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2017.07.07

発達障害の息子が母と離れて【固定級の合宿】へ、その目的と内容とは?


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息子が4月に転校した固定級(教育活動全般において特別な支援を必要とする児童・生徒を対象として設置される学級)。その固定級で、毎年夏におこなわれる恒例行事に驚いた私。それは、市内の固定級合同の2泊3日の合宿です。固定級は、1年生から6年生までいて、その全員が参加対象となります。

小学生でお泊まりというと、一般的に高学年でおこなわれる林間学校や臨海学校などがありますが、息子が通う固定級では1年生から参加と耳にし、驚きました。そんな、ドキドキハラハラな合宿についてご紹介します。

合宿、その目的は?

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2泊3日のこの合宿。バスで約2時間半くらいの場所ではありますが、2晩離ればなれになるというのは、私が胃腸炎で悶絶しているときに、息子を実家に避難させたときくらいでしょうか。

合宿は、基本的に親の同伴はなしです。我が家の息子は、小学校3年生なので、ある程度の身の回りのことは理解して自分でできますが、小学校に入学して、まだ数ヶ月の小学校1年生の生徒もこの合宿に参加します。

ましてや、固定級ですから、みんな何かしらの特性をもった子どもたち。我が家の息子が仮に小学校1年生でこの合宿に参加するようであれば、きっと私は、2晩眠れぬ夜を過ごすことになったと思います。

小学校3年生の息子を持つ私でも、ソワソワ落ち着かない気持ちでいるのですから、小学校1年生のママは、それ以上のお気持ちかと……。

小学校1年生からそういうお泊まりは、まだ早いのでは?という意見もあるかもしれません。そこで、私は担任の先生に聞いてみました。すると先生は、このようにご回答くださいました。

この固定級の子たちには、将来自立して、就職をしてもらうことを目指して日々励んでいます。そのため、この市内の2つの固定級合同の合宿は、

・活動全体をとおして児童の生活経験を広げ、身辺処理の能力を高めること

・豊かな自然をいかした活動や体験をおこなう

・2つの固定級の児童が交流を深め、主体的に活動に取り組む

これらのことを目的として毎年おこなっています。

いくら固定級の子たちとはいえ、将来、自分の特性に合わせた職に就いてもらうというのは、親としても望むことですし、息子の担任の先生がおっしゃっていたことは、おおいにうなずくことができました。

綿密な「事前学習」と「計画」が心強い

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息子が、合宿のしおりを持って帰ってきました。息子だけでなく、どんな内容なのか、親の私も興味津々! そこには、合宿の細かい内容がびっしりと書いてあり、息子もきちんと必要事項を補足して書き込んでありました。

しおりには、行動計画はもちろんのこと、バスの座席、部屋割り、食事のメニューや食堂の座席まで綿密に記述があります。我が家の息子は、ADHD(注意欠陥多動性障害)という発達障害にあてはまりますが、特性の1つに、先が見えないことに対しての不安が強く、いざその場面になると頭の中で処理がしきれずパニックになってしまうことや体調を崩してしまうこともあります。

そういった部分も配慮されてのことか、注意事項や自分の係、順番も全て書いてあり、しおりを見れば全てがわかるといっても過言ではありません。きっと、通常級の林間学校や臨海学校では、もっとざっくりとした内容だったかと、自分の小学生時代を思い出します。

そのため、固定級ではこういった細かな配慮が子どもにとっても保護者にとっても不安材料を払拭させる大きなポイントになるのだと思います。

ちなみに余談ではありますが、合宿のしおりの「楽しみなこと・頑張りたいこと」という欄には、「おみやげ」という文字がトップにつらねてありました。おこづかいとして、1,500円をもたせる決まりになっているので、何やらそれが楽しみで仕方のない様子です。(そこですか……やれやれという感じですが)

体力がなく飽きっぽい息子が山の頂上を目指すらしい

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今回の合宿のカリキュラムに、ハイキングがあります。コースは3つ。「お花畑チーム」「迂回チーム」「頂上チーム」とわかれています。

息子は、もともと運動神経も他の子に比べればあまりよくないことと、何より体力がない……。そして致命的なのは、疲れた途端に飽きるという得意技を出してきます。

そんな息子ですが、しおり上に名前があったのは、なんと、「頂上チーム」。え??嘘でしょ?と目を疑いつつ、本人に確認。

「ねぇねぇ、頂上チームって1番大変なやつでしょ? 〇〇(息子)は大丈夫なの?」

息子「あ〜先生が言ってた。頂上チームは、超やばいって。だから1年生とかは、お花畑チームなんだって〜」

「え……、〇〇もお花畑チームじゃなくていいの? お花好きじゃん。」(男子ですがお花好きなロマンチストです)

息子「いいの! オレは、頂上チームでテッペン目指すの!!」

えーっと……何やら、私の心配とは裏腹に、本人は、体からにじみ出るほどの自信とやる気であふれ返っていました。仲良しのお友達も頂上チームで一緒ですし、先生も複数人引率してくださるので、そこまでの心配は無用かもしれませんが、いつもの息子を見ていると、母として気が気ではないというのが本音です。

親は消極的、子どもは積極的

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2泊3日の旅ということで、2日間は自宅に息子がいないということになります。我が家は母子家庭ですから、自動的に私1人になってしまうということを意味します。

友人には、「1人で気楽でいいじゃ〜ん!夜とか遊びに行っちゃいなよ〜」と言われますが、正直言って頭に浮かぶのは「さみしい」の4文字。寝ているとき、いつも隣からパンチやキックが飛んでくるのも迷惑ですが、それが一切ないというのもどこかもの寂しさを感じてなりません。

そこで息子に、「お母さんもこっそりついていっちゃおっかな〜」というと、「ダメ!!!」と……。しかも、4月にこの合宿があると知った時点から、息子は、これ以上ないくらいに楽しみにしており、もう少しで迎える合宿へのワクワク感を隠さずにはいられない状態です。

「お母さん、大きいリュックは買ってある?間に合う?」と毎日毎日何かしらで急かされています。まだまだ身も心も幼いと思っていた息子ですが、こうやって親離れを少しずつしていくのだな〜と思うと、嬉しいとともに、とても感慨深いものがあります。

まずは、息子不在の2晩、枕を涙で濡らさぬように努力したいと思います!

黒木絵里

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