仕事、妊娠、出産、子育て、夫婦関係…働くママを応援| BRAVA(ブラーバ)

2017.12.01

「普通に働くママ」ってどんな人?統計から見えてくるワーママの実態


4f7034811ab6fa1d2241497c97716c5b_m
4歳の息子をもち、現在フルタイムで働いている私(1日の様子は「【写真で追う】働くママに完全密着。 1日のタイムスケジュールを教えて!<フルタイム勤務編>」の記事を参照)バリキャリでもなく、ユルキャリでもない、「普通」のワーママって何だろう、と最近よく考えます。

ごくたまに今働いている会社の仕事で統計を扱うことがあるのですが、いろいろな数値を見ていると、これまで気づかなかった実態が見えてくることがあるので面白いなあと思います。

そこで今回は、ごく簡単に、数値で見る「今の働くママ像」を紹介しつつ、「普通ってなに?」を考えてみたいと思います。

30代後半女性の8割は、既婚(経験)者

15bd13cebf4be0b2ddb4943b157f870c_m
まず、幼児を育てているボリュームゾーンと思われる、「35~39歳の女性の全体像」を見てみたいと思います。
この年齢の女性は100人いたら、「72人は既婚(有配偶者)」「21人は未婚」、「7人は離婚・死別」という割合になっています(2012年)。
つまり、女性も30代後半になると約8割が結婚している人(または結婚していた人)になるんですね。

ワーママは増加しているけど、まだ過渡期

d14423089967c95cf722d2153376b63e_m
次に、「ママ(有子女性)」だけに対象をしぼって、見てみたいと思います。

ママが100人いたら、「54人は兼業ママ(ワーママ)」、「46人は専業ママ」という割合になっています(2015年)。2015年のデータなので、この2年で増えている可能性もありますが、2015年の段階で子どもがいる女性は、ワーママの方が多いものの、専業ママとの割合は、あまり差がないことが分かります。

じつは、10年前の2005年は、ママ100人のうち「ワーママは42人」「専業ママは58人」と、専業ママの方が多数派でした。それが、この10年間でワーママの方が多くなり、割合が逆転したのです(※1)。
※1 なお、子どもの有無に関係なく世帯全体を捉えた場合、専業主婦世帯と兼業主婦世帯の割合が逆転したのは1990年代半ばになります。ですが、子どものいる世帯だけを切り取った場合の、専業主婦世帯と兼業主婦の逆転はごく最近のことになります。

ちなみにもっと前、約20年前の1997年には、ママ100人のうち「ワーママは35人」「専業ママは65人」と、専業ママが、さらに多数派でした。この時代は、あまり「保活」や「PTA」などを巡る摩擦は起きていなかったような気がします。

ワーママの割合は今後も増えていく傾向にあるとは言え、現時点では、まだママの中で「働くママが普通」とまでは言えず、専業ママよりも少し多いくらい、という感じでしょうか。

ワーママの圧倒的多数は「雇われて働いている」

fb5dcd31ff82d5ac662cc387dea2b1b4_m
ここでは、さらに「ワーママ」に限定して、どんな働き方をしている人が多いのか見てみます。
統計によると、ワーママ54人中、「30人は正社員」、「20人はパート・派遣」、「4人は自営・フリーランス」となっています。
つまり、ワーママの圧倒的多数派は「雇われて働くママ(正社員・パート・派遣等)」だということが分かります。
でも、その働き方には、かなりのグラデーションがありますね(まさに、バリキャリからユルキャリまで・・・)。

と、ここまで見てくると、ワーママの皆様は、自分がどんな働き方をしていて、ママ全体の何割くらいのグループのところにいるのか、ということが何となく客観視できるのではないでしょうか。

子どもを保育園に預けながら働いていると、結局のところ自分が知っているのは、学生時代の友人か、同僚か、保育園や地域のママ友くらいで、自分の中の「普通」が時々、世間の「普通」とずれていることに気づき、ハッとすることもあります。

「普通」は変化する

2ba3ec53d041c04d9b0a1847a2ec7bbe_m
ママ全体の半分を超える「ワーママ」が1つにまとまれば、現状改善のための声を上げることもできるような気もします(例えば、保活問題やPTA問題など)。

ですが、統計を見ると、同じ「働くママ」と言っても、いろいろな働き方をしている人がいて、保育園を希望している人ばかりでもないし、PTAに全く出られない融通のきかない働き方をしているママばかりでもないという点で、結局は、いろいろ難しいのかな・・・と考えたりもします。

子ども達が大きくなる20年後には、「ワーママの普通」はどのように変わっているのでしょうか。もしかしたら「雇われる働き方」から「プロジェクトごとに集まって働くフリーランス的な働き方」が主流になっているかもしれませんね。そして、果たして自分はその頃まだ働いているんだろうか等、どんどん思考は広がります。

ママだけでなく、パパにとっても、「労働とその対価」がフェア(公正)で、「労働時間と家庭時間」のバランスを柔軟に選ぶことが「普通」にできる世の中になっているといいなあと思います。

<参考サイト>
内閣府(仕事と生活の調和連携推進・評価部会)(平成28年)
内閣府 男女共同参画白書(平成25年版)

市口芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


, , , , , , , , ,