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2016.09.18

「貧困」が胎児に与える深刻な影響とは? 私が実際に見た貧困家庭の実態


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妊娠中に「食生活を変えよう」というのは意識高い系!?

妊娠・出産を経て、「自炊するようになって食生活が健康になった」という声、働く女性からはよく聞きますね。外食やコンビニばっかりだった食生活から、昼食にはお弁当を作っていったり、夜も早めに帰宅して自炊をしたりと、体に気を使うようになる人って多いもの。

産院では妊娠中の体重コントロールや食事内容の指導もありますが、あれ、守っていました?

2人目と3人目を出産した助産院は、食事指導や毎日の過ごし方が厳しいことで有名なところだったのですが、守ってみたら、出産した後の自分の体がとても楽でした。その時、「食べ物や睡眠って大事なんだなあ」とつくづく実感しました。

さて、9月14日(水)の西日本新聞で、「貧困、胎児に深刻な影響 妊婦の疾病、割合高く 5病院調査」というニュースが報じられました。

貧困家庭の妊婦の健康状態とは?

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このニュースによると、福岡市博多区の千鳥橋病院など5つの病院が共同で、経済的に貧困状態にある妊婦の健康調査を行ったということです。その結果によると、健康状態に共通の傾向が見られたそうです。

糖尿病とその予備軍である耐糖能異常と診断された妊婦が非貧困群2.8%に対して、貧困群は5.4%。

貧血は貧困群が24.2%で、非貧困群は16.1%。

クラミジアや梅毒などの性感染症は非貧困群が1.2%に対し、貧困群は7.9%が患っていました。

妊婦の糖尿病や貧血は早産や子どもの低体重・先天性奇形に影響するとされる上、性感染症も胎児に感染する可能性があります。

千鳥橋病院の山口英里医師(小児科)は「子の健康格差が学力や就労の格差につながりかねない。貧困の連鎖を止めるために、生活改善など妊娠初期からの支援が必要だ」と話しているそうです。

貧困の連鎖が産まれる背景とは

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以前、生活保護で暮らしている60代の女性Aさんを取材したことがあります。彼女には高校生になる娘がいるのですが、子どもは小さいときに養護施設に預けられていました。Aさんは、「ちゃんとしつけてもらって、高校も卒業して、まともな職につくこともできた。私なんかに育てられるよりも、よかったと思う」と話していたのが非常に印象的でした。

子どもの気持ちからすると必ずしもそうとは限らないのではと思い、「そんなことないんじゃないですか?」と答えたのですが、それは軽卒だったかもしれないと後から思いました。

Aさんの暮らしぶりを見ていて、とても驚いたことが一つあります。それは「料理を作れない」ということ。唯一作れる料理は、本人曰く「甘酒を鍋で温める」だけ。これが果たして料理と言えるのか……!? というツッコミは置いといて、「菓子パン」「弁当」「ファーストフード」「お菓子」「果物」を食事として摂っているのでした。

ご飯を炊くことも味噌汁を作ったこともないといい、かろうじて湯を沸かしてカップラーメンを作ることはできるが、これさえあまりやらないということです。

そして、2Kの部屋をよくよく見てみると、Aさんの家にダイニングテーブルというものはなく、Aさんの寝室のベッドの横に小さなちゃぶ台があるだけでした。娘さんの部屋は入ったことがないので、どのようになっているのかは知らないのですが、「家で食事を作って、家族で食べる」という習慣がないんだとハッとしたのを覚えています。

貧困の連鎖を食い止めることが大切……とよく言われますが、“これが当たり前”と思っている家庭の習慣は、個人個人によって大きく違うもの。医者や役所の人などは、「食事を作ってくれる親がいる」という方がおそらく大半でしょう。家庭生活はこうやって送るんだよと教えてくれる親がいて、その上で、教育も受けられ、家庭によっては学校を選ぶこともできた。そうではない家庭で育ってきた人の暮らし方は驚くほど違い、「こうやれば貧困の連鎖は食い止められる」という方法は一筋縄にはいかないんだろうなと感じた時でもありました。

【記事まとめ】ママニュー7Days

中山美里

中山美里

ライター、編集


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