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2015.09.29

”はたらく”をいろんな立場から考えてみた【イベントレポート】


去る2015年8月1日(土)、2日(日)に開催された、環境省『ウォータープロジェクト』主催の「Water Day FESTIVAL」×『JAPAN FAMILY FESTIVAL vol.2(ジャパンファミリーフェスティバル)』。

イベント内で、ライオンのキレイキレイ(バイ菌とたたかうプロジェクト)と一緒にエリア展開されたプロジェクト『ママのはたらくインフォメーション』で、子どもをもつママの“はたらく”と“くらす”について考えるためのトークセッションを開催しました。

今回は、以前も少しご紹介したトークセッションの詳しいレポートをお送りします。

 

まずは第1のテーマ 『ママの“はたらく”を考える』トークセッションレポートです。

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「衣食住+子育て」に向き合うための “はたらき方”とは

ファシリテーターを務めた日本財団森氏

ファシリテーターを務めた日本財団森氏

現代の成熟した日本社会において、ママたちは何のために働き、家族に何を求めているのでしょうか。

ママたちの”はたらく”と”くらす”についてそもそもの想いを紐解くべく、各専門分野のエキスパートから意見を伺いました。

ファシリテーターに森啓子さん(日本財団ママの笑顔を増やすプロジェクト)を迎え、働くママのための生活実用誌「CHANTO」より山岡朝子編集長、男性の育児バイブル「FQ JAPAN」編集長を経て、現在はフリーランス編集者として活躍される畑山護之さん、女性がより働きやすくなる社会の実現を目指すプロジェクト「Women Will」を展開するGoogleから山本祐介さん(Google ブランドマーケティングマネージャー)、多種多様で柔軟な働き方の提案をめざす「リクルートジョブズ」から宇佐川邦子さん(ジョブズリサーチセンター長)、人材派遣、人材紹介や再就職支援など、あらゆる働き方の提案を行う「パソナ」から蒲生智会さん(官公庁事業部官公庁第4チームチーム長)、イベント型無料保育サービス「ママトコタイム」などを運営する天沼幸子さん、自営型テレワークを活用し日本の個人事業主ママにおける業務ネットワークを展開する「クリエイティブマムズリンク」佐藤にのさんが登壇されました。

取材や事例・アイデアなどから見えてきた、“はたらく”の考え方

CHANTO編集長山岡氏

CHANTO山岡朝子編集長

読者への取材事例から見た“働くママの気持ち”傾向についてお話を聞かせてくださったのは、「CHANTO」編集長の山岡さんです。

「読者の皆さんにとって『子育て期間中は、あくまでも軸足を家庭に』というのは共通した想いです。

以前に誌面で組んだ “転職で見つけた私らしいお仕事スタイル” 特集では、子育て時間の確保のために、フルタイム正社員だった前職からあえて負担の少ない仕事に転職した方々を密着取材しました。

子どもと家庭を優先しながら働けるなら、収入は(ひとまず)減っても構わない、という意向が、総じて主となっているように思えます」

仕事選びには “残業や出張がない”“勤務時間に融通がきく”“通勤時間が短くて早く帰れる”“子どもが病気になったときに休みやすい”など、ママ事情を優先できる項目が重視されているようです。

現代のママらしく働くアイデアは3つ

Google「WomanWIll」プロジェクトリーダーの山本氏

Google「WomanWIll」プロジェクトリーダーの山本祐介さん

Google Japanが手がけるプロジェクトWomenWillでは、「#HappyBackToWork」というアクションを展開しています。働くママが幸せに復帰し、さらに働き続けるための様々なアイデアを、いろいろな立場の人から募集するものです。

プロジェクトリーダーである山本さんは「特にママに関して、働き方を変えるアイデアは大きく分けて3つある」と仰いました。

①  『働く場所も環境も変えないというアイデア』

―出産前と極力変わらない働き方のために、社内保育所を整備したり、子どもの面倒を見たりする際の祖父母の交通費を控除するなど

②  『働く場所は変えず、環境を変えるというアイデア』

―本人も周りも納得できる子連れ出勤や、子どもを受け入れやすい環境にオフィスを改善するなど

③  『働く場所も環境も変えるというアイデア』

―在宅やリモートでオフィス外で働く働き方を広め、実践するなど

特に③に関しては、ママの生活に多様性に合わせるべく『在宅勤務がもっと普通になってほしい』というアイデアに多くの賛同が集まっているそうです。

 

ママたちはなぜ“はたらく”のか?

