2016.08.25
【育休中ママ必見】気になる!知りたい! 「保活」のリアルな疑問に答えます!
悩むママたちに保活問題のスペシャリストがアドバイス!
2016年7月29日、育休中もしくは保育園入園を希望しているママを対象に、仕事も育児も自分らしく楽しみたいワーママ&ワーパパのためのWEBメディア「LAXIC(ラシク)」と働くママとパパ、家族の気持ちを楽にするサイト「camily(キャミリー)」が共催し、「育休中ママ必見!気になる “保活”のホントのところをお話します」が、渋谷ヒカリエ内にある株式会社medibaで開催されました。
2013年に「杉並保育園一揆」の代表をされ、現在同じ杉並区で「こどもコワーキング babyCo」を運営し、杉並区の多くのママたちの保活相談にのられている曽山恵理子さんと、待機児童が全国で最多と言われる世田谷区で区議員をされ、保育園の待機児童問題に力を入れられている佐藤美樹さん。
おふたりに、保活ママのリアルな疑問に答えていただきました!
今回は、「保活っていつからするもの?」「保育園ってなにを基準に選んだらいいの?」などの、参加したママたちとの質疑応答を中心にイベントレポートをお送りします。
なにを基準に保育園選びをすればいいの?
参加者ママから一番多かった質問、「なにをポイントに保育園を選べばいいのか?」。今保育園を見学しているけどピンと来ない、あるいはこれから保活する予定だけど、よくわからないというママ・プレママ、ぜひ参考にしてみてください。
曽山さん 保育園を選ぶ基準は、ママの価値観あるいはワークスタイルなどでぜんぜん違ってきます。
・仕事が忙しいので、長い時間預かってくれるところ
・園庭が広いところ
・消極的なポイントですが、見学にいったときに「床に哺乳瓶が転がっていて、衛生的にダメ!」など。
また、発熱時の対応など、園によって違いがある場合などもありますが、保育園は決して「商業サービス」ではない。‟子育てのパートナーとして子どもをお願いできるかどうか。これが選ぶポイントだと思うのです。預ける保育園、保育士さんだって、すべて完ぺきではない。でも、そのポイントをぶれずに持っていれば、自然と自分なりの基準が持てるようになります。
あとは、保育中の子どもたちの表情や様子をチェックすることも大切。みんな楽しそうでハッピーな雰囲気ってとても大切だと思います。そういうママ自身のカンって意外と当たります。
佐藤さん 見学に行ったときなどに、園長先生の人柄や、説明を聞いている間の自分の子どもの様子などをチェックしてみてください。子どもがずっと泣きっぱなしとかだったら、その時点で雰囲気が合わない可能性も。
また、認可・認証等の保育士さんの在籍年数が書いてある「世田谷区の保育施設」という冊子があるのですが、それをチェックするのもいいと思います。(冊子は各総合支所の生活支援課窓口に置いてあります)
在籍年数が長いということは、そこで長い間ハッピーに働いている証拠。無認可は在籍年数を表示していないところがほとんどなので、いつから開園しているかを確認するといいと思います。無認可って、つぶれるところはすぐにつぶれてしまいますが、長くやっているということは、それだけ需要があるということなので、安心につながります。
妊娠中から動いた方がいいの? なにをすればいいの?
妊娠中から保活!?とびっくりするかたも多いかもしれませんが、生後間もない小さい子どもを連れて、いくつも保育園をまわるのは荷物もあるし、子どもはぐずるし、なかなか大変なこと。1人身で動きやすい産休中に「保活」するのがオススメだそうです。
曽山さん 妊娠中とはいえ、単身なら動きやすいですよね。動けるときに、保育園をできるだけたくさんまわっておくことを勧めます。区立認可は1~2園見学すれば、雰囲気はだいたい同じでわかると思うんです。なので、認可外や私立認可を中心にまわってみてほしいと思います。
また、保育園の情報をリスト化しておくといいと思います。受け入れ人数や定員などの数値的な情報だけでなく、家からの距離や、見学に行ったとき感じた雰囲気や先生の対応なども。せっかくたくさん回ったのに、前に見学した園がどんな感じか忘れてしまったのではもったいないです! 仕事だと思い、リスト化すれば、そんなに負担に感じないかもしれません。
そして、このリスト化をぜひパパにやっていただきたい! パパにも保活を経験してもらういい機会になると思うんです。
佐藤さん パパのほうが、保育園探しで必死になってヒートアップしているママより客観的にリスト化してくれそうです。エクセルの表作りもパパのほうがうまいかもしれない。そうやって、積極的にパパも保活に巻き込んでしまいましょう!
