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2017.10.19

育休中に夫婦で苦しんだ「産後うつ」、原因と症状・回復したきっかけとは?【体験談】


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産後、想像以上の睡眠不足に直面し、辛い日々を過ごすママは多いのではないでしょうか?
休日はいくらでも寝ていられるぐらい、寝るのが好きだった私もその1人です。
昨年出産した息子が新生児の時からとにかく寝ない赤ちゃんだったため、昼も夜もうとうと程度にしか睡眠がとれませんでした。

疲れているのに、眠れなくなる

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産後、ホルモンバランスの急激な変化により、ただでさえ情緒不安定になってわけもなく涙が出たり、イライラしやすくなっていました。また初めての新生児のお世話で、授乳がうまくいかなかったり、ゲップをうまく出せなくて苦しそうにしている我が子をみたりして不安が募り、まるで産まれたての子猫を育てているかのような緊張感があり、気持ちが張り詰めていました。
夫は休日のみ育児を積極的にやってくれましたが、仕事が激務で帰宅は遅く、夜中のオムツ替えなどを代わってもらうのは申し訳なく思い、出来ることは一人でやらなければ、と気負ってしまう自分がいました。

睡眠不足が日に日に酷くなり、頭痛がするなど体調不良も重なる日々。
24時間体制の育児で疲れているにもかかわらず、あまりに息子に頻繁に起こされるため、眠ろうとしても眠れない、『産後不眠』に陥ってしまったのでした。

母乳育児に固執していた自分

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生後1ヶ月たった時に、保健師さんの自宅訪問があり、育児相談にのってもらう機会がありました。その時の症状として・・・

・眠ろうとしてもとにかく眠れない
・育児が辛くてたまらないと思っている自分をダメな母親だと責めてしまう
・情緒不安定で気持ちが沈んだり、イライラが続いている

ということを話すと、「産後うつ」の可能性があるので、病院へ行くことを勧められました。しかし、母乳育児にこだわっていた私は、薬を飲むことで母乳育児が続けられなくなるのではないかという不安から、病院へなかなか行かずにいました。その結果、不眠や気分の落ち込みなどの症状は悪化していったのでした。

夫婦で産後うつに

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そして、子どもの前では笑顔でいなければと、感情を押し込めていたため、そのしわ寄せが夫に向かっていったのでした。
仕事が好きだった私は、育休中にただひたすら毎日育児と家事だけをしている中、外で仕事をしている夫が羨ましくて仕方ありませんでした。
夫は9時頃家を出て23時頃に帰宅する日々で、休日は不定期なため、家事育児に関わる時間をあまり取ることができず、そのことがさらに私のストレスとなって、たまに育児と家事をしてくれても、毎日細切れ睡眠だった私は、些細なことでイライラしたり泣き出したり、まるでヤンキーか!?というぐらいの言葉遣いになったり(笑)、夫へ嫌味ばかり言うようになりました。
たとえば、「◯◯(息子)なかなか泣きやまないね」と夫に言われただけで、自分がダメ出しをされている気持ちになるほど追い詰められていて、ちょっとした言葉で泣き出したり、怒鳴ったりしていました。さすがに、妻のこの情緒不安定状態が続いたことが原因で、夫も食欲や自信をなくしてしまい、不眠や情緒不安定を抱えるパタニティーブルーとなり、痩せていきました。
なんと、夫婦で産後うつとなってしまったのでした(泣)。

とにかくこうあらねばと頑張りすぎた

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このままでは夫婦で共倒れしてしまう!と思いたち、産後半年たった時に、地域の子育て支援スペースで臨床心理士さんに悩みを相談できるサービスを利用しました。そこで、半年間病院に行かずにひどい不眠を抱えながら母乳を続け、ワンオペ育児をしてきたこと、夫に対して怒りが止まらないことを申し訳なく思っていることを一気に吐き出しました。
心理士さんに話を聞いてもらい、「お母さん、出産してから母として今まで本当によく頑張ってきましたね。もう充分頑張ったから少し肩の力を抜いていきましょうね。」という言葉をかけてもらった瞬間、一気に涙が溢れ出したのでした。

やはり母として強くあらねば、この子を育てるために頑張らねばと、張り詰めた気持ちで育児をしてきた自分の頑張りを誰かに認めてもらいたかったのだと思います。

病院で治療を開始し、仕事を再開

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臨床心理士さんとじっくり話したことで、母乳育児を続けられる薬があることや、母親と子どものケアに力を入れているクリニックを紹介してもらい、薬で治療しながらカウンセリングを受け始めました。
カウンセリングでは、とにかく自分が今どんな状況でどんなことを感じているのかひたすら話を聞いてもらい、解決策を考えたり、溜まった不安や不満を吐き出して心の中を整理することのできる時間でした。ようやく不眠が解消に向かい、子どもに起こされてもすぐ睡眠に戻れるようになったことで短期間の間に不眠の症状が改善し、気持ちの面でも安定していったのを感じました。

生後10か月から保育園に入園できたこともあり、仕事を無事に再開することができたのです。家事についても夫と何度も話し合いを重ね、工夫しながら分担することで、今はなんとか仕事と育児の両立ができています。
振り返ってみると、産後は育児で予測不可能なことが起こるため、ジェットコースターのように感情の振れ幅が大きく穏やかとはいえない日々でしたが、母となり、我が子のために全力で奮闘した、人生におけるかけがえのない時間だったと思います。
もし私がもう一度新生児から育児をやり直せるとしたら、産後うつになった経験を活かし、「育児はこうあらねばならない」と自分を追い詰めるのではなく、肩の力を緩めて、育児における色々な選択肢の中から自分が楽だなあと思うやり方を取り入れながら、周囲にもっと頼りつつやれたらなあと思う気持ちがあります。

これから出産する方は、不眠や産後うつかな?と思う症状が見られたら、どうか自分一人で悩みを抱えずに、保健師さんに相談したり、自治体の相談サービスを積極的に利用したりして、早めに病院に行くことをぜひお勧めしたいと思います。

育児をしていると、楽しめる日も楽しめない日もあります。でもどうか焦らずに力をゆるめる時間を意識してつくってみてください。ママと子どもが一緒に笑顔で楽しく過ごせる時間が少しでも増やせればいいなあと思います。


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