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2016.01.13

シングルマザーの収入はどのくらい? リアルな生活の実態とは?


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世帯収入が低い! ひとり親家庭の現実

シングルマザーの「母子家庭の貧困」が問題となって久しいです。

厚生労働省の「平成23年全国母子世帯等調査の概要」によると、母子世帯の平均年間収入は223万円(手当など含む)

仕事による収入は181万円となっています。

私は未婚で子どもを出産したのですが、出産当時は無職

産後すぐに託児所のついた乳製品販売をはじめましたが、収入は多くて10万円

とても暮らしていけないので、司法書士事務所に転職しました。

しかし、それでも収入は16〜20万程度です。

しかも、当時は子どもが小さく、しょっちゅう熱を出して保育園を休ませなければなりませんでした。

その度に、自分も仕事を休んだり、実家に見てもらったりしなければならなかったため、「これはやっていけないかも……」と早々に諦めモードとなってしまいました。

その後、さらに良い収入と自由になる時間を求めてフリーライターとなりました

フリーライターは取材と打ち合わせ以外は、家での作業となるため、まず通勤時間がなくなりました。

これが時間的にも肉体的にも大きなゆとりを生み出してくれました。

また、どうしても外せない取材の日以外は、子どもが病気になっても“なんとかなる”という安心感もありました。

これは私の勝手な意見ですが、ひとり親家庭にもっともピッタリな仕事は“起業”や“自営業”ではないかと思うのです。

さて、シングルマザーとお金について、さらに探っていきましょう。

「シングルマザー」=「大黒柱」です。

まわりを見渡してみると、シングルマザーであっても、貧困に陥らずに生活していけているのは2とおりのように思えます。

1)専門職についている

2)セックスワーカーや水商売

1)の仕事では、医師、編集者、記者、CADオペレーター、カメラマン、助産師、デザイン会社勤務……のように手に職をつけた女性です。

詳しい収入は分かりませんが、年収500万くらいはあるのではないでしょうか。

しかし、これらの仕事に就くためには、学歴が必要だったり、下積み時代が必要だったりします。

結婚生活に終止符を打ちたいと思った時点から身につけようと思っても、なかなか手に入りにくいものでもあります。

そのため、2)の職種を得る人が出てくるのも当然でしょう。

パートで一家を支えるシングルマザーの生活

子どもが小さい時はパートという働き方を選択するかたも。

子どもが小さい時はパートという働き方を選択するかたも。

 

さて、シングルマザーの中にはフルタイムの正規雇用ではなく、パートとして働くかたもいます。

パートだけの生活というのはどんな感じでしょうか。

飲食店でパートをしているIさん(38歳)は、高校生と中学生のお子さんがいます。

「子どもが小学校を出るまでは、学校の役員活動や習い事の送り迎えなどもあるのでパートで働こうと思っていました。

月収は8〜10万程度です。養育費はもらっていません。

母子家庭の手当があり、幸い都営住宅に入れたため、これでもやっていけます。

下の子が中学に入ったので、もう少し、収入をあげようと思っていますが、特に資格などもないので、なかなか難しいですね」

とのこと。

仕事先は近所のレストランでランチタイムに働くのがメインの収入です。

子どもが小さいうちなら、この収入でもやっていけるでしょう。

しかし、収入が少ないことで、諦めなければならないのは、子どもの教育になりがちです。

どこの家庭でもそうだと思いますが、生活費のなかで教育費の占める割合は非常に大きいです。

特に子どもが大学や私立校に進学したら、月に10万程度のお金が教育費として出て行くことになります。

実際、Iさんの長子は、定時制高校を選ぶことになりました。

Iさんの収入だと、高校受験の際にも、塾に通わせたり、私立高校を受験したりという選択肢がないわけです。

 

持病を抱え生活保護を受けるシングルマザー

あああ

ママが大きな病気になってしまったら、収入は途絶えてしまいます。

 

ここであるセックスワーカーの女性(Rさん)の例を書きたいと思います。

Rさんの子どもは現在大学生と高校生。

子どもが小学生のときに離婚したのですが、それを前後して、Rさんは大病を患ってしまいます

その入院をしている際、ソーシャルワーカーに勧められ、退院後は生活保護を受給することになります。

退院してしばらくしてから、Rさんは生活保護を受給しながら、風俗で働き始めました。

Rさんは高校卒業後、21歳で結婚。独身時代から結婚後に就いた職業は飲食店勤務のみです。

そのため、重病を抱え、子どもを抱え、親も病気があり頼れないという状況で普通の仕事に就くことは非常に難しかったのです。

そのため、一生つきあわなければならない重病を抱えて、風俗勤めを始めたということになります。

とはいえ、体調が悪くなると、風俗店も辞めなければならなりません。

生活保護をストップしてしまうのは、非常に高リスクです。

でも、風俗で働いたおかげで、Rさんの長子は医学部に入学することができました。

「お母さんの病気を治してあげたい」と子どもの頃に持った夢である「医者になること」は、生活保護だけでは叶えることができなかったでしょう。

不正受給になるケースですが、私はRさんを責めることができません。

シングルマザーを選ぶとき、もっともシビアに現実をつきつけてくるのは“お金”です。

朝日新聞では『「ティッシュって甘いんだよ」幼い姉妹、母と空腹の日々』という記事が掲載されていましたが、ここまでの貧困に陥る例は少数派でしょう。

しかし、ちょっと何かあれば、ここまで陥ってしまうのがひとり親家庭の現実だといえるでしょう。

とはいえ、つらいこと、苦しいことばかりがシングルマザーの生活ではありません

楽しい部分もあるというのを次回書いていきたいと思います。

<参考>


ひとり親世帯の現状」(厚生労働省)

【記事まとめ】全国108万人!まだまだ増加中 シングルマザーという生き方

中山美里

中山美里

ライター、編集


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