2017.10.31
「ただ普通に働き続けたい」ワーママの前に出現する【ギャップの壁】とは?
育休明けで職場復帰、1〜2年を過ぎる頃には元のポジションに戻ったり、プロジェクトリーダーや時には係長といった、いわゆる「中間管理職(候補?)」となる女性もいるのではないでしょうか。
職場復帰後、順調に仕事をこなしてきた成果ともいえる結果なのですが、思いの外「若い後輩たちとのギャップ・困ったちゃん上司との関係」に苦労しているワーママも多いようで・・・
「ゆとり世代」後輩に唖然とするばかり
なんでもLINEで連絡してくる。電話の対応ができない。こちらの指示やアドバイスをせめてメモとって注意を払うことぐらい出来ないのかーーーっ!!!(Nさん/37歳/メーカー営業部)
あまりに凡ミスが多く、何度も注意しても直す気さえ見られないので呼び出してこんこんと話してみた。翌日、その子の親から私の上司に「パワハラ受けてる」と連絡が。ネタでなく本当に〝就職してからも親が出てくる〟あるあるなんだ・・・(Kさん/35歳/金融企業庶務)
言った事はとりあえずやる。でも「え、それは言われてないからやってません」って。私がきりきり舞いしている横で普通にスマホいじったりする神経がわからない。毎日通っていればお金が貰えるといったくらいの意識なのでしょうか。仕事に対する意欲とか目標とか、若いなりの「攻めの気持ち」も全く感じられず、どの子もみんな同じに見えてきました・・・(Sさん/36歳/建設業)
この先、どんどん入社してくる子たちとのギャップは広がるいっぽうなのでしょうか。先輩として上司としてやっていけるのか自信がありません(Kさん/43歳/アパレル広報)
50〜60代上司には振り回されることばかり
若い子の顔色は伺いながら、面倒な事柄はみんなこちらに押しつけて「うまく伝えておいて」って。そこ、上司の役目でしょう!(Uさん/39歳/商社人事部)
女性が多い職場でワーママも多い。女性間のトラブルもあり「未婚の女性vsワーママ」以上に、ワーママ同士の同僚が揉めると手がつけられない。直属の上司はお手上げで「女性だからわかるでしょ」と全部私に投げてくる。常に仲裁や調整に追われ、自分の仕事が全うできなくて職場復帰した当時のやる気も失せてきちゃいました・・・(Hさん/32歳/化粧品メーカー)
管理職をちらつかせながら、気づくと私より若い男性社員が先にポストを得ています。育休があったからしょうがないとは思っていますが、だったら昇進の可能性があるようなハンパな言い方はやめて欲しい(Aさん/40歳/飲料メーカー営業部)
「真ん中世代の双方ギャップ」壁を乗り越える方法は
育休明け職場復帰してからの青写真をしっかり描いている人もいるでしょう。子どもが少しでも保育園に慣れてきたら、バリバリ元通り働き、女性管理職を目指そうという人もいるでしょう。
でも多くの人がまず、育児と仕事の両立という壁にぶち当たります。ようやく慣れてきた頃に今度は「若い後輩たち」「ワケわからん上司たち」その間にはさまれながら「仕事のツケ」を回されて忙殺されるワーママの悩みがふくらんできます。
30代から40代女性は何らかのポジションを得るケースが多く、そうなれば責任も大きくなります。育児をしながら仕事をしているからこそ、結果を出さなくてはという重圧ものしかかってくるでしょう。
最近、私が耳にするのは「育休明けはそれは大変だった、でもやる気があった」でも「数年たった今になって、この働き方でいいのか、この先はどうなるのか、よくわからなくなってきた」違った意味での「モヤモヤ」が生まれてきたというアラフォー世代の嘆きです。
「ただ好きな仕事をして働きたいだけ」なのに
現在「若い後輩たち」と「頭の固い上司」の間で職場復帰を果たしたワーママたち、間にはさまれながら「このままでいいのだろうか」と働き方に迷い、「本当はもっと子どもと一緒に過ごしたい気持ちもあるし」目の前の現実も悩みの種ですね。
「女性管理職になりたいとか、社長として起業したいといった夢があるわけじゃない。ただ、仕事は好きだし、働き続けたいだけ」
こう考える女性が実際にはけっこういるのではないでしょうか。
でも、どうも「この会社でこのまま働いていたらどうなるんだろう」そんな不安を抱いているワーママも少なくないようです。
独身で出産前には気づかなかった「企業カルチャー」の素顔が見えてくるとでも言うのでしょうか。働きやすかったと思える職場も、自分の立ち位置が変わると違って見えることもあるでしょう。
どこへ行っても、どの職業に就いても、もちろん常にトラブルや問題は起こります。働きやすい理想通りの職場なんて、そうそう見つかるものではありません。
でも、どこまで「我慢するか」を決める年齢になりつつあるのかもしれません。ライフスタイルも大きく変わった今、そこで頑張ってチャレンジをするのか、あるものを受け入れて妥協していくのか。あるいは転職や派遣を含めて「働き方・働く場所」をリセットしてスタートしてみるか。子育て優先という生き方を選ぶのか。
成功をめざすキャリアウーマンばかりにスポットが当てられますが、人なみに働く「企業のいち社会人」を全うするのも、これから「みんな共働きが普通」になる時代では増えていくはず。50代・60代になっても「働き続けるワーママ」がこれからどんどん増えていくでしょう。
普通に働き続けたい。今、ど真ん中世代で苦労しているワーママたち。時には反発の声をあげてもいいし、ピシャリとシャッターを閉めて去っていく選択肢だってある。働き方改革なんて、耳障りの良い言葉に頼ってはいられません。
「働き続ける」当たり前のように見えて、私たちワーママはみんな、本当はとても難しいライフワークにチャレンジしているんですね。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。