2015.11.06
忙しいママ、活用してる? 気軽に利用できる時短の味方とは?
ファミサポって使ってる?
育児・介護をする家庭をサポートすることを目的に各地域で取り組まれている【ファミリーサポート事業=ファミサポ】、活用していますか?
急用で保育園の預かり時間内にお迎えができない…
上の子どもの行事参加の時に下の子どもを預ける場所がない…
自分が「今日は体調がすぐれない」という時…
1人で抱え込まず、上手に活用すれば日々の“時短”にもつながることも。
育児・家事と仕事の両立に役立つ嬉しい“ママの味方”こそが、ファミサポなのです!
そんな便利なファミサポの仕組みをファミリーサポートセンター(一般財団法人 女性労働協会)では下記のように説明しています。(以下原文)
ファミリーサポートセンターは、地域において育児や介護の援助を受けたい人と行いたい人が会員となり、育児や介護について助け合う会員組織です。
この事業は働く人々の仕事と子育てまたは介護の両立を支援する目的から、労働省(当時)が構想し、設立が始まりました。 現在では育児のサポートの対象は、子を持つすべての家庭に広がっています。ファミリーサポートセンターの設立運営は市区町村が行います。
[引用元:ファミリーサポートセンター(一般財団法人 女性労働協会)]
つまり高額な料金が懸念されるベビーシッターや家事代行といったプロではなく、地域の助け合いを活用している会員登録制の支援事業。
そのため料金も、一般的には1時間800円とリーズナブルで案外気軽に利用できるため、ママが利用しないのは正直もったいないと思いませんか?
そんなことも頼めるの?意外と多いお願いできること
実は今回私はママ達に「ファミサポ」についてのヒアリングを行ってみました。
するとファミサポを「知っている」にも関わらず活用していないというママの中に、気になる意見があったのです。
利用したことがあるかという問いには、
「私が仕事をしているので、子どもは二人共保育園に預けてるし、使う機会がないです。」とのお答え。
また周囲のママ友では?と聞くと
「周りのママも保育園か病児保育を使ってると聞いてます。」とのことで、利用している人はいないようです。
彼女にとってファミサポは、「保育園に預けているから頼むことがないのでは?」と考えているということ。
確かに保育園に預けていれば、仕事をしている間の育児は任せることができますよね。
しかし、仕事と家庭を両立するママ達には急な“事情”はつきもの。
・急な残業になってしまいお迎えが遅くなってしまう
・持ち帰りの仕事もあるし、早朝のお弁当づくりもあるしで睡眠時間もろくに取れてない
・まさかの休日出勤!でも子どもを預けられる人も周りにいないし…
そんな育児と仕事の忙しさを1人で抱え込んでいる保育園ママこそ、ファミサポを活用してみてください!
自宅での家事・育児のサポートだけではなく、お迎えまでお願いできるの?と意外に感じる方もいるかもしれませんね。
しかし、むしろ育児をお任せする保育園のような支援内容ではなく、日常の『ちょっと困った』をサポートしてくれるのがファミサポの特徴なのです。
参考として、世田谷区社会福祉協議会の世田谷ファミリー・サポート・センター事業で掲載されているファミサポの主な援助内容とNG事例を見てみましょう。 (以下原文)
主な援助内容
○保育園・幼稚園・学校・学童保育・習い事への送迎、その前後に子どもを預かること
○親のリフレッシュ、社会参加時の預かり
○兄弟姉妹の保護者会等学校行事への参加時の預かり
○利用会員や家族の病気時等の預かり
○子どもの病後(安定期のみ)の援助
※病後(安定期)とは①感染の恐れがない②発熱・嘔吐下痢をしていない③かかりつけ医に診察を受けており、 他人に預けても問題ないことを確認している状態です。また、援助会員が子どもに薬を飲ませることはできません。お受けできない援助内容
×病児の預かり
×家事援助(援助内容は子どもの世話に関することのみ)
×保護者、もしくは責任のある大人へ引渡しのできない活動
×子どもを入浴させること
※小学生以上の子どもで、1人で入浴できる場合に限りシャワーのみ可。ただし、援助会員の
目が届かなくなるため、入浴中に事故が起きた場合でも損害賠償保険の適用外となります。
両会員合意の上で行ってください。
×宿泊を伴う預かり
×複数の子どもの預かり(兄弟姉妹の複数預かりは可。別世帯の子どもの複数預かりは不可)
×自動車・オートバイを使っての送迎
※移動は徒歩か公共交通機関を利用してください。また自転車については両会員合意の上で
使用し、安全には十分配慮してください。(ヘルメットを着用するなど)
[引用元:世田谷ファミリー・サポート・センター事業(世田谷区社会福祉協議会)]
この事例を見ると、OK項目については保育園や小学校ではカバーしきれないような、お家に帰ってからの保育に関わる事例が多いように思えませんか?そう考えるとファミサポにお願いできる内容と保育園に預けるということは、それぞれに目的が異なるようにも思えました。
またインタビューをママのなかには「登録を検討中」と答えてくれた、“転勤族”家庭で現在2人目妊娠中のママがいました。
彼女も遠方からの転勤で縁もゆかりもない地だからこそ、2人目育児を目前に控え不安も多く、ファミサポへの登録を検討しているといいます。
保育園に預けてはいるけれど、いざとなった時に頼れるご実家やお知り合いが近くにいない…。もしくは近くにいても気軽に頼れない。
そんな時このサポートを活用すれば、働くママの負担も軽減されるますよね。
安全&トラブル防止も大切!確認したいファミサポのトラブル対策
こんなに便利なファミサポですが、その一方ではトラブルや事故も起こっているとの話もあります。その懸念もあってか、インタビューをしたママ達の中からは、「知らない人を家に入れる」ということに“ためらい”を感じている人が多く見受けられました
協力ママさんの意見
「知らない人が家に入るとなると、物を壊されてトラブルになったら、それが逆に大変な気がして…」
この理由には同じママとして深く納得してしまいました。
忙しい毎日の中で、トラブルが懸念されることはできるだけ避けて通りたいものですよね。
ただ、保育園にしても託児所にしても、同様にトラブルや事故が起こる可能性がないとは言い切れないのも現実。こう考えるとトラブルや事故を懸念するよりも、初対面の全く知らない人でないことが安心してお任せできるポイントなのだと思いませんか?
