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2016.02.25

【年間40冊読破】どんな子でも本が大好きになり、成績が上がる本の読み方とは?


もうすぐ新1年生の子どもを持つワーママが薦める「読んでよかった!」

『子供が「読書」に夢中になる魔法の授業』
ドナリン・ミラー/著  高橋璃子/訳  高濱正伸/解説

魔法の授業

小学生になったら、今より本を読まなくなるかもしれない?

我が家には、現在年長の男の子がいるのですが、彼は典型的な理系男子で、電車や車などの乗り物系、虫や恐竜、星などの自然科学系の話が大好き。園で借りてくるのも、そういった内容の図鑑や解説本ばかりで、母としては「もうちょっと物語も読んでほしいんだけどなぁ」と思うこともしばしば。

この春に小学生になることもあり、「このまま物語を読まない子になったら、国語の授業についていけないかも」「作文とか書けるようになるのかしら」と、少し不安になっていました。

また最近は、活字離れが進み、読書をしない子が増えているという話題もよく耳にします。

しかも、学校の国語の授業が原因で、文章を読むこと自体に苦手意識を持ってしまう子も多いのだとか。

このままでは、「今よりもっと本を読まなくなってしまうかもしれない」という危機感はあるものの、具体的にどうすればいいかはさっぱり分からない……。

そんな時、知り合いからお薦めしてもらったのがこの本でした。

「みんなで同じ本を読む」「理解度テスト」「みんなの前で音読」は、おかしい!

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著者は、アメリカの公立小学校の国語教師。テスト対策に偏った国語教育が子どもを本嫌いにしていると考え、さまざまな知見を取り入れながら「年間40冊」の多読メソッドを確立。

それまで本嫌いだったり、読み書きに問題を抱えていたりした子どもたちを、大の読書好きに育てあげてきたといいます。

まず彼女は「昔ながらの授業はつまらない。

授業やテストのおかげで本を読むのが嫌いになってしまった」という子どもたちの不満を聞き、既存の授業形式のおかしなところに気がつきます。

決められた章をみんなで一斉に読み、続きを読む前に立ち止まって課題をこなし、ようやく読み終えたと思ったらすぐテストが待っている……。

文章を読む練習のはずなのに、これでは文章を読ませないための授業をしているようだ、と。

そこで、彼女はまったく新しい授業のやり方をつくりあげていきます。具体的には、以下のような方法だそう。

●読書専用の時間をつくる:最初は授業のはじめの15分~だんだん長く。毎日続ける。
●本は自分で選ばせる:課題図書を押しつけるのではなく、自分で選ぶのがポイント。
●年間40冊読むのが目標:ブックリストを作り、各ジャンルから選ぶという課題も。
●感想を発信する:まとめや感想文を書かせる代わりに、面白かったポイントを皆に発表。
●読書ノートを書かせる:進捗状況の確認、本の選び方などをサポート。

その他にも、アンケートをとってその子の興味やレベルに合う本を地道に探したり、「つまらなかったり難しかったら、さっさと別の本に変えていい」と読書のハードルを下げたりして、とにかく子どもたちに“読書の楽しさを伝えるため”の授業を展開するのです。

本を読む人は読まない人よりも、ずっと豊かな経験をしている

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この本を読んで一番に感じるのは、著者の“本への愛”。

「読書は人生を変えてくれる」、「未知の世界や忘れられた世界への扉を開き、読む者を時空を超えた旅へと連れ出してくれる」。

こうした言葉が随所に登場し、こちらも読書の素晴らしさを再認識させられます

また著者は、「読書は国語力を上げるためのたったひとつの方法」だとも言っています。

ある博士が40年にわたって国語教育を研究した結果、どんな勉強法よりも、自分で自由に本を読むことの方が効果的なことがわかった、という報告もあるんだとか。

実際、本嫌いだった子が、読む楽しさや自分の好みが分かって、本好きになったり成績が上がったりした例がいくつか挙げられていて、「私も小学生の頃にこんな先生に出会っていたら、もっと早くからたくさんの本を読んでいたかもな~」と思わずにいられませんでした。

必要なのは、面白い本とそれを読む時間、ロールモデルになる大人

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著者がこれまで見てきた中では、読書が嫌いな子どもはいなかったそうです。また、読書に才能はいらない

練習し、習慣にしてしまえば誰でも読める、とも。

実際、今の日本の学校でこのような授業をすることは難しいでしょう。

でも家庭だったら近いことが出来ると思います。

世界にはさまざまな本があり、どんな子でも必ず面白いと思える本があるはず……それに出会えるように手助けをしてあげるのが、親の私ができることなのかなと思いました。

この本の巻末には、解説を担当している「花まる学習会」代表の高濱正伸さんが厳選した141冊のおすすめ本も紹介されています。

これが、あらすじだけではなく、ご自身の体験や子どもの反応なども書いてあって、すごく読んでみたくなるんです。

著者いわく、親の読書習慣は子どもに引き継がれるそう。

だから子どもを読書家にしたいなら、大人がロールモデルになる必要がある、と。なので私はまず、このリストの本を自分で読んでみることから始めてみようと思います。仕事に育児にバタバタな毎日ですが、少しでも時間をつくり、子どもと一緒に読書を楽しめるようになりたいです。

 

<お薦めしてくれたワーママ>
3人の子どもを育てながら、WEBの記事や企業広告などを執筆するライター。

通わせる園では、1週間に一人2冊、必ず本を借りてくる“園文庫活動”があり、現在は強制的に(?)本の読み聞かせをする日々。小学生になったらどうやって読書を習慣付けようかな~と模索しています。

<お薦めしてくれた本>
『子供が「読書」に夢中になる魔法の授業』
ドナリン・ミラー/著  高橋璃子/訳  高濱正伸/解説
かんき出版
価格:本体1,400円+税
ISBN:978-4-7612-7072-8

【記事まとめ】ワーママBook Shelf

横山香織

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