それでもママは働く 未来と自分を信じて ワーママ・プレワーママの共感サイト| BRAVA(ブラーバ)

2015.10.15

よしもとばなな、押井守、養老孟司、松本零士・・・自らが語る「子ども時代」とは?


区の職員ママが薦める「読んで良かった!」
『わたしが子どもだったころ 全3巻』
NHK「わたしが子どもだったころ」制作グループ 編

わたしが子どもだったころ

第一線で活躍するプロは、どんな子ども時代を過ごしてきたのか

様々な分野で活躍している人たちの子ども時代に焦点を当てたNHKの番組「私が子どもだったころ」。長男がそろそろ2歳になるという頃、その再放送をテレビでたまたま見て面白かったので、放送予定を調べているうちに、番組が書籍化されていることを知りました。

内容を見てみたら、作家や学者、映画監督や漫画家など、自分が興味のある人たちの話が載っていることが判明。すぐ手に取り、読み始めました。

たぶん、よくあるような有名人のサクセスストーリーだったら興味を持たなかったと思うんです。子ども時代にクローズアップした話であったこと、ちょうど自分が母親になってまだ数年で、自分の興味ある人たちがどんな子ども時代を過ごしたか、どのように親に育てられたのか、読んでみたくなったんだと思います。

最初は1巻だけのつもりでしたが、読みやすいうえに各人のエピソードもとても面白く、残りの2巻・3巻もすぐ続いて買ってしまいました。

今どんなにすごいと言われている人も、昔はただの「子ども」

ああああ

現在活躍する人たちは特別な才能がある子どもだったわけではない・・・。

この本の1巻には、よしもとばなな、松尾スズキ、押井守、荒俣宏、2巻には野口健、みうらじゅん、山本寛斎、養老孟司、3巻には荒木経惟、松本零士など、さまざまなジャンルの第一線で活躍する人たちの子ども時代の話が収められています。

きっと子どもの頃から優秀だったんだろう、才能があったんだろう、もしくは何か特別な出来事が成功へと導いたんだろう……そんな風に思いがちですが、みんな驚くほど普通の子どもたちです。むしろ、うまく周りに溶け込めなかったり、劣等感を抱いていたり、時代に振り回されてしまったりして、息がつまるような思いをしていた人が多い。

でも、そんなうまくいかない日々の中でも、キラリと光る喜びの瞬間があり、それを見逃さずに捉え、正直に受けとめ生きている……そんな印象が残りました。

例えば、作家のよしもとばななさんは、「学校は苦手で、行かなきゃよかった」と思っていたそうですが、「自分というものがあれば、どこにいても自分は自分だ」ということを教えてくれた素敵な転校生や、のちに最初の読者になる長年の親友と出会っていて、人生や小説執筆のルーツになっていると言います。

また、父親がなんと私立探偵(!)だった映画監督の押井守さんは、「謎が多く、家庭内で権力を振りかざす父と、対立することを避けて逃げ出した」と言いつつ、のちに私立探偵を主人公にした映画を作ったり、父と体つきが似てきたことに気づいたりして、親とはどうしても縁が切れないと感じているそう。

さらに、博物学者の荒俣宏さんの家は夜逃げをするほど貧乏で、「商売人に本なんか無用、読み書きそろばんができればいい」と、家に本が一冊もない状態だったそう。唯一、手の届いたのが“貸本屋”のちょっと毒があるリアルでスリリングな漫画たち。これを読んだときのドキドキ感や未知の世界へのあこがれ、好奇心……それが自分の原点で、未だにエネルギー源になっていると語っています。

そして、他の人たちもみんな子ども時代を振り返り、「あの頃があったから今がある」と感じている……ということは、「私はいま、自分の息子たちの大切な時を一緒に過ごしているんだ!」と気付き、身の引き締まる思いがしました。

自分の子どもが壁にぶつかったとき、ぜひ読んでほしい

ああああ

子どものやりたい心を大事に見守っていきたいですね!

この本を読み終え、いつもは常識や経験などの大人の物差しで子どもに接してしまいがちだけど、子どもの発想はもっと自由なんだから、それを大事にしてあげよう、やりたいことをやらせてあげようという気持ちが大きくなりました。

また、できないことがあったとしても気にせず、好きなことを伸ばしてあげようという気持ちにもさせてくれます。まあ、それも日々の忙しさに追われているうちに忘れてしまい、また読み返した時に思い出す、の繰り返しですけどね(笑)。

それに、読むたびに「どんなに有名な人でも最初から一流な人はいないし、みんなそれぞれ大変なことの一つや二つある、自分の境遇なんて大したことないな」と気持ちが軽くなる感じもします。

だから、息子たちが大きくなって何か壁にぶつかった時に、この本を読んで気持ちを前向きにしてもらえたら嬉しい。そして、私や主人のように大学を出て会社で働くという以外にも、いろんな選択肢やたくさんの可能性があるんだということを、わかってもらえるといいなと思います。

 

<薦めてくれたワーママ>
6歳と1歳の男児2人を育てながら、某区の職員として働くママ。最近は残業などもあり忙しく、読書と言えば、職場の同僚が回してくれる東野圭吾、池井戸潤、浅田次郎などをたまに読む程度。ゆっくり本が読みたい!

 

『わたしが子どもだったころ 全3巻』
NHK「わたしが子どもだったころ」制作グループ 編
ポプラ社
2012年発行
定価:本体価格1,100円+税
ISBN:978-459112748

【記事まとめ】ワーママBook Shelf

横山香織

, , ,