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2015.09.03

『女性の起業』が応援される時代!でもその実態は……?


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安倍政権下で「ウーマノミクス」が動き始め、「配偶者控除」の見直しがささやかれています

それにより「家事と育児の合間にパートに出て、夫の扶養範囲内で稼ぐ」という、女性の働き方の〝テッパン″が揺らぎ始めました。

さらに先日、社員の勤続年数や労働時間の男女差、社員数や管理職の女性比率を公開し、課題分析を義務づける「女性活躍推進法」が可決、成立。

企業での女性活用に加え、国を挙げて推進し始めているのが「女性の起業」です。

今、わたしたち女性が「起業」しようとしたとき、どんな支援が受けられ、そこにはどんな問題が潜んでいるのでしょうか……?

女性のパワーに期待を寄せる日本経済

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出産をすると今までと同じ働き方はなかなかできません。

働く女性が年々多くなっているのは、周知の事実。

しかし、大概の女性には、人生を変える大きなライフイベントがいくつも待っています

結婚、妊娠、出産、育児……そのたびに女性は家庭と子どものことを念頭に置きながら、自分のあるべき姿を変化させざるを得ません。そこで、世の女性が編み出した〝テッパン″が「夫の扶養範囲内で稼ぐ」という方法

これなら自分が少し頑張れば、誰にもガマンも損もさせずに済むからです。
しかし、昨今「配偶者控除」の見直しによってそのテッパンの地位が揺らぎ始めています。

一方で、女性ならではの視点や経験、技術、ネットワークを活用すべき事業が世に増えてきており、女性の持つ力が見直されています。女性の社会進出をいっそう高めたいという期待と願望を込めた「配偶者控除」の見直し、そして「女性活躍推進法」の成立であり、だからこそ「女性の起業を支援する」と、国は言います。

「創業支援」の実態は?

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起業に踏み出すためには事前に解消しておきたい不安が多くある

起業時にまず困るのが「資金」

その悩みを解決すべく、経済産業省や厚生労働省、中小企業庁など、さまざまな公的機関で助成金や補助金の申請制度が設けられています

また、各自治体でも独自の支援が設定されていることが多く、資金を補助してくれたり、さまざまな起業セミナーや相談会が開催されたりしています
ただし、それが女性に特化したものであることはまだ少ないのが現状。

わたしが住む群馬県内の市で開催される「創業セミナー・スクール」のチラシを見てみると、全面にスーツ姿の男性がガッツポーズしている写真。

そして、「事業計画」「販売戦略」「マーケティング」「資金調達」……とどれも確かに重要な単語が並んでいるのですが、正直それよりもっと聞きたいことがあるんですけど!というのが、世の女性・ママたちの意見なのではないでしょうか。

「販売戦略」なんて単語に目を止めるようになるには、すでにかなりの想いと具体的な事業内容が想像できている段階。

しかし自分が女性であり、妻であり、ママである場合、それらの以前の不安や疑問がつきまとうはずです。

「夫が転勤になったらどうしよう?」

「育児や家事と両立するには?」

「今は夫の扶養に入っている税金や保険はどうなる?」

「保育園や学童への申し出は?」

「起業してから妊娠・出産したらどうなる?」

「赤ちゃん連れで起業準備ってできる?」などなど……

そのような、女性ならではの疑問や心配事に焦点を当てた起業セミナーやスクールは、あまり存在しないように思います。また、女性の起業や社会進出を推進するのであれば、女性やママに特化した補助金などがあってもおかしくないはず。

起業するにあたっての、家庭・子ども・お金の疑問と不安。そこが解消されないと、女性は、なかなか起業には踏み出せない気がしませんか?

起業女性にはこんな落とし穴が!

出産をしても、自営業は育休制度がありません。

出産をしても、自営業は育休制度がありません。

上記の疑問・悩みのなかでもっとも心配なのが、「もし妊娠・出産したら?」というところなのではないでしょうか。

法律では、「産前6週間、産後8週間は働かない」ことが決められており、いくら安産でも体を休める期間は必要です。

しかし自分が事業主となると、雇用保険は適用されず、育児休業も取得できません

これは、大問題です!さらに、兄弟がいて、すでに上の子を保育園に預けている場合は、仕事をしない期間が3ヵ月以上に渡ると上の子が退園させられてしまう、なんていう問題も。

結果、生後3ヵ月の赤ちゃんをどこかの保育園に預けて働く、ということが必須になってくるのです。
もちろん、「働いていない間に仕事がなくなったらどうしよう?」という心配もあります。

だからといって、あまりに早く復帰しても体がついてこない、子どもの預け先も見つからない、そもそもこんな小さいうちに保育園に預けることってどうなの?……という葛藤が生まれるのもやっぱり事実です。

起業セミナーは種々行われているものの、ママ起業に必要なものは・・・。

起業セミナーは種々行われているものの、ママ起業に必要なものは・・・。

そこで、わたしが住んでいる自治体に、この疑問と不安を投げかけてみました

すると、
「おっしゃることは分かるのですが、法律に基づいて定めており、自営業者が育児休業をとるなどの前例がないので、今すぐお答えすることができません。また、起業準備期間は、保育園の一時利用ができます。」
との回答。やっぱりね……。

そういう答えが返ってくることはなんとなく予想していましたが、ガッカリでした。

 

実際わたしの周りで起業した女性をあたってみると、やはり「産後すぐに子どもを保育園に預け、寝る間も惜しんで仕事をした」とか、「子育てがひと段落するまで起業は考えなかった」とか、「子どもが1歳になるまでは、自分の母に子どもをみてもらっていた」という声を多く聞きました。

さらに、「起業したがゆえに、妊娠・出産になかなか踏み切れない」という声も。

応援してくれるのはありがたいけれど、そういうライフイベントに伴った変化に柔軟に対応できる社会・制度が整わなければ、女性の〝幸せな″起業が進むなんて思えません。詰めが甘い!と感じてしまいます。

たとえ会社に雇用されていたとしても、産休・育休がすんなり取得できる会社が当たり前ではないと聞きます。

「女性を活躍させたい」という国の新たな政策に、今存在する法律や社会、風潮がまったく追いついていないのでは?

「女性活躍推進法」の成立に、「そこじゃない!」という怒りと冷ややかな視線を送るママたちの顔……想像できます。

 

女性視点を活かして起業している女性も多いですが、苦労は多そうです。

女性視点を活かして起業している女性も多いですが、苦労は多そうです。

一方で、起業している女性たちからはこんな声も聞かれました。

「子どものお迎えはパパの仕事」 「家事はわたしか夫、どちらかできるほうがやる」 「あまりに急ぎだったり、許容範囲を超える内容の仕事は引き受けない」 「子どもが熱を出したりして仕事ができないときは、クライアントさんに正直にそれを話す」などなど……

やはり旦那さんの協力、そして協力できる環境・社会をつくることがとても重要。

そして何より、できないことは「できないんです」と正直に言ってみることも大事なのかもしれませんね。

 

いろいろ問題はありながらも、女性の社会進出や起業は今後さらに進んでいくはずです。

社会や法律が柔軟に、そして早急に対応していってほしいと願うとともに、

「わたしたちには一体何ができるのか?」、さらに深く考えていきたいところです。

 

岩崎 未来

岩﨑未来

フリーライター・エディター

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