2017.04.25
子どもを【怒りすぎてしまった】あと、反省するママに伝えたい事
子育ては「怒る」ことの連続です。首がすわり、お座りが出来、その辺りまでは「今日はこれができるようになった!」といつも嬉しくて舞い上がっていたのに、いつからでしょう。「なんで出来ないの!」「早くして!」「どうしてやらないの!」その怒りのパターン、分類しながら考えてみましょう。
怒りすぎてしまう典型パターン4つ
【怒りパターン1】過去さかのぼり&拡散型
「だいたい○○ちゃんは、いつもそうでしょ」から始まり、「この前もそうだった」「あの時も怒ったよね」と、どんどん過去に遡ります。私、これよくやるんですよね……。今や小学生なわけですが、子どもがやらかした記憶というのは鮮明にあるものだし、又、怒っていると次々と思い出すものです。
最初は「ゲームは終わったら片付けてちょうだい」だったのに、しまいには「プラレールのレール、あれもいつもママが片付けてたしッ!(小学5年生に5歳の頃の話をしている)」「だいたいあんたは何でも大事にしないのよ」「この前買ってあげた蛍光ペンはどうした?あれ、なくなってるでしょ?え?」と、さかのぼるだけでなく、どこまでも拡散していく怒りの矛先。親である自分も何を怒っているか、もはやわからなくなっている……。
→もともと何がいけなかったのか、怒られている元の原因が子どももわからないまま終わってしまう。徒労感があるわりに、報われない叱り方。
【怒りパターン2】エキサイト型
わりとスタンダードかもしれませんが。パターン1とダブル使用もよくあります。とにかく怒鳴る。最初は「ねぇ、ちょっと」とか「聞いてるかな、○ちゃん」程度なんですが点火したら一気に燃え上がりますね。
途中で止められないまま、なぜか冷静に隣近所に聞こえないように窓閉めたりしますね。熱くなっているのに、そこら辺は冷静沈着なのが不思議な所です。ヒステリーとは言いたくない自分がいますが、やはり「エキサイトしてヒステリックになりがちな」怒り方です。だいたい子どもが言い返してきたり、ママの言葉を聞いていない態度をとっていると余計に熱くなります。この手のタイプは一気に燃え上がり、一気に冷める。いえ、恋愛ではありませんよ。子どもの叱り方です!
→言うだけ言って親はスッキリもするが子どもの意見も言い訳もスルー。呆然とするか、驚いて泣き出すかで、これも又叱られた原因は何ひとつ解決されぬまま。
【怒りパターン3】延々説教型(しかも後付け型)
叱っている理由を理論的に説明しようとすると長くなります。小学生高学年ならばともかくとして、3歳や4歳の子に「訓戒」をしても通じません。例えばスーパーでお菓子を買いたいと駄々をこねて、なだめすかして帰宅する。そこから説教がスタートします。「お菓子は買わないという約束だから」「約束というのは守らないとダメなの」「約束を守らないと、みんな○ちゃんの事を信じられなくなっちゃうよ」この辺から本領発揮で、信頼されないとどうなるか、と長々とお説教が続きます。
→最初は怒られてる!と真剣なわが子も次第にポカンとした顔に。もはや子どもの頭の中には叱られている事より、手に入らなかったお菓子だけが浮かんでは消え、しょんぼりしているのは反省しているのではなく、買ってもらえなかったお菓子への未練のせいだったりするわけで……。
【怒りパターン4】無意識脅し型
同じく「お菓子買って駄々コネ」を例にすると、こちらはスーパーのど真ん中でエキサイト型のように怒鳴ったりはしません。が、子どもをグッと引き寄せ「いい加減にしなさい、後で家帰ったらママ本気で怒るからね」と低い声音で言ったりします。帰宅してからは何食わぬまま洗濯物を畳んだりはしている。しかし子どもがまとわりついてきても、グイッと引き離し、夕飯のお茶碗も「いつになく大きな音をたてて」テーブルに置く。あるいは逆に「そんなワガママばっかり言ってると、ママいなくなっちゃうかもね」「もうスーパーには連れていかないからいいよ、ひとりで家にいれば」と淡々とした口調ながらの捨て台詞。
→子どもは怒られた事について「やらなくなるかもしれない」。でもそれは悪い事だと理解してやめたのではなく、恐怖のせい。特に小さな子どもは「ママがいなくなる」想像はそれだけでものすごい不安に駆られます。
怒らない親なんていないんです
と、列記しておきながら、私、すべて経験済みです。どうしようもない親ですね。
子どもは未完成です。意識を表現し始める頃から、どうしても親は子どもを躾なくてはなりません。怒らない親などいません。
「あのママって優しそう、怒鳴ってるの見たことない」と園や学校で噂されるお母さんが、見えないところで子どもをギュッとつねったり、人の姿がなくなった途端に手をふりほどき泣き叫ぶ子を置いて早足で前を行くのを見かけた事があります。
教育者からは最も良くない例とされそうなケースですが。
やがて子どもが少し大きくなるとママ達の間で、そこにいない誰かの「怒り方」と「子どもの悪口」がセットで話題に上るようになります。
「ああいう風だから子どもが悪くなるのよ」「ちゃんと怒ってないからダメなのよ」「あのママ、虐待か!?って思うくらい怒鳴るよね」
文章にすると、良くない事だなぁとわかりますが、これも多かれ少なかれ、ありがちな場面。どこかで(あの人の怒り方よりは私の方がマシかもね)と安心したいのかもしれません。
親子で許し合える関係になれればいい
私は、怒り方は下手でもいいのではないか、と最近は思うようになりました。エキサイト型も無意識脅し型も、子どもの成長に悪い影響を及ぼすのでしょうか。考えてみれば、私たち親も、やはり理不尽だったり意味不明な説教を受けた経験がありませんか? それでも怒られながら子どもは育ちます。怒るのは、必要な事なのです。
子どもを怒りすぎたと自己嫌悪に陥るのは、誰にでもある事です。叱ると怒るは違う、ともよく言われますが、怒っている最中にはそんな事は頭に浮かびません。10数えてから、とか、他の部屋に移動して落ち着く、なんていうのも、私も試そうとした経験はありますよ。でも、10数えようなんて思い出せるくらいなら、そもそも怒鳴ったりしていません……。
親も子も失敗しながら、反省しながら、落ち込みながら、成長していくのですから。
怒り方が「まずかった」と思ったら、落ち着いてから「さっきはちょっと言い過ぎたかも。でもね、ママが言いたかったのは約束は守ろうね、ってことなんだ」とひと言フォローすればいいのではないでしょうか。
「さっきはママもゴメンね」思わずギュッと抱きしめた途端に、子どももポロポロ泣き出したりして。「怒り方」指南は山ほどあるけれど、その通りにできなくてもいいではありませんか。私は、「言い過ぎたよ」「わかったよ」と親子で許し合う瞬間を分かち合うのが何より大切なようが気がしてなりません。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。