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2017.06.09

「環境」と「人」で明らかに違う!子どもの【勉強への意欲】、その変化とは?


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2017年4月から通常級から固定級に転校した発達障害(ADHD)と診断されている我が家の息子。通常級にいた頃は、授業中の一切の勉強を拒否し、家に帰ってからも宿題を全拒否状態。
しかし、固定級に転校し、2ヶ月が経とうとしている息子に変化が訪れました。そんな息子の変化を、ご紹介したいと思います。

環境の変化

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学校によって様々ですが、過疎化が進んでいる自治体では、子どもの数も減りつつあり、今までは3クラスや4クラスあったのが、2クラスに減ってしまうという現実も。
通常級に通っていた頃の息子は、とにかく集団が苦手で、毎日のように「人が多いのがイヤ」と口にし、何かあれば、すぐに教室を飛び出していました。
しかし、固定級に転校した今、1クラスが多くても8人。そして、教室にいる先生も4人ほどという手厚さ。
その環境の変化は、息子が「教室にいても不快ではない」と自己認識したことにより、勉強面でも変化が起こりました。

今は、学童へ迎えに行っても、ネガティブな報告どころか、「今日、算数超楽しかったよ〜」という聞き間違いか?と私が二度聞きするような発言まででるように。

「教える人」と「教え方」の変化

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通常級では、30人弱の生徒と一緒に過ごしていた息子。生徒の人数が何人であろうと、勉強を教えてくれる先生は1人しかいません。
息子の担任だった先生は、息子の特性をよくよく理解してくださり、大人数の子どもたちを相手にしながらも、最大限に息子と向かい合ってくださいました。
しかし、もともと集団の中にいること自体で、集中力のカケラもなくなっていた息子にとっては、その担任の先生の気配りさえも届かずじまい。
固定級に転校してからは、少人数制であることと、教え方のある特徴の変化で、勉強に対する意欲はもとより、勉強に興味をもつことができました。

こればかりは、先生との相性なども関係するのではないかな?と私個人的には思っています。しかし、幸いなことに、通常級のときも、固定級の今も、とても頼りがいのある素晴らしい先生に出会えました。

教える人が変われば、教える方法も変わります。また、通常級は、あくまで教科書に沿ったやり方が主。しかし、固定級では、固定概念にとらわれた方法ではないからこそ、息子に変化が起きたのだと思います。

1人1人に合わせたカリキュラム

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マンツーマンの個人指導塾とは違いますが、最大8人1クラスの息子の通う固定級は、1年生から6年生まで習熟度別にクラス分けされています。

また、自治体によっても方針は異なるかもしれませんが、息子の通う固定級の場合、勉強のカリキュラムは、その子その子によって異なります。
教科ごとに、先生が用意した教材で授業を進めます。特に私が興味深く思ったのは、先生が独自にパワーポイントで作成した算数の授業。
小学校3年生の息子ですが、算数のくり上がり繰り下がりの理解度があまりにも低かったため、集中的にそこをやり直した結果、あれだけいやがった宿題を、帰宅後に「今から計算してみせるから、横で見ていて〜!」というところまできました。

いつもの帰り道、「今日の算数、おれ、めっちゃわかって、問題スイスイ解けたんだよ〜」と言う始末。しかし、家で実際にやらせてみると、本当にスラスラ解けるではありませんか!

思わず、「やったじゃ〜ん!すごい!!」と息子とハイタッチしました。

我慢させなくて本当によかった

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通常級で暴れ馬のようなハイパー問題児だった息子は、周囲のいろんな父母に「特別支援学級だか固定級に通わせるなんて恥ずかしい……」「あそこに行ったらもう戻れないよ」といわれたこともありました。

ある子どもの父親には、「あそこ行ったら終わりだから」とまで言われました。しかも直接。

「大丈夫よ、〇〇くんは通常級で。ちょっとヤンチャなだけでしょ?」と私の前では言いつつ、陰では上記のようなことを言われていることは、当然のごとく知っていました。

それを聞くたびに私は、怒りよりも、自分の子どもがそうだったらこの親は、子どものことを恥ずかしいと思うのだろうか……と、常々思っていました。

小学校に6年間も通い続けるのは息子本人です。私ではありません。苦痛で苦痛で逃げ出したいようなところに、6年間ほぼ毎日通わなければいけないというのは、どれだけ苦しいことでしょうか。

もし私が仕事でそのような状況下に置かれようものなら、精神を病んでいると思います。

やらなければならないことは、やらなければならない、ルールはルール。これは当然のことです。しかし、足が不自由で、車椅子生活をされている人に対して、「自分の足で歩け」と言えますか?

事細かな検査の結果、息子が何が得意で何が苦手かがわかったとき、我慢をさせるべきところと、させるべきではないところが、私のなかで明確になりました。

勉強ができなくても、「そんなもんだ」と心の中で思い、「宿題やりなさい!」と叱咤する親は少なくないはず。でもそれは、ひょっとしたら子どもの心を殺してしまっている可能性は否定できません。

必ずしも、それが間違っているというわけではなく、子どもの適応能力を含めたストレス耐性なども把握しておくことで、子どもがより大きく羽ばたけるチャンスを与えられるだろうと。

今、つくづく思うのは、うちの息子に否が応でも通常級に通わせる!という選択肢を除いてよかったという安堵感があります。
固定級は、通常級より勉強の進み具合は確実に遅いです。しかし、基礎中の基礎を理解しないまま授業がどんどん進み、わからないから勉強が嫌いになり、いずれ学校に行くことすら苦痛になるかもしれないことを考えれば、人によっては、環境を変えるということも、1つの選択肢になり得ることだと思います。

子どもが発している言葉は、「ただの甘え」だけではないかもしれません。時として「SOS」のサインかもしれないことを頭の片隅に置いておく・・・。私が胸を張って言えることは、固定級に通うことは、全くもって恥ずかしいことでも、この世の終わりでもありません。むしろ、うちの息子の場合は、希望がゴロゴロと転がっていました。

そのため、親子揃って大声で「固定級最高!!」と言うことができます。

もしも、周りの意見などで迷われている親御さんがいるとしたら、一旦ご自身の頭の中をリセットされて、固定級に見学に行ったり、お子さんの日々の行動や言動をよく観察してみてくださいね。

何が1番大切なのかは、お父さん・お母さん、そして子どもが三位一体となって決めることですから。

黒木絵里

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