2016.04.20
【先輩ママが語る】転園後の子どもの変化、どう対応した? いつ落ちつく?
やっと保育園が決まり、「大丈夫かしら」という不安からスタートした保育園生活。1~2年経って、だいぶ落ち着いて慣れてきた頃に突然の転園! 子どもにとってはまた一からの再スタートとなります。
転園の理由や事情はさまざま、お子さんの環境の変化への順応性もさまざま。(参考:2015.7.13掲載「転園を経験、子どもの心のフォローはどうしたらいい?」)
今回は転園を経験したワーママに、転園後すぐのお子さんの様子やその時の子どもへの対応など、「リアル転園体験」を語っていただきました。
慣れるまで泣きどおしの毎日
〔Yさん、子ども9歳、6歳、3歳〕
長男が3歳のとき、認証保育園からから認可保育園に転園。
・転園のきっかけは?
転園前の保育園が小規模で同性の子どもが少なく、かつ園庭もなかったため、男児には物足りなく思っていました。ある程度園庭が広くて、同じ年のクラス人数が多い区立認可保育園に行かせたいと思ったので。必要に迫られてというより、言ってしまえば自己都合での転園ですね。・転園した当初のお子さんの様子は?
もう毎日泣いてました。慣らし保育では1~2時間程度の預かりから始めたんですけど、泣いて私から離れようとしなくて、本当に大変だった。帰宅しても泣きどおしで、寝てるとき以外はほぼずっと泣いてました。もちろん私も疲労困憊。なんにもできず、ひたすらずっと抱っこしてあやしてました。親の都合で預けているから、子どもを怒ることもできなくて。今思うと、本当にあの泣き根性は凄かった!・お子さんはどれくらいで落ち着いた?
ゴールデンウィークが明けて、一週間くらいしたら、やっと落ち着いてきました。4月の後半あたりからは、お部屋に入ってしばらくすると泣き止むようにもなっていたらしいですが。でも、親が見ている前では必ず泣いてましたねー。もうある種のパフォーマンスですね、「ママ~!ボクを見てて~!」みたいなママの注目を得るための(笑)。
・落ち着くまでの苦労、どう乗り越えたか
泣く我が子に、ひたすら理解と協力を求めました。ママが働くことと、子どもが保育園に行くことに対して、「ママは、○○(子ども)のためにお仕事しないといけないんだ。ママも頑張るよ。だから、○○も保育園で楽しんでママと一緒に頑張ろうね」などと説明しました。これが息子の心に直接響いたとは思わないけど…そして、ひたすら泣く息子に付き合いましたね。安心させるために、いっぱい抱っこして甘えさせてあげました。
でも、実はこれも逆効果だったのかも! と今は思うんです。甘えを助長させたような気がしないでもない(笑)。長男の場合、テレビなどで気をそらすこととか、お菓子やオモチャのご褒美大作戦とかはまーったく効果なかったんですよ。ホントひたすら抱っこ。めちゃ辛かったけど、今ではいい思い出です!
?・ママ自身の不安は?
同じ民間認証で、子どもが同じ年で仲良かった親子と一緒に転園したので、あまり不安はなく心強かったですね。転園した区立認可の同じクラスのママたちも、年齢層が同じくらいで溶け込みやすかったです。
ママ自身は「ひたすら抱っこが逆効果だったかも」と話していましたが、そんなことはないと個人的には思います。
保育園で、しかも新しい環境に慣れるまで子どもも毎日必死で頑張っている。ママの腕の中でたくさん泣いて思いっ切り甘えて安心できたからこそ、前を向けたんだと思うんです。
子ども3人とも転園経験あり!
〔Kさん、子ども11歳、9歳、6歳〕
長女は3歳で認可保育園→認可保育園、次女は3歳で認証保育園→認可保育園、三女は1歳で認証保育園→認可保育園・転園のきっかけ
長女→ 最初の保育園が家からかなり遠かったから。
次女→園庭もないし、3歳になるとほとんどの子が転園してしまうので、1~2歳児の子ばかりになってしまうから。保育園からも前記のことを理由に、それとなく転園を薦められたので。
三女→最初は次女と同じ認証だったのですが、園が分かれるのは送り迎えが厳しいから。・転園してすぐの子どもの様子
長女→ひたすら泣いていました。
次女→泣かずに我慢してます!って顔しながら、「いってらっしゃい、バイバイ」って言っていました。
三女→まだ小さ過ぎて、転園したことすら分かってない様子でした。・いつ頃落ち着いたか
長女→たまたま前の園で担任だった先生と一緒に転園し、転園先の園でもその先生が担任になったので、すぐに落ち着きました。
次女→本人は泣きたくても我慢していた日々だったようですが、何日も経たずすぐに落ち着いてました(笑)三女→ 小さすぎたので、最初から落ち着いていました(笑)というか、本人訳分かってなかったですね。
・落ち着くまでの苦労、どう乗り越えたか
正直全然努力しなかったです。
子どもが泣いたりしても、しょうがない、こんなもんだと思えたし、私自身、保育園によって雰囲気ちがうなーって感じたくらい。
子どもは転園したこと自体をそんなに覚えてない感じだし、ダメージとかもあまりなかったです。適応能力が子どもは高いなーと思いました。・ママ自身の不安は?
