2015.07.28
絵本タイムを遊びタイムに!ひと味違う読み聞かせ~乳幼児編~
忙しいワーママ、子どもと面と向き合ってじっくり遊んであげたいけど、そんな時間なかなか作れないですよね。赤ちゃんはテレビに食いつくように見てくれるので、ついついテレビに子守をさせてしまいがち。
そこで、テレビの合間にほんの10分だけの絵本読み聞かせタイムで、ついでに体遊びや「どうぞ、ありがとう」の練習もしちゃいませんか。
2冊の絵本を例に、こんな読み聞かせ方法を紹介します。
全身で「ブルブル」「ゆらゆら」
『赤ちゃんのための ことばの絵本』(桑原伸之、あすなろ書房)
私(42歳、フリーライター)の3人の子どもが1~2歳のときにとにかくハマっていた絵本です。シンプルで大きめな絵で、赤ちゃんにも見やすい構成になっています。赤ちゃんが好きな「ぴょんぴょん」や「ゆらゆら」などの擬音がたくさん出てくるので、飽きずに最後まで聞いてくれるはず。
さて、この本をどう体遊びに?
まず、床に長座スタイルで座り、お子さんを膝に乗せます。
写真の「ぺんぎんさんが くじらさんの うえで ぴょんぴょん」のときは、お子さんの脇を抱えて、ママの膝もバウンドさせながら「ぴょんぴょーん」とはねさせてください。最初は小さくはね、どんどん強くはねさせても面白いし、子どもが思いきりはしゃいでくれますよ!
次に「たまごさんが にわとりさんの うえで ゆら ゆら」。このときは、またお子さんの脇を抱え、少し大きめに左右にゆらゆら揺らしちゃいましょう。少しずつスピードアップで「ゆら! ゆら!」と左右前後にゆらゆらすると、もう大笑い!
ほかにも「ぶるぶる」や「くるくる」など。ほんの5分程度ですが、子どもも全身で遊べて大満足だし、ママにもけっこうな運動になります。ちょっとした肩こりをほぐす効果もあるかも?!
エアーどうぞ、ありがとうの練習にも
『くだもの』(平山和子、福音館書店)
これも筆者の子どもたちが1~3歳にかけて大好きだった1冊です。要はくだものを紹介していく絵本なのですが、その絵のあまりのリアリティに思わず大人も見入ってしまうほど。
そして、左ページに丸っとそのままの果物が、右のページにその果物をむくとどうなるのか分かりやすく描かれているので、親子で「うわー!美味しそう!」なんてリアクションも(笑)
さて、この絵本をどう「どうぞ、ありがとう」ごっこに?
親子で床に向き合って座り、その横に絵本を置きます。たとえば、ママが手で丸い桃の形を作り、それをお子さんに「はい、どうぞ」とエアー手渡しします。そして子どもも「ありがとう」とエアー受け取り。
その次に、「さあこれをどうむこうか?」と親子で考えます。子どもが分からなかったら、これまたママがエアーで教えてあげる。そしてむいたものをまた「はいどうぞ」「ありがとう」。
このやり取りを1冊分やるとだいたい10分くらいです。
この“エアー”やり取りは、実際に物を持ってするより想像力を膨らませます。そして、普段自分が食べている果物が自分の口に入るまでにはこういうことをするんだ、ということも学べますよね。
ほんの少しの読み聞かせで充分
毎日忙しいワーママ、たくさん読み聞かせをしてください! とは言いません。私もワーママ、とてもそんなことは言えません(笑)でも毎日、あるいは2日に1回でも、寝る前などにほんの10分ほど上記のような読み聞かせタイムを作ってみませんか。保育園から帰ったら夕飯の仕度にお風呂、寝る準備などで忙しくてろくに遊んであげられない、ろくに話を聞いてあげられない日が続いてしまっても、数分だけでも1冊の本に親子で楽しく向かう、それで充分だと思うのです。
桑原伸之著
あすなろ書房刊
1296円(税込)
ISBN978-4-7515-2181-6
「くだもの」
平山和子著
福音館書店刊
864円(税込)
ISBN 978-4-8340-0853-1
田崎美穂子
mamaライター