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2016.12.12

海外で頑張る【日本人シングルワーママ】、どんな子育て&仕事ライフをおくってる?


日本とは生活スタイルも文化も全然違う遠い地で、フルタイムで頑張っているワーママはたくさんいます(カナダトロント在住のママの記事はこちらから)。今回は、オーストラリアのキャンベラで2児のシングルマザーとして頑張っているKさん(44歳、お子さん10歳と8歳の男の子、2歳の犬と暮らす)の育児・仕事ライフをご紹介します。

シングルマザーになった理由は?

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結婚相手はベトナム系のオーストラリア人でした。離婚したのは、子どもが4歳と2歳のとき、私がフルタイムの仕事をスタートさせたばかりの頃です。
離婚の理由は…一言でいえば、出産後、子どもにとっていい母親でいよう、相手にとってよき妻でいようなどのプレッシャーに勝てなかったということ。それにプラスして、相手との性格の不一致は分かっていたのに、それを押し切りすぎて結婚したら、やっぱりうまく行かなかった…
相手が大家族出身で、自分の弟たちや、甥っ子姪っ子などで子ども慣れしていたんです。それに対して、私は育児知識ゼロ。ことあるごとに「お前は何も知らないな」と言われたり、「お母さんの料理と全然違う」などと比べられて。

もうそれに辟易してしまって、「もうこの人とは一緒に暮らしたくありません」と思ってしまったんです。子どもも私も笑顔で過ごせるために、離婚を選びました。

オーストラリアで暮らすことを決めた理由は?

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出会ったときは相手も私も東京で働いていました。もともとシドニーに住んでいた人だし、相手がオーストリアに仕事を見つけたため、そのままオーストラリアに移住したんです。
離婚後もオーストラリアに住もうと決めたのは、やっぱり日本に比べて楽だからというのが一番の理由
というのも、労働時間も融通が利くし、働く親たちはみんな子どもの行事優先、シングルペアレントもたくさんいて、日本に比べたら理解度が全然違う気がします
通勤時間も短いし(長距離通勤なんてまずいない)、とにかく親が気楽(キャラ弁とか作らなくていいし、人と合わせなきゃ、という文化がない)。
また、日本に比べて、勉強以外のスポーツなどができる子への評価が高いんです。だから勉強だけにとらわれない広い視野と意欲を持った子に育てられるかな、と思いました。

私自身が「勉強一番じゃないから、もういいや」と人生全体をあきらめモードで生きてきてしまった気がするので、子どもには自分の好きなことを体感できるセンスと、それを続けていく気概を持ち続ける強さを持ち合わせてほしいと強く思いました。それを実現するには、自由な風土のオーストラリアがいいかな、と。

その分、各分野での技術力とか完成度は日本に比べて低いかもしれませんが、それは子どもが大きくなってから自分で世界に出て行って磨いてくれても間に合う。今は時々国外に連れ出して、「オーストラリアがすべてじゃないぜ」という感覚を養ってくれれば十分と思っています。
そして子どもたちの父親は別に危険な人でもないし、子どものことはとても大事にするので、子供と父親の接点を切るまではしたくないと思ったのも理由のひとつです。

どんな仕事をしてるの?

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現在は、日系企業の子会社で経理担当の部署で働いています。
週5勤務のうち、週2日は7:00~14:30勤務(隔週で週1日だけ9:30-14:30にすることも可能)、あとの週2日は9:30~17:00勤務、残り週1日は9:30からその週の不足分をカバーするために残業します。今はこの働き方で週38~40時間勤務なのですが、週32~35時間に減らそうかどうか考え中です。
シングルペアレントも多いし、皆さん子ども優先。早く帰るから周りの視線が気になる、なんてことも全然ないので、とても働きやすいですね。

お子さんは放課後、どう過ごしている?

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子ども2人とも週3日、放課後はアフタースクールケアという、日本でいうところの学童に行っています。子どもたちは2週間に5日ほどは父親と過ごすので、そのときは父親がお迎え、それ以外は私が迎えに行っています。
学童もみっちり6年生までありますよ。それ以降は法的にひとりでお留守番していい年齢になるので、学童はありません。

日本は基本学童は3年生で終わりって、その理由は?!と少し不思議に思いました。
こんな感じなので、シッターさんにお願いしたことはないです。もし何かあった場合は、ママ友同士で協力して乗り切っていますよ。

家事はどのようにこなしている?

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オーストラリアの学校は給食がないんです。でも、凝ったお弁当は作らず、ほぼ毎日サンドイッチやおやつ、果物などを持たせています。
そして食事は、朝にほぼその日の3食を準備して、夜温めるだけのことが多いですね。週3日は18:30からサッカーか空手があるので、子どもたちは17:45くらいに帰宅して、ごはんかきこんで、また出かけるという生活。けっこうあり合わせですますことが多いですね。でも、週に2食くらいは、目玉料理(子どものリクエスト、好きなもの、試してみたい和食など)を作るようにしています。
洗濯は1週間に2回ほど。溜まりますが、もうその2回でいっきに片付ける(笑)
掃除機は土曜日にかけるだけ、という感じですね。それでほぼ力尽きます。夏は日がかなり長いので、庭仕事などをするべきなんでしょうけど、もう草ぼうぼうです。冬は日がとても短い上に、これに暖炉に火をつける作業が帰宅後加わるので大変です。

ずばり、オーストラリアはワーキングママにとって生活しやすい?

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子育てと仕事を両立するのにとても良い国だと思います。子どもが熱出したので、あるいは行事だから遅刻します、っていうのは普通に受け入れられているので、ありがたいです。時間の融通も利くし。
これは前の職場の話ですが、週1日在宅勤務が認められていたので、すごく助かってました。あとは、子どもがある程度大きくなっても、時短で働いているお母さんたちもとても多いです。9:30~14:30勤務や9:00~15:00勤務など。
でももっと欲を言えば、子供も年齢が上がってくるとアフタースクールがつまらないみたいなので、早く迎えに行って宿題を見てあげたり、もっとゆっくり話を聞いてあたりしたいですね。
それにプラス、今住んでいるキャンベラはとても小さな都市で、どこへでも車で20~30分で行けるので、短距離・短時間移動できるからこそ、育児も仕事もまわせてるというのが正直なところですね。

 

いかがでしたか? ワーキングママに対する理解度も深く、時間の融通も利く、日本がモデルにすべき職場環境なのではないでしょうか。日本とはまったく違う生活環境、文化の中で「オーストラリアは働きながら子育てがしやすい」と楽しそうにお話ししてくれたKさんが輝いて見えました。
これからも各国で頑張っている日本人ワーママの様子や、海外の職場環境などをリポートしていきたいと思います。

田崎美穂子

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