特になかったんです。「こんなもんだ」と思ってました。
?
お子さん全員転園とはすごいですよね。最初のお子さんの転園では、先生も一緒という心強い状況だったからこそ、次の転園のときもさほど不安を抱かなかったよう。そしてママの「こんなもんだ」というゆったりした気持ちがお子さんにも伝わったのかもしれません。?
昼寝とお茶をボイコット!?
〔Tさん、子ども10歳、8歳〕
長女が2歳のとき、認証保育園から認可保育園に転園。
・転園のきっかけは?
長男と同じ区立認可保育園に落ち、認証保育園へ。2園の距離が離れていて、送り迎えがきつかった(特に雨の日は地獄)ので、認証に入った瞬間から転園希望を出していました。
・転園した当初のお子さんの様子は?
若くて可愛い女性が大好きだった長女。無認可保育園は割とベテランで歳のいった保育士さんばかりだったのが、転園した区立認可の担任の先生は2人とも20代の若い保育士さん。ということで(?)初日から泣かずに、若い保育士さんの懐に飛び込んで行きました。安心しましたが、内心「げんきんなヤツめ~」と(笑)
でも、やはりお友だちも環境もぜんぜん違うのか、お昼寝をほとんどしない&なぜか水分をまったく受け付けなかったようです。最初の1ヶ月は、連絡帳に毎日「今日もお昼寝15分でした」「お茶を嫌がってぜんぜん飲みませんでした」と書かれ、心配したものです。
?・お子さんはどれくらいで落ち着いた?
泣くとか、登園を嫌がるとかはなかったのですが、昼寝しない&水分を摂らないに関しては、けっこうかかりましたね。
「脱水になったらどうしよう」とか「パンとかが、喉に詰まっちゃったら…」などと思いましたが、保育士さんに「よほど飲みたかったら自分から飲むようになるし、危ないと思ったらスプーンなどで飲ませるから大丈夫ですよ」と言われていたので、そこまで不安に陥ることはありませんでしたね。
結局ちゃんと昼寝もできて水分も摂れるようになったのは、7月に入った頃でした。長っ…(笑)
・落ち着くまでの苦労、どう乗り越えたか
昼寝をしないことに関しては、あえて夜遅くまで起こしてたり、とにかく一緒に遊びまくって疲れさせる作戦。結局朝起きるのが遅くなるだけだし、寝不足になるだけ、ぜんぜん効果がありませんでした…今考えると、私バカだなぁと(笑)でも、それだけ必死だったのです。
水分を摂らない問題に関しては、家でもお茶を受け付けなくなってしまったので、とにかく何か飲ませなきゃ! ってことで、ひたすら大好きなリンゴジュースをガブガブ与えてました。幸い虫歯にはなりませんでしたが、これも今思えばおバカな作戦…
苦労というか、「なんで寝ないの?飲まないの?」という心労のほうが大きかったですね。でも、保育士さんの「大丈夫」という言葉を信じていたら時が過ぎ、気付けば昼寝するようになり飲むようになったという感じです。
・ママ自身の不安は?
すでに長男が通っていたので、不安はまったくありませんでした。でも、父母会の委員をもう1回やらなきゃいけないのかなぁ、という恐怖はありました(笑)
昼寝しない・水分を受け付けない。表面上ケロッとしているように見えても、実はかなり緊張していたのでしょうね。保育士さんの心強い言葉を信じてママは見守るというスタンスも大切かもしれません。
ゆ~っくり慣れていけばいい
転園に不安はつきもの。子どもは泣いて助けを求められるけど、ママはそうはいかない…いろいろ考えちゃったり悶々と心を痛める分、子どもより余計な不安が大きいかもしれません。
転園を経験したお3人のワーママも、泣きどおしだったり水分を受け付けないなど何かしらの「子どものサイン」におろおろしながらも、気付けば時間が解決してくれたようです。
保育士さんは不安を抱えて緊張気味の園児の相手は慣れたもの、日中は安心して任せて、少しずつ「泣かなくなった」「自分から靴を脱いで教室に入れた」などの小さな喜びを見つけながら、ゆっくりゆっくり慣れていけばいいんだと思います。
田崎美穂子
mamaライター