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2015.11.11

「何でできないの」「もう知らない」その言葉を言う前に親にできることは?


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子育てをしていて、子どもにマイナスイメージの言葉を全く言わないのは至難の業。

でも、言っても何も生み出さない叱り言葉というものがあります。

今回は、以前公開されたBRAVAの記事「【言ってはダメ!?】子どもに言ってから後悔する言葉 BEST5! その後の対応どうする?」でも働くママたちの言いがちな言葉として4位になっていた「何でできないの!」5位にランクインした「もうしらない!」について、子どもが反省しながらも前向きに行動できるように導く叱り言葉のポイント、子どもを突き放す前に親にできることを、東京学芸大学の岩立京子教授(心理学)に教えていただきました

考える力を奪う「何でできないの!」

まずは自分でやろうとしている気持ちを大切にしたいですね。

まずは自分でやろうとしている気持ちを大切にしたいですね。

何かに自分なりに一生懸命取り組んでもできない子に対し「何でできないの!」と言ってしまうこと。

「これはもう、ナンセンスです」と岩立先生。「『できない理由がわからないから、できないんだよ!』という子どもの言葉が聞こえてくるようですね」

子どもを追い詰めることをわかっていながらその言葉を言ってしまう大人の心理も、岩立先生は理解しています。

「一番腹が立つのは、『自分でやるやる!』と言い張って、結局できなくて癇癪(かんしゃく)を起すとき。『だからできないって言ったでしょ!』となってしまいがち。でも、自分でやりたい気持ちを大切にしてやりたいですし、『できないと思ったけれどチャレンジしたらできた!』という経験もさせてあげたいですよね」。

「何でできないの」という言葉から子どもは何も学べないどころか、考える力も奪ってしまうと、岩立先生は警鐘を鳴らします。

岩立先生ご自身の子育て経験です。「とてものんびりなタイプで、器用ではなかった我が子が、2歳になった頃、お友だちの真似をして立ったまま長靴を履こうとするんです。でも、それができるほどのバランス感覚はないんですね。手を貸してもらうのも嫌がるタイプ。どうしたらこの子が1人で立って履けるようになるかを考え、なるべく口の広い靴を選んだり、玄関にバーをつけてつかまって足を入れられるようにしてみました。できたときの子どもの笑顔が忘れられません」

親の感情を吐きだしているだけの「もう知らない!」

何度言っても言うことを聞いてくれないとつい言ってしまいがち。

何度言っても言うことを聞いてくれないとつい言ってしまいがち。

言うことを聞かない子どもに対し、「もう知らない!」とはねつける-

岩立先生によると、発達心理学では「愛情の除去」と分類されるしつけの種類

子どもにとってママのまなざしや愛情はとても大きな存在ですが、「それを一切なくすよ」という意味を持つ言葉がけ。子どもにとっては重い言葉ですが、「知らない!」と言われても罰があるわけでもないし、ご飯にも呼びに来てくれるということを子どもはわかっています。毎日言われていると当たり前になってしまい、そうなると無視するようになることもあるそうです。

「『もう知らない』というのは、親の感情を吐き出しているだけ。なぜそう言われてしまうのかの情報がなく、子どもには意味がわかりません。親は子どもに何かを学んでほしいから叱るのですが、『もう知らない』という言葉は、『もうお手上げだから関係を切るよ』という言葉。何かを学べる言葉ではないのです」

子どもの行動を次につなげる叱り言葉の条件

あああ

何してるの!と言ってしまった後は、子どもと一緒に解決を。

子どもが何かを学ぶことができないばかりか、考える力をも奪いかねない「何でできないの!」「もう知らない!」などの言葉。では、子どもが考え、学べるのは、どのような叱り言葉なのでしょうか?

子どもの行動が「次」につながりやすい叱り言葉に必要な3つの要素は、

① 自分は何をしてしまったのかを考える

② 何でそれをやってはダメなのかを考える。

③ やってしまったことを改善するためにこれからどうしたらよいかを考える。

これらを考える手がかりを与え、一緒に考えて励ますのが理想的な形だと、岩立先生は話します。

「子どもが自分でしたことをわかっているのか、いけないことをしちゃったという気持ちをどれだけ感じているのか、なぜ、怒られるかをわかっているのか、などを親は理解し、できるようになるにはどういう条件を揃えなければいけないかを考えたり、その状況を修復できるようなヒントを与えたりするのが親の役割。高級なカーペットを汚された時に、『何でそんなことやっちゃったの!』と口から出てしまっても、思わず怒ってしまってもいいのです。その後が大事です。こぼしてしまったことを責め続けるのでなく、『さあ大変だ!』と一緒に掃除をしましょう。最初は乾いた布で拭こう、その次に濡れた布で拭こうと、『その後どうするか?』を子どもが学べるように、親が関わっていきたいですね」

「もう知らない!」とキレてしまう自分自身を振り返ろう

ママだって人間です。優しくいられるときばかりではありません。

ママだって人間です。優しくいられるときばかりではありません。

また、岩立先生は、「もう知らない!」という言葉をママが発してしまったり、不可抗力で起きてしまったことに対しても子どもをひどく責めてしまうようなときは、ママ自身の仕事のことや、夫婦間の協力体制の不満などが背景になっている場合があると指摘します。

「そういうことがあると、同じ行為でも2倍も怒ってしまうこともあります。『何で私はそんなに感情的に怒鳴ってしまったんだろう』と、少し時間をおいてから親自身が振り返ることも大事。夫婦間の問題だったら、お互いに何ができて何ができないのかを話し合い、調整することが必要。それは親の成長にもつながりますよ」とエールを送ります。

反省しながら前向きに対処できる力

「子どもには自信を失わずに次のチャレンジをしてほしい」「反省しながら前向きに対処できる力をつけてほしい」という岩立先生。

ついつい子どもを突き放す言葉を発してしまい、反省したり落ち込んだりすることは子育ての中でよくあることだと思いますが、では、そういう時にどういう対応が取れるか、どういう言葉がけができるかを、具体的に提示していただきました。悩めるBRAVAママたちにも、前向きに対処するヒントをたくさん与えてくださったのではないかと思います!

次回は、『子どもにキツく言ってしまうママの背景に夫婦の溝があったりしませんか?』 そのあたりのお話を岩立先生にお伺いしました。こちらもお楽しみに!

千葉美奈子

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