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2015.08.29

妊娠しやすい年齢が結婚できる時期とは限りませんよね? 


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こういう資料を作る前にやることあるでしょ? と思った件

8月25日、読売新聞から「『妊娠しやすさ』グラフに誤り…保健体育副教材」というニュースが報じられました。

さて、この高校生向けの「保健体育」の副教材ですが、文部科学省が7年ぶりに改訂したもので、従来のものよりも妊娠や出産に関する記述が2ページ増え、4ページに倍増しているとのこと。

その際に、妊娠のしやすさを表すグラフも新たに追加されました。

グラフは米国の大学の研究者の論文(1998年発表)を元にしており、女性の妊娠のピークは22~25歳をほぼ横ばいに、その後下降するようになっています。

ですが、副教本では、妊娠しやすい時期のピークが22歳で、その後すぐに下降していました。

え? 22歳で出産しろと? ……って思わず、こめかみあたりがピクピクしちゃうグラフですよね。

 

しかも、ご丁寧に「医学的に、女性にとって妊娠に適した時期は20代であり、30代から徐々に妊娠する力が下がり始め、一般に、40歳を過ぎると妊娠は難しくなります」という説明文も、今回新たに加えられているとのことですから、晩婚女性に喧嘩を売っているようなものです。

 

子どもたちに早くから、子どもを持つ意識を持ってもらい、少子化対策にしよう……ということなのでしょうが、でも、ちょっと待って! こういう教材を作るより前に、することってもっとたくさんありません? って思ったのは、私だけじゃないはず。

 

22〜25歳で出産するって現実的に難しくないですか?

確かに若い年齢での出産は体力的回復は早いのですが...

若い年齢での出産は体力的の回復も早いのですが…

 

たとえば、今の20代が同世代同士で出産して家族を築こうと思うと、専業主婦を望むことは金銭的にほぼ不可能

親世代だって現役で働いていることも少なくないでしょうから、両親に預けるのも一苦労するかもしれません。

もちろん保育園に預けようと思っても、都心部だと預け先がない……なんてことは、もはや常識。

頑張って節約して専業主婦になってくださいとでもいうメッセージなのでしょうか。

 

はたまた、結婚は後からでもいいので、とりあえず妊娠・出産してくださいというメッセージなのでしょうか? であれば、日本の戸籍制度や結婚制度って、未婚の母にはかなり厳しいモノ。

私が未婚(22歳)で子どもを生んだときは、寡婦控除が未婚の母には不適用でした。

今は、自治体によって「みなし適用」されているので、徐々に未婚の母への理解が進んでいるのかもしれませんが、やはり未婚で子どもを産むのは精神的にハードルが高いのが現状です。

 

ただ、やはり22歳で子どもを産んだときには、肉体的に非常に楽でしたし、精神的にも楽でした。

多分、自分が子どもに近いため、「一緒にいるだけで楽しい」「遊び相手が1人増えた」というような子どもと横並びの感覚だったのでしょうね(これもどうかと思いますが……)。

周囲から見たら、かなりヒヤヒヤだったのかもしれませんが、なんとなく本能で子育てしていた感覚があります。

でも35歳、37歳で、久しぶりに出産した今は、頭で子育てしているなあと時折感じます

20代で出産できるように結婚もできて、体力のあるうちに子育てもできれば理想ですが、今の現実って、その理想を叶えられる可能性が非常に低いですよね……。

 

もちろん、出産にも適齢期があると教えることは大事だとは思います。知らないことも、悲しいことですから。

ただ、その適齢期に幸せに出産を迎えられるような仕組みがなければ、「早く結婚したい!」「24歳くらいで子どもを産みたい!」とはなかなか思えないでしょう。

「22歳〜25歳が出産適齢期ですよ」というPRどおりにライフプランを作るなら、10代後半くらいから婚活しなければなりません。ということは、「若く子どもを産んでも、キャリアも築けるし、貧乏にもなりませんよ

ハッピーでステキな未来が待っています」というPRも同時にして、そのPRどおりの現実も整備してくれないと、なかなか早い結婚&出産は実現化しないのではないでしょうか?

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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