認可、認可外の選択肢はあるの?
認可も認可外も空きがなくて途方に暮れているママも多いと思います。大丈夫、それ以外にも選択肢はあるのです。いったいどんな選択肢なのでしょうか。
曽山さん 保育園がダメだったから、幼稚園に預けるママも多いようです。幼稚園って13時くらいに子どもが帰ってきちゃうし夏休みがあるというイメージがありますが、幼稚園の中でも、夏休みもしっかり預かってくれて、かつ普段の延長保育も充実しているものもあるんです。
ただ、杉並区の場合、そういう幼稚園は40園中、たったの7園だけ。その7園に対し、みなさん「保活」ならぬ「幼活」をするわけです。それもまた激戦で、願書を入手するためにパパやママが2日前から並ぶところもあるほど「幼活」が激化しています。
また、お金はかかってしまいますが、シッティングサービス付きのシェアオフィスを利用したり(BRAVA記事「保育付きシェアオフィスを初体験!~Maffice」参照)、一時保育をつないでしのぐ、高くても認可外に入れる(たとえば月10万で高く感じますが、長時間預かってくれる場合も多く、また非常に質が高く子どもに合った保育園の場合も多い)、などでしょうか。
佐藤さん 世田谷区には現在自治体から補助の出ない「ベビーホテル」が112カ所あります。また、ホットステイ(一時預かり、1カ月ごとに更新)を利用、認可保育園の中にも一時預かり(半年ほど籍を置けるところも)をしてくれる園もあるので、自治体のサイトなどで調べてみてほしいと思います。
ちなみに私の子どもは、3歳から預かり保育のある幼稚園に転園しました。いわゆる「3歳の壁」(2歳までしか預けられない小規模保育園のあと、行き先がない状態)で、もう一度保活(幼活)をしたわけです。でも、幼稚園だけでは時間が足りないので、その幼稚園と連携している認証保育やホットステイ、ファミリーサポートを組み合わせて利用しています。そういう組み合わせの乗り切り方もあるのかな、と思います。
早生まれという不利をどうしたらいい?
子どもは授かりもの、産む月を選ぶなんて…と思いますが、保活激戦の今は「保育園に入れるために5~7月に生む!」という方も増えているそう。早生まれってやっぱり「保活」には不利なの!?
曽山さん:「早生まれが不利」という話から少しそれるかもしれませんが、1歳前後って、月齢的にもウィルスをたくさんもらってしまう時期。入園してすぐ病気をもらいまくるより、もし3歳まで育休を取れるなら、子どもの身体にとってもいいのかな、とも思います。でもそれは、もちろんママの職場の環境や、自身の家庭的あるいはキャリア的判断によります。
子どもが0歳児で保育園に入ると、とにかく熱を出しやすく休みがちになる場合が多いということも含め、どういう形がベストなのか、ぜひ家族で話し合ってみてほしいと思います。
佐藤さん 私の子どもも3月生まれ。この「早生まれ不利」に対して、エントリーシートで加点があるといいな、とつくづく思います。でも、「早生まれ」加点があったら、そうでない人が不利になってしまう…難しいですね。
早生まれの場合は、0歳のうちに認証に入れて週3くらい利用し、1歳になった時点で認可に移るのがベターだと思います。
曽山さん そうなんです、育休中でも認証は入れるんです! そのことを知らないママが多い! 利用料を払って籍を入れておく、週5預ければ自治体から補助も出ますし。認可に移って本格的保育園デビューする前の、長めの慣らし保育にもなる、というメリットとも考えられませんか。
常にアンテナを張って情報収集を
曽山さん、佐藤さんとも、「自治体が発信している情報はもちろん、SNSなどで「保活サイト」をチェックしたり、児童館などに足を運んで、先輩ママさんに積極的に声をかけて話を聞くなどして、しっかりアンテナを張って情報収集することが大切」と力説されていました。
今回のようなオフラインのイベントに参加すれば、リアルタイムで疑問が解決することも。また、情報収集だけでなく、同じ立場のママのリアルな保活状況を聞いて、「自分だけじゃない」と勇気づけられると思います。
田崎美穂子
mamaライター