ見て~』と言われた時は、たとえご飯を作っていようと手を止めて納得するまでそばで要求を聞いていました。しばらく続けていると、どうしても忙しくて手が離せないときに、『ちょっと待ってて◯◯してるから』と言うと、その言葉を理解してくれて待っていてくれるようになりました」(T.Sさん、会社員、子ども7歳)と、応答してあげることで子どもの行動が変わっていったという声が。

とはいえ、やっぱり手が離せないときはあるんですよね。気が付くと「ちょっと待って!」ばかり言ってしまいます

「それでも、声をかけたり目線を合わせたり、見えるところでときどき手を振ったり…注意は向けているよっていうのを伝えてあげるだけでも違います。小さい子は話の内容がわからなかったとしても、声色で感情を感じ取ることができるので、なるべくポジティブな感情をのせた声で応答してあげるとよいでしょう」

お母さんは安全基地!

あああ

長時間一緒にいることよりも、子どもの応答にしっかりこたえることが大切なんですね

“応答”は、親のほうから働きかけるのではなく、あくまで子どもの呼びかけに応えるということが重要だそう。そうしたコミュニケーションの中で、愛着が生まれ、子どもの社会性や情緒的な発達が促されていきます

「“愛着”は、現代では、母親をはじめとする養育者を安全基地として、自分で世界を広げるように動くためのある種の装置だととらえられています。子どもが困ったとき、不安に感じたときにそこに戻ってくるのが愛着対象。子どもが離れているあいだ、もちろん危険があれば引き止めなきゃいけないですけど、そっと見守ることも大事です」

 

ワーママの子どもは、愛情が不足してしまうんではないか…それはどうやら、ワーママが持つ罪悪感からの取り越し苦労のことが多いようです。しかし今回の特集のなかで、「子どもを保育園に預けて働くことに罪悪感を感じる必要はまったくありません」という齋藤先生の言葉には、さまざまな裏付けがありました。子どもとのコミュニケーションで重要なのは、本当にささいな日常のやりとり。

なにかと忙しい毎日ですが、仕事をして自分の時間も大切にしながら、子どもとの時間を今よりもほんの少し、ていねいに過ごしてみたいと思いました。

PROFILE


齋藤慈子(さいとうあつこ)武蔵野大学教育学部児童教育学科、講師。専門は比較認知科学、発達心理学。ヒトを対象とした研究のほか、マーモセットの養育行動や、ネコの社会的認知などの研究などを行っており、著書には「心理学研究法 4 発達」(分担執筆)、「飼い猫のココロがわかる 猫の心理」などがある。


【特集まとめ】


「子どもを預けることに罪悪感を持たなくていい」その根拠とは?


「子どもは母親が家で見るべき」論はまちがっている!?


保育園で大泣き、家に帰ってべったり...子どもの行動の裏側にあるものとは?

本宮丈子

本宮丈子

ライター/エディター

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