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2016.05.17

【意外に多い!2人目不妊】何もしないで諦める前にしてほしいこととは?


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「1人目妊娠したんだから、2人目だってすぐに妊娠できるだろう…あれ?なかなかできない…」という状態が“2人目不妊”と言われています。本気で不妊治療に取り組もうと思うと、時間的にも金銭的にもなかなか厳しいものがあるのが現実。
でも、検査してみてその原因が分かると、妊娠しやすくなるケースもあるようです。
今回は、1人目出産から9年目にして2人目を授かったKさん〔看護師、お子さん11歳、2歳〕にお話をうかがいました。

長女の言葉で2人目を考える

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――2人目が欲しいと思ったきかっけは?
1人目は結婚してすぐに妊娠したんです。私自身が4人きょうだいで、一人っ子というのが想像つかなかったので、きょうだいは絶対産んであげたいと思っていました。でも、2人目は5年くらい経ってからでいいかな、と。
きっかけは、長女が年中くらいから「妹が欲しい」とずっと言っていたこと、私の下のきょうだい2人にそれぞれ3人ずつ、続けざまに子どもが産まれ、「先を越された感」が強くてけっこう焦ってしまって。
長女が5歳になった頃から2人目を考えたのですが、1年以上授からなくて。そこから不妊治療を考えました

――どのような検査をしましたか?
名古屋で看護師として働いていたとき、家の近所の不妊治療専門医で検査を受けたんです。

血液検査、ホルモン検査、卵管検査などひととおり検査したのですが、特に異常がなかったんです。このときの卵管検査は、「卵管通水検査」といって、卵管に水を入れて、卵管の詰まり(癒着)がなく通っているかどうかを調べるものでした。

※卵管が詰まって通りが悪いと、精子と卵子は出会えず、卵子が子宮にたどり着くこともなくなるため、治療しないと妊娠することが難しい。詰まりの主な原因としては、骨盤内で炎症が起こる子宮内膜症、子宮外妊娠、虫垂炎など。この骨盤内で起きた炎症がさらに範囲を拡大し、卵管に癒着が起きてしまうことがある。(参考:こそだてハック妊活

その時点で自分に何も問題がないのなら、このまま治療を進めなくてもいいか、と思ってしまったんです。お金もかかるし、忙しかったし。で、そんなときに、主人の東京への転勤が決まりました。

東京で2回目の検査へ

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――東京で改めて検査をしようと思ったのですか?
やはり東京は地方より多くの、有名な不妊治療専門病院が病院がたくさんある。東京に引っ越した後、土日勤務になってウィークデーに時間もできたし、今度こそきちんとどこの病院がいいか調べ、ちゃんと通って検査・治療をしようと思ったんです。
東京の病院では、以下の検査をしました。
・超音波検査…子宮の形や大きさに異常がないか、子宮筋腫があるか、卵巣の腫れや腫瘍、卵胞の数や大きさを診る
・ホルモン検査…採血・採尿で6種類のホルモンの数値を測定し、各数値で不妊の可能性を診ていく
・精子検査…旦那さんの協力が必要
・フーナーテスト…性行後の子宮頸管内粘膜を採取して、精子が頸管内に入っているかのチェック
・感染症検査…HIV、クラミジアに感染していないか(性感染症にかかったことで、卵管に炎症が起こって癒着する場合もあるので)
・風疹抗体検査…抗体がない場合、予防接種を打たないと治療に進めない
卵管造影検査…水ではなく、造影剤で卵管の通りや流れの状態を診る
妊娠するまで、月に3回、半年ほど通いましたね。私には、この卵管造影検査がすごく効いたようなんです。水(通水)では詰まりは取れないけれど、造影剤は油分だから詰まり(癒着)が取れて流れが良くなったんだろうということでした

――かかった費用はどのくらい?
私の場合、治療には至らず、半年の検査で終わったので約6万円です。
でも、もし次のステップ体外受精に進んだら、1回30万円かかると言われました。

なんで女性ばっかり…と思ったことも

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――治療において、つらかったことはありますか?
一番つらいというか、痛かった検査は、卵管造影検査。事前に「かなり痛い」と聞かされていたので、主人に病院に付いてきてもらいました。
案の定、痛いなんてもんじゃありませんでした。言葉では表現できないし、出産とはまた違った痛み。造影剤を注入している先生に「もうやめてください!」って言ってしまったほどです。

――気持ち的に一番つらかったことは?
病室から出て、主人にいかに造影検査が痛かったか訴えましたね。妊娠するまでに、なんで女性だけがこんなにつらくて痛い思いをしなければならないんだ、と。それが気持ち的にいちばんつらかったし悔しかったです。

不妊治療をしなければ次女にめぐり会えなかった

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――妊娠したときの気持ちは?
私には、この卵管造影剤がすごく効いたようです。痛かったですが、そのおかげで卵管の詰まりがなくなって通るようになった。
この検査をして少し経ってから2人目を妊娠しました。
それはもう嬉しかったですね。嬉しいなんてもんじゃない。なにしろ5年ほど欲しいと願っていましたから。9年ぶりの出産はそれはそれで少し怖いというか、緊張しましたが(笑)。
とにかく、勇気を出して不妊治療専門病院に通って本当に良かったと思っています。だって、そうでなければ次女は産まれてこなかったですから。

――もし妊娠しなかった場合、次のステップを考えていましたか?
何も異常がない場合、人工授精よりも体外受精の方が有効だと言われたんです。

*人工授精…女性の子宮内に人工的に精子を注入して受精させる生殖医療治療方法
*体外受精…子宮内から取り出した卵子を体外で受精させ、その受精卵を培養した後に子宮に戻す治療方法

人工授精だと、精子を敵だと思って殺してしまう体質の人もいるそうです。だったらすでに受精した卵を子宮に入れた方がいい。なので、私は次のステップとして、体外受精を勧められていました。
もしこのまま2人目が自然に授からなかったら、体外受精を1回だけやってみようと夫婦で話し合っていました。

何もしないで諦める前に

そこまで授かりにくい身体ではなく卵管の流れを良くするだけでも妊娠できるのに、そのまえに諦めてしまっている「2人目不妊」の方が意外とたくさんいるそう。
1人目出産の際の出血などで卵管がつまってしまい、2人目不妊につながるケースはかなり多いそうです(もちろん、ほかにもいろいろな原因はありますが)。私は卵管造影検査でとおりが良くなったことで妊娠に至ったのですが、これって実はすごくすごく大切なことだと思うんです」とKさん。
「1人目妊娠したんだから、2人目だってすぐに!」 と思いつつ、できないなと悩みながらも検査を受けず諦めてしまっている方は意外に多いのでは。働いていると定期的に病院に通うのはなかなか難しいですが、時間を見つけてぜひ一度婦人科で検査してみてほしいと思います。

田崎美穂子

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