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2018.03.29

コミュニケーションは「ほめる」「しかる」を減らして、子どもを「勇気づける」<アドラー心理学的子育て!後編>


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前回記事「アドラー心理学的子育て!「ほめる」「しかる」は子どものコントロールにつながる?」では、良かれと思って日々多用している「ほめ」「しかり」という言動に対して、親の私たちが見つめ直す必要があることがわかりました。では、アドラー心理学的には、子どもとのコミュニケーションについて一体どうすれば良いのでしょうか? 『アドラー子育て・親育てシリーズ第1巻 育自の教科書〜父母が学べば、子どもは伸びる〜』の著者・熊野英一さんに教えていただきました。

勇気づける=子どもの自立を後押しすること

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前編でもお伝えしたように「ほめ」や「しかり」を多用していると、「親のいう通りにする子が良い子」という価値観が定着してしまい、ありのままの自分を受け入れることが難しい場合が出てきてしまうということがわかりました。良かれと思っているこの言動が、本人のやる気や自信を削いでしまっている、というのです。アドラー心理学的には、これらを「勇気がくじかれた状態」と表現します。「勇気」とは目の前にある解決すべき課題や困難を克服する力のこと。「勇気づける」コミュニケーションを日々していると、子どもは自ずと問題を解決し、困難を克服する力を持つようになります。この勇気が備わっていれば、子どもが自立することを後押しできるのです。

「親が子育ての最終目的においていることって「子どもの自立」ですよね。誰しもが望んでいることなのに、逆に、親が子どもの自立の足を引っ張ってしまっている状態って、実は、よくあることなのです。」(熊野さん)

「勇気づける」ことが大事なのに、逆に「勇気をくじいて」しまっていたなんて…。ではこの勇気を育むにはどうしたら良いのでしょう?

共感して、ありのままの子どもたちを受け入れればいい

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子どもは何かができようができまいが、結果によって自分の価値は変わらないこと、親の愛は変わらないこと、ありのままの自分を受け入れてもらえるかどうかを確認したいのです。ですので、ほめたり、しかったり、アメとムチでコントロールするのではなく、ありのままを受け入れて共感することが、まず第一なのです。

「現代社会は小さい時から他者比較や点数で評価される競争社会。だからこそ、親が意識的に、そんなことないよ、あなたらしくいるってことが一番大事なんだよと、子どもにとっての最大の応援者である、ということを伝えないといけないです。」(熊野さん)

シンプルなことなのですが、今の私にはそれが十分できているとは、正直、言い難いです。どうしても目の前の子どもの考えよりも先回りしたり、つい周りと比べてしまったり…それすらも「子どもの将来のため」と良かれと思ってしてしまっているのですが。親である私が、こんな大切なことをおろそかにしていたことに気がつきました。

そして、子供を無条件で信頼していることを示す

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子供はどんな親でも無条件に信じています。一方で、親が期待に沿っている時だけ、何らかの根拠がある時だけしか信じてない状況に陥っていると…次第に子どもの勇気はくじかれていきます。子供がどんな行動をしようとも、根拠を求めず信じ続ける姿勢を見せ続けることができたら、「不完全な自分を受け入れてくれた」と、また勇気づけられるのです。

「子どものことを “スポンジ” に例えてみるとよくわかります。いつも潤っていて欲しいものですが、すぐに乾いてしまうのです。ほめに値するときだけ『すごいね〜!』と褒められて、その時だけ水をバシャッとかけられてもあまり意味がないのです。どんな時でもポタポタポタ…と『あなたのことはいつも見ているよ』とちょっとずつ水を絶やさずに、あげ続けていくことが大切なのです」(熊野さん)

なるほど!親の期待に添えた時や何かを達成した時だけにほめてもらうよりも、日常の小さな出来事に目を向けてありのままを受け入れて欲しいのですね。どうしても日常のことはできて当たり前、になっていることが多いので、そこも注目し直したいと思いました。

もし共感できても同意できない時は…どうすれば?

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でも、子どものことです。気持ちはわかったとしても、親として認めることができないことって日々たくさんありますが、その場合はどうしたら良いのでしょうか?

「例えば『遊びたいから宿題はしない』みたいな場合、『楽しいことだけやりたい、その気持ちはわかるよ』と、まずは共感する。だけど『でも宿題をしないって選択は、親として同意できないな』。共感はするけど、同意はできないことを伝えるのです。そこからは子どもが自分で考えますよ。その行動の結果(宿題をする・しない)から学ぶのも、子供自身です。」(熊野さん)

共感=同意ではなくても良いのですね。最初から否定するのではなく「気持ちはわかる」とまず受け入れてから「相手に共感はするけど、自分は違う意見を持っている」ということも伝えることが必要なのですね。

ただ「ほめない」「しからない」のではなく、日々の子どもたちのありのままを受け入れて、信じて見守る、という姿勢なのですね。しかし、現実を振り返ってみると「そんな聖人のようなことはできません!」と言いたくなりますが…、子育ての前に、まず自分たち親が育たなくてはならないと思いました。親としてのあり方を見直す、良い機会になりました。
これはほんのアドラー子育ての入り口にすぎません。もう少しでも深く知りたくなった方は、ぜひ「アドラー 子育て・親育て」シリーズを読んで見てくださいね。

取材協力/熊野英一さん
アドラー心理学に基づく「相互尊敬・相互信頼」のコミュニケーションを伝える〈親と上司の勇気づけ〉のプロフェッショナル。全国での多数の講演や「日経DUAL」「朝日おとうさん新聞」などでのコラム執筆を通して活発な情報発信も行う。約60の保育施設立ち上げ・運営、ベビーシッター事業に従事。2007年、株式会社子育て支援を創業、代表取締役に就任。2012年、日本初の本格的ペアレンティング・サロン「bon voyage 有栖川」をオープン。日本アドラー心理学会 正会員。 HP:株式会社 子育て支援
著書:アドラー 子育て・親育てシリーズ第1巻 育自の教科書 〜父母が学べば、子どもは伸びる〜

アドラー 子育て・親育てシリーズ第2巻 家族の教科書 〜子どもの人格は、家族がつくる〜

飯田りえ

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