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2015.12.01

在宅勤務で柔軟に。ママのキャリアの生かし方とは? 【ずばり!】ワーママ雇用の実情。経営者はこう考える


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出張シェフサービス『MyChef(マイシェフ)』が求めるママの力

出張シェフサービスの『MyChef(マイシェフ)』(東京都港区。以下、マイシェフ)。現在、社長を含む3人のコアメンバー以外は、5人の育児中のママと来年出産予定のプレママ1名が在宅スタッフとして広報やマーケティングなどの業務を担っています。前編では、清水昌浩社長に、ママを雇用するメリット、デメリットを中心に、独自サービスを展開するスタートアップ企業社長の立場からも率直に語っていだたきました

後編では、マイシェフが取り組むママのキャリアの生かし方を、具体的にご紹介します。

 

―在宅スタッフの募集は、「育児中の女性歓迎」だけでなく、キャリアも条件にされました。

募集要項を作るとき、最初は「パートタイム」としたのですが、「資格や経験がなくてもできる業務」という見方があるような気がして、パートタイムという言葉はなくし、「経験を問います」としました。広報であれば、半年以上の実務経験がある方限定と。在宅スタッフで短時間だけれど培った専門性を発揮して仕事をしてくれるかたを求めていることを打ち出しました。

育児中の女性が在宅でできる業務は限られています。

相手方の都合で動くような営業職は厳しいですよね。エンジニアも在宅でやりやすい仕事だと見なされている部分もあるかもしれませんが、担当する開発領域が1日遅れると、全体の開発進捗も引きずられて1日遅れるような、開発の核となるような部分は難しいですね。

その人が1週間休んでも大丈夫なように、業務を交換可能な状態に分けてお願いしないと。一方で、広報や顧客満足度を高めるための業務など重要ではあるものの緊急性が低かったり複数で担当できることは、お子さんの病気で1週間休むようなことがあっても大丈夫です。

マイシェフの広報業務では、スタッフが子連れでメディアに出向くこともあります。マイシェフが育児中の方をターゲットにしており、その趣旨を理解してくれるメディアだからこそ可能なことですね。

―面接の際に重視することは何ですか?

誠実で正直、まじめな方。復職といっても、僕との関係はここから築いていくわけですから、信頼関係を積み重ねていく必要があることを理解してくれるかたじゃないと、お互いがつらくなるでしょう。

本人の希望を聞き、勤務時間、日数などを調整

子どもがいながら在宅で仕事をすると、なかなか予定通りに進まないことが多いですね。

子どもがいながら在宅で仕事をすると、なかなか予定通りに進まないことが多いですね。

―在宅での勤務時間などはどのように決めているのですか?

何時から何時までという形では決めていません。まず本人と「このような業務内容だね」ということを確認し、整理します。それから、大まかなひと月の就労時間を決めます。それに対して、どういう形でできるかを、まず本人から提案してもらいます

現在広報業務をしている女性の場合では、自宅で育児をしながら、当初、月水金3時間ずつぐらいのボリュームで仕事ができそうだという感じでした。でも、まだお子さんも赤ちゃんで、ふた開けてみたらそうはうまくいきませんでした。都合よく月水金だけ赤ちゃんがおとなしくはならないということですね。

そこで、毎日1~2時間ずつというように変えました。業務のやり方はまずは仮で決めて、1週間、1か月たって見直し、実情に即した形に変えています。

業務報告は週ごとに提出してもらっています。

お子さんを保育園に預けられているかたはおらず、月~金まで在宅で1日5時間以上やっているような人は今のところいませんね。いわゆる時短勤務と比べると、圧倒的に短いですね。

在宅勤務で陥りやすいすれ違い

在宅だからこそ、自分からアピールを

在宅だからこそ、自分からアピールをしていくことが大事です。

―−スタッフとは業務上のやり取りはスカイプでし、数か月に1度顔を合わせるということですが、認識のずれなどが生じることはありませんか?

数か月に1度会うだけでいいのかというのはありますね。自分の立場から「あれはどうなってるんだろう」と感じたり、業務をしている側が「これでいいのかな」「今やっている作業は具体的に何の役に立っているんだっけ⁉」と感じるような、ちょっとしたすれ違いはあると思います。

個々に動けるように業務を分けることで、発生しやすい認識のずれもありますね。「私がやっていることは認められているんだろうか?」という不安も、在宅勤務では生まれやすいと思っています。実務レベルで困っているわけではないですが、例えば「月1回ぐらいなんとなくスカイプをつないで雑談する時間を持つ」など、コミュニケーションを増やす対策を考えていく必要も感じています。

スタッフになったらお願いしている「意識の大きな転換」

マイシェフの清水社長。

マイシェフの清水社長。

―−共に会社を支えていくスタッフには、どのようなことを望みますか?

一緒に働くことになったときには、最初の段階で、「仕事に対する考え方を大きく変えてほしい」と必ずお願いしています。

まず、フルタイムの時のようにいつも誰かが仕事ぶりを見てくれるわけではないことをしっかり理解し、自分を守るためにも「こういうことを、これだけしっかりやっています」ということをきちんとアピールしてほしいと伝えています。

一般論でいうと、女性のほうが男性よりも「評価されていることに対する安心感」や「この人のために仕事をしたい」との思いが重要だといいます。男性は、設定した目標のために取り組む部分が大きいんですね。求める承認の形が、少し違う傾向があると思います。

フルタイムの時と同じ意識でいると、「私はこんなに頑張っているのに誰も見てくれない」という不満も生まれやすくなってしまいます。

子育て中でもキャリアを築き続ける1つの形

また、在宅勤務は、会社で作業をしていた時に比べて圧倒的に自分で判断してもらう場面が増えるので、自分で判断できるようになってほしいとお願いしています。

もちろん、最初から価値観や判断基準が一致するわけではないので、そのすり合わせは行っていきます。「求めているのは即戦力。在宅短時間ではありますが、積んできたキャリアを責任をもって発揮するやり方でやってもらっています」と清水社長。

出産後、再び責任のある仕事への一歩を踏み出したいと考えるママの背中を押してもらうようなお話を伺うことができました。復職には色々な形があります。在宅勤務も、キャリアを長い間途切れさせないための1つの形。子育てによる制約が大きな中で少しずつでも働き出すことは、仕事面にとどまらない自信や、次の段階へのステップにつながっていくのではないかと感じました。

 

MyChef(マイシェフ)

個人向けの出張シェフ・出張料理サービスを展開。担当シェフが「みなさまのご自宅で」「お値打ち価格で」「本格的でおいしい料理を」実現
千葉美奈子

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