2017.06.11
気をつけたい季節!【食中毒】の原因「カンピロバクター」って?
持ち帰った“湧き水”で小学生が集団食中毒に
6月7日(水)の午前、四国・中国・近畿・東海・関東甲信で梅雨入りしたと見られると、各気象台が発表しました。梅雨って本当に億劫ですよね。
室内も洗濯物もなんだかジメジメするし、雨が続くと子ども達もなんだか発散しきれない感じに……。そして、なにより気になるのは食中毒です。
さて、ちょうど梅雨入り発表の前日である6日に、毎日新聞より「<食中毒>わき水持ち帰り 小学生ら43人が発熱など発生」というニュースが報じられました。
この生地によると、新潟県の妙高市猪野山の山中で、わき水を飲んだ小学生とその家族43人が発熱や下痢などの症状を訴え、12人からカンピロバクターが検出される食中毒が発生しました。新潟県によると、水を飲んだのは市内の小学校の3年生とその家族。小学3年生の66人は5月26日に、地域に伝わる水を調べる校外学習がありました。その際、引率の教員と一緒にわき水を飲み、その中の児童にはわき水をペットボトルに入れて持ち帰った人もいました。すると、飲んだ家族も発熱や下痢を発症してしまいました。
新潟県は、「井戸水やわき水の水質は変動するので、煮沸してから飲むように」と呼びかけているそうです。
ちなみに、食中毒を起こした生徒とその家族は、全員快方に向かっているとのこと。重症になった人が出なかったのが幸いですね。
自然豊かな場所に行った時、湧き水があると、確かに飲んでしまいたくなりますよね。「〇〇の名水」などと書いてあって、湧き水を汲めるようなところもあります。ちょっと気をつけたほうがいいのかな? と思ったので、「カンピロバクター」について調べてみました。
カンピロバクターとは?
カンピロバクターは、ニワトリ・ウシなどの家禽や家畜のほか、ペット、野鳥、野生動物など動物の多くが保菌しています。同時に、動物に汚染された河川などにも生息しているそう。今回の食中毒事故は、“動物に汚染された河川だった”というケースにあたるようです。
多いのが、鶏肉などの肉による感染。昨年の肉フェスでは「ハーブチキンささみ寿司」によってカンピロバクターの集団食中毒が発生しました。この事故により、鳥刺しや生焼けの鶏肉は危険! という認識が一気に広まったのではないでしょうか。
症状としては、発熱、腹痛、下痢、血便を伴う腸炎が起こります。たいていの場合、治療をすれば2〜5日で回復します。まれに虫垂炎や腹膜炎などの症状がみられることもあり、長引くケースもあります。ただし、腸炎の症状が起きた後、1~3週間に手足の麻痺や顔面神経麻痺、呼吸困難などを起こす「ギラン・バレー症候群」の合併症を起こすことも……。75℃、1分以上の加熱で防げる食中毒なので、比較的対処しやすい部類。しっかり防ぎたいものですよね。
ちなみに、食中毒を防ぐには、加熱のほか消毒も有効。「消毒用エタノール」「次亜塩素酸ナトリウム(病院用ハイターなど)」「ポビドンヨード(イソジンなどのうがい薬)」「逆性石けん液/ベンザルコニウム塩化物液(オスバンSなど)」など、非常に多くの消毒剤が有効です。
ピークの時期は、例年5~7月、それに10月前後に多くなっています。つまり、行楽シーズンと重なってるともいえます。バーベキューで生焼けの鶏肉を食べた、カンピロバクターが付着した肉を切った後のまな板をよく洗わないで野菜を切ってその野菜を生で食べた……なんてときにも起こるよう。
これからの季節、アウトドアでの調理を楽しむこともあるでしょう。肉の取り扱い方には入念な注意をして、手洗いは入念に行いたいものです。
〜参考サイト〜
<厚生労働省>
カンピロバクター食中毒予防について(Q&A)
<愛知県衛生研究所>
カンピロバクター食中毒
<健栄製薬株式会社>
カンピロバクター感染症