パート・アルバイトの良さは、都合に合わせやすいこと

そもそもママたちは、なぜその働き方を選んだのでしょうか?

それぞれの雇用形態におけるメリットとデメリットとは、いったいどこにあるのでしょうか。

リクルートジョブス宇佐川さん

リクルートジョブス宇佐川邦子さん

リクルートジョブズの宇佐川さんは、ママたちが選びやすい雇用形態であるパート・アルバイトについて「自分の都合に合わせて働けるところ」と述べられました。

「子どもが小学生以下の場合、家事と育児の両立を望むママが多く、都合に合わせて働きやすいパート・アルバイトを選ぶ傾向にあります。

特にパート・アルバイトの場合、働き方に関して柔軟に対応してくれる企業も多く、ママの都合を相談できる企業風土がある雇用先を見つけやすいことも決め手の一つとなっているようです」

子どもの預け先の事情や、季節の予定に合わせながら、働きたいと思ったタイミングで働けるところ、仕事の頻度や時間帯を決めることが可能なところなどが、ママたちに支持されているようです。

 <パート・アルバイトのメリット>

・時間に配慮して働ける(シフト制など)

・働きたいと思ったタイミングで働ける

 

派遣の良さは、専門性も生かせること

パソナ

パソナ蒲生智会さん

パソナの蒲生さんからは、派遣についてのメリットを教えていただきました。

「派遣の業務は、スキルに合わせ仕事内容を限定して行います。専門的な知見があり、時間に制限のあるママには働きやすいと言えるでしょう。

勤務地や時間・曜日も選べ、職場と住まいを近距離内におさめる職住近接も実現できます。現在は派遣でも産休・育休も取得できるので、職場復帰もスムーズです。

例えば、金融業界での経験、経理・財務のスキルがあるなら、即戦力として働きながら新しい経験を積むことができます。

また、全国展開している派遣会社に登録しておけば、ご主人の転勤などにも合わせやすくもあり、赴任先でもスムーズにお仕事を開始することが可能です」

 <派遣のメリット>

・専門性の高い職種も選べる

・企業制度を利用できることがある

・家族の転勤があっても働きやすい

 

在宅&時間活用の集大成、フリーランス

フリーランス代表佐藤にのさん

フリーランス代表佐藤にのさん

「一番のメリットは、妊娠中や保活中、または転勤などといったママのライフステージの変化に合わせながら、日時単位で働けることです。

注意点としては、その人が持つ能力以外の業務(事務経理業務など)も自分で行うため、孤軍奮闘しなければいけない点でしょうか。スキルや知識が備わっていない部分を含め頼り合い、精神的にも助け合えるフリーランス仲間を上手に作っていくことが、長く続けるためのポイントかと思います」

フリーランスの場合、自分の能力や過去の実績がそのまま営業資料にもなるので、常にスキルを磨き続ける努力も必要だそうです。

「そして自宅で仕事をする価値を、パートナーや家族に理解してもらうこともポイントです。

仕事量や共働き夫婦としての家事育児分担について、そしてママの収入で家族のために何ができるかなどを事前にしっかり話し合い、共有することが、フリーランスを長く続けるコツの一つです」。

 <フリーランスのメリット>

・日時単位や、隙間時間でも働ける

・自宅で仕事が出来る

・総じて、ママのライフステージに合わせやすい

ママが起業の道を選んだ理由

起業家代表、天沼さん

起業家代表、天沼さん

ここで、会社の代表を勤める天沼さんに、起業を選んだ理由をお話いただきました。

自分が作りたい環境を作っていける点です。

時間のフレキシブルさはさほどないですが、ママが働きやすい仕組みをつくることで、私自身にとっても働きやすい環境を目指すことが出来るのは強みです」

「もう1つは思い描いていることを形にしていけることです。

実現していく過程は楽しいことばかりでなく、課題と向き合ったり、辛い事を乗り越えなければならなかったりと難易度の高さを感じることもありますが、想いを実現することが自分の生活の糧となり、結果として家族と生きる人生を豊かにしていけると思っています」