この点をケアするためにファミサポでは、保育サービス当日までの利用手順として“事前の打ち合わせ”を取り入れています。つまり、この時間でお任せする際にお願いしたい内容やお子さんの健康状態など、具体的なお話をすることでお互いの安心に繋げることができるのです。
尚、この際にお互いに不安を感じた場合、センターを通じてお断りをすることも可能。この点でもサポートを受ける依頼会員とサポートする提供会員が共に安心できるポイントなのではないでしょうか。またお断り後には、もちろん新たに条件が合う提供会員さんを探してくれるので、お互いのためにも納得いくまでしっかりと事前打合せをしたいところですね。
次に、万が一トラブルが起こってしまった時の対処について。
ファミサポでは会員になると同時に『ファミリー・サポート・センター補償保険』に加入するため、万が一の時には一定の補償を受けることができるといいます。つまり、依頼会員・提供会員の個人間でトラブル責任についてやりとりする必要はないようですね。気になる保険内容は下記の通りです。
提供会員傷害保険
提供会員が、保育サービス中や保育サービスの提供場所への往復時に、事故で傷害を被った場合の補償
賠償責任保険
提供会員が保育サービス中に、依頼会員のお子さんを含む第三者の身体や物に損害を与え、法律上の賠償責任が生じた場合の賠償金等の補償。
依頼会員子ども傷害保険
保育サービス中に依頼会員のお子さんが、傷害を被った場合の補償
(提供会員の過失の有無は関係ありません。)
[参照:ファミリーサポート活動中の事故補償について(八王子市)]
しかし、このような補償があっても、トラブルや事故が起こらないに越したことはありません。
そのためにも何より徹底したいのが、前の章でご紹介した世田谷ファミリー・サポート・センター事業の「お受けできない援助内容」のような“NG”をしっかり守ること。個人間で「これくらいいだろう」は予測もつかないトラブルにも発展しかねませんのでご用心。
「これはどうだろう?」と思ったことは、まず地域のファミリーサポートセンターに相談した方がお互いの安心・安全のためにも良いかもしれませんね。
ファミリーサポートは『助け合い』であることを忘れずに!
育児・仕事・家事の両立が難しい時にお手伝いをお願いするのはもちろん、ちょっと楽をしたい時やママの体調が悪い時にぜひ活用してほしいファミサポ。
しかし、これはあくまでも子育て経験・育児知識を活かして育児をしている家庭をサポートしたい側と現在進行形で育児をしていてサポートを必要としている側を地域のサポートセンターがつないでくれる“助け合い”で成り立っていることをお忘れなく!!
実際に依頼をする際にもお互いに無理をしないことを基本に、サポートしてもらうことに感謝しながら活用することがファミサポを気持ちよく使うコツなのではないでしょうか。
【参考】
ファミリーサポートセンターの認知状況(厚生労働省)
世田谷ファミリー・サポート・センター事業(世田谷区社会福祉協議会)
平成26年度全国ファミリー・サポート・センター活動実態調査結果 (女性労働協会)
すくっぴー・ねっと「ファミリーサポートセンター」(多賀城市子育てサポートセンター・多賀城市ファミリーサポート事務局)
https://www.city.tagajo.miyagi.jp/sukuppy/famisapo/famisapo2.html
たかお みきよ
フリーライター/2歳児ママ
IT企業でのコンテンツ運営担当の経験を経て、妊娠を機にフリーライターへ転身。現在子育て情報以外に、美容・旅・企業PRなど幅広いジャンルで活動中。 プライベートでは1歳の息子を子育て中のママです☆同じママとして、女性として、 皆さんの子育てとライフスタイルのヒントとなるような、心にとどまる記事を書いていきたいと思います♪