2015.09.09
「早くしなさい!」とイライラせずに、子どもの行動を早める方法とは?
私(フリーライター、42歳、11歳、8歳、1歳)の長男が年中、長女が2歳児クラスだった頃、保育園に着いても必ずどちらか1人がグズグズ、時には2人ともグズグズすることがあり、口癖はもちろん「もお!(怒)早くしなさいっ!」。
子どもはすぐシャキッとなんかするわけもなく、ダラダラ文句を言いながら靴を脱ぎ、またグズグズし…時にはひっくり返って泣くことも。あーますますイライラ!
そんな横で、毎朝サクサクと支度をしている子(息子と同じクラス)がいたのです。
でも別にそのママは叱りもしない、せかしてもいない。しゃがんでニコニコして見守ってるんです。そして靴下を脱ぐとハイタッチ、靴を脱いで靴箱に入れるとハイタッチ。子どももニコニコで教室に入っていくのです! なんでなんで!?
保育士さんの助言
後日そのママと話したときに「なんで毎朝叱らずに、しかもあんなにサクサク準備できるの?」と聞いてみました。
“年中から転園して来たのですが、前の園では朝グズグズで、「早くしなさい!ママ急いでるんだから!」と怒鳴ってばかりでした。
毎朝のことだったので、ある日保育士さんが「グズってる子に上から怖い顔で言っても、ますます怖がったり嫌がったりして反抗するんです。一度、子どもの目線まで下がって笑顔を見せながら促してあげてください。そしてできたら褒めてあげてくださいね。」とアドバイスをくれたんです。
忙しい朝なのに、と思いつつも翌日から実践してみると、子どもも私が同じ高さまで降りてニコニコしているのが嬉しいらしく、ゆっくりながらもグズらなくなり朝の支度ができたのです。
そして日を重ねるごとに支度もスピードUP! もちろんできるたびに満面の笑顔でめっちゃ褒めました。今は褒める代わりに「よくできたねハイタッチ」が親子で習慣というかクセになっていますね(笑)”
この話を聞いて、確かに166cmもある私が100cmそこそこの子どもを仁王立ちで上から怒鳴りつけたら、そりゃ怖いよなぁと反省し、さっそく真似してみました。
普段叱られ慣れている子どもたちは優しくなった私に逆にビビったのか、徐々に自分から支度するようになりました(笑)
保育士さんも色んな姿勢と態度で対応
このお母さんの話を聞いた後日、保育園で面談があったとき、保育士さんはどんなふうに子どもに接しているのか聞いてみました。
「叱る時は立って、上からしっかり目を見て怖めの顔で諭します。指導したり褒めたり、慰めたり、子どもに早く何かをしてほしい時は、必ず子どもの目線まで降りてなるべく笑顔で諭します。子どもも『大人がちゃんと同じ高さ(目線)で見守ってくれている』と安心すると思うんです。」とのこと。
なるほど、その時々できちんと態度や姿勢・目線を使い分けることでメリハリもつくし、子どもも状況が分かりやすくなるのかもしれないな、とものすごく納得したのを覚えています。
とはいえ、上手く自分の生活の中に取り入れるのはなかなか難しかったですが…
宿題タイムのイライラ解消!
これまた私の話ですが、つい最近まで上2人(小学校5年、3年)の子どもたちの宿題タイム=イライラタイム。
「早くしなさい!」「なんで分からないの?」と怒鳴ってばかりでした。
ダイニングテーブルでさせているのですが、ろくに見もしないで台所から怒鳴る…これじゃあ子どもだって嫌な気分で渋々なのは当たり前ですよね。
ふとこの「子ども目線」の話を思い出し、子どもたちが宿題を始めるとき一緒にダイニングテーブルについてみました。
これで子どもの目線までおりますよね。そして子どもたちの宿題をそれぞれざっと見てから、笑顔(イライラしかけている場合は作り笑顔の時も…)とガッツポーズで「はい、ママも美味しいご飯作るの頑張る! どっちが早く終わるか競争だ! 分からなかったら、ママのところまで聞きに来てください」と、2人の背中をポンっと叩きます。
この儀式(?)を始めてから、子どもたちもなんとか自分で宿題を終わらせようと頑張るようになったし、私もほとんど怒らなくなりました。
以前はテーブルから立ちもせず「ここ全然分かんない!」とふてくされながら聞いてきた息子も、今では「ここまで考えたんだけど、分からないから教えて」とけっこう素直に聞いてくるようになりました(笑)
そして、それぞれ終わったらもう一度一緒にテーブルについて、満面の笑みで褒めまくります。子どもはママから褒められるほどモチベーションがアップしていくのかもしれませんね。
長男いわく「怒るよりずっと嬉しいしやる気出る」と(笑)正直この儀式さえ面倒なときもありますが、イライラする時間が長引くのに比べたらほんの数分できること、続けていきたいと思っています。
親子で気持ちよく過ごすために
朝は毎日ギリギリで嵐のように忙しいし、帰ってきたらきたでやることいっぱい、そして子どももうるさい…つい怒鳴りたくなってしまいますよね。
確かに怒って促すほうがビビってシャキッとやる子もいると思いますが(笑)、怒らなくてもいいときに怒ってしまうことで子どももママも気分が悪くなってしまうのは悲しいですよね。
「子どもの目線までおりる」、それは親子共に1日を気持ちよくスタートできる、そして1日を落ち着いて締めくくれる、ママの大切な行動のひとつなのかもしれません。
田崎美穂子
mamaライター