ちなみにご主人は、天沼さんの後に次ぐ形で起業されました。それぞれが会社の代表を務める天沼夫婦にとっては、「仕事面についても、家事育児面についても、対話コミュニケーションを大切にしている」そうです。

忙しい合間を縫い合い、対話を重ねながら子どもとの時間を作り、家事を分け合う天沼夫婦のあり方は、これからの共働き家庭の良いお手本といえるでしょう。

FQジャパン 畠山編集長

FQ JAPAN 畑山編集長

パパは“はたらくママ”をどう見ているのか?

一方でパパたちは、働くママの毎日を目にしながらどのように感じているのでしょうか?

男の育児バイブル「FQ JAPAN」編集長を勤めておられた畑山さんによると「過去の読者アンケートでは、家庭を持つ女性が外で働くことについてパパの9割が賛成していた」とのこと。

「パートナーが働くことに関して、45%のパパが『本人だけでなく社会のためになるから』と答え、また33%のパパが『本人の意見を尊重したいから』と回答していました。現代のパパは、働きたいママをサポートする気持ちがあるということが分かっています」

加えて「働くママの家事育児負担を減らすために“パパが育児ともっと積極的に関わる方法”を夫婦で実践し、自ら獲得していくことは大切で、夫婦それぞれのワーク・ライフ・バランス実現にも結びつく」のだそう。

ママの社会参画を下支えするのは、パパの家庭参画だという畑山さんの言葉から、これからの家族の在り方が見えてきそうです。

とはいえ、夫婦がいる世帯における共働き家庭が全世帯数の約1/3(※)を占める現在において、家庭内ではまだまだママの家事育児負担が大きい、という事実があります。

家族は、働くママとどのように支え合えばよいのでしょうか?

(※…総務省統計局 労働力調査(基本集計)2015年度より引用)

 

「CHANTO」山岡さんは「男性の家事参加も増加傾向にあるとはいえ、家庭内作業の大半が女性の負担となっている以上、やはり家事の分担が一番の支えでしょう」と話されます。

ママは、日本人男性特有の長時間労働体制に理解を示しながら夫の気持ちを受け入れ、パパは、積極的に家事育児参画を行い、ママのおうちワークを減らす。

お互いの立場を思いやりあえば、限界だと思っていた自分の稼動量にまだ余力が見つかるかもしれません。

 多様なはたらき方=個人の人生事情に合わせたワークスタイル

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さて、ここで改めて“多様な働き方”とは、いったいどういうことを指すのでしょうか?

Googleの山本さんは「未来に活かせるべき多様な働き方とは、まず、テクノロジーを活用して働く場所と時間が多様になるということだと思います」とお話くださいました。

「いつでもどこでも働けることで、育児中の女性だけではなくて、家事育児参画を増やしたい男性や介護が必要な方など、様々な事情の人が働き続けることができる、ということです。

もう一つは、個人に合わせた働き方を選べるということです。例えば子連れ出勤の場合、時給を下げられるほうが安心する人もいれば、産後社員への待遇として社内制度を整えてあるほうが安心する人もいます。

一人一人の考えや感じ方をアイデアにして発信することで、働き方はよりよく変わってくるのではないでしょうか」

 考え、知り、選び、声を挙げていこう

 皆さんの意見を受け、日本財団ママプロの森さんは「多様な働き方と巡り合うには、仕事に合わせて自分を変えるのではなく、自分に合った仕事に出会うためのアクションを起こすことが大切。想いを伝え、受け止め合える関係性を、日頃からみんなで作っていきたいですね」と結びました。

 ママは、一歩足を踏み出すこと。

パパと家族は、手を差し伸べること。

社会は、ママが持続的に働ける環境や空気感を整備すること。

それぞれの課題を解決するために必要なものは、一人一人の想いと勇気だということが分かったセッションとなりました。

 

 

文/クリエイティブマムズリンク 中村康子

写真/ジャパンファミリーフェスティバル・ママのはたらくインフォメーション

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