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2022.02.11

3歳からの「ドリル学習」は必要?メリット、デメリット両方を考えてみた!


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保育園に通わせていると、3歳はひとつの目安の年齢です。なぜなら幼稚園に入る段階となり「ウチは保育園だけど、例えば簡単な知育ドリルとか、ひらがなを覚えるとか、必要なのかな」そんなことを急に思ったりします。元気で友だちと仲良く遊んでくれたらいいなと思っていたのに、この年齢あたりでいきなり母親としては迷い始めるのはよくあること。

本当に3歳から「お勉強の基本の基本」を学ばせる必要はあるのでしょうか? あるとすれば、例えば家庭でまずはとっつきやすい「ドリル学習」するべきなのでしょうか?

保育園時代にドリル学習は必要?

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結論から言えば「必要ありません」と私は言いたいです。

なぜなら
・3歳児がやるドリルの内容が小学校・中学校の成績そのものには影響しない
・ドリルをやった成果はこの時点ではハッキリしない
・小学校に入れば、必ずひらがな・数字はちゃんと覚える
からです。

でも「じゃ、ドリルなんてやらせることないね」とも断言できません。ドリル学習は使い方次第、親の誘導次第でメリットも実際にあるからです。3歳からのドリル学習、メリット・デメリットの両方から考えてみましょう。

ドリルにこだわらなくてもよい理由

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3歳児向けのドリルは、ひらがなや数字を書けるようにする為の準備段階の内容です。線をなぞったり、色を塗ったりします。

ドリルでなくても、紙に殴り書きをしたり、子どもが書いているものに親が「上手ねえ~」と言うだけでも充分でしょう。でも、働く母なら思うことですが、日々、保育園お迎えからの数時間は「食事をさせ、お風呂に入れ、明日の準備をして早く寝かせる」ことで精一杯です。私も実際にドリルを買ったわけですが、できなかった、というか続かなかったですね。

結果として、では3歳からドリル(あるいは学習という面で)をやらせなかったらといって、小学校高学年時の成績を左右するのかと言えば、多くの場合、それほどの影響はないと思います。

ドリルをやらせるなら「目的」を明確に

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ドリルをいざやらせてみると、全くできなかったり、「この線をなぞるの!」と言っているのに、グチャグチャ書き殴ったりしてイライラするのもよくあること。

しまいには

「3歳用ってなっているのに、こんなにできなくて大丈夫かしら」
「シール貼るのはやるけど、他は全然興味を示さない」

とウチの子、この年齢の発達としてどうなのかしらと不安があおられる結果にもなりがちです。ドリルを与えて、親が不安になり、子どもに余計な怒りをぶつけることになるのなら本末転倒です。

ドリルをやらせるなら、まずママがどういう目的でどうやるか、をハッキリさせておきましょう。

【パターン別ドリルの与え方・勉強法】

(1)おもちゃ代わりと割り切って与える
やってもやらなくても怒らない。安い100均のドリルにでもして、これでちょっと数字やひらがなに興味持ってくれたらラッキーくらいの考えで行う。

(2)出来ても出来なくても「決まった時間」にやらせる
内容よりも「お座りして鉛筆を持って何かやる」いわゆる学習時間の初歩として習慣づけのスタート。中身についてアレコレ文句はつけず、上手にできたら褒める程度で「お風呂前に1ページやる」「土日の朝に必ず2ページずつやる」といった決まりを守ることは徹底する。

(3)小学校入学に向けてステップアップする学習法
入学まで間があるとはいえ、数字やひらがなはもちろん、簡単な計算くらいまで教えていきたい。長期的に計画をたて、最初はごく簡単なものからスタートし、少しずつ難しいものへとステップアップさせていく。必ずママかパパのフォローが必要なので週末やお互いに担当を決めて「夕飯前に1枚を教えながらやる」。4歳くらいからZ会幼児コースなど学習度が高めの通信教材を毎日きっちり続けさせたり、ドリルも確実に数ヶ月で1冊を終了させる。達成感と同時に学習度も高めていくやり方。

「タイプ別ドリルの与え方」をひとつずつもう少し詳しく説明していきます。

(1)は遊び半分でいいや、でもちょっとドリルなんかやって平仮名とか覚えてくれたりしないかな~のレベルですね。例えば放置プレイで子どもが自由にドリルに殴り書きしていてもいいわけです。やらない日が多くて、そのうちお絵かき帳状態になり最後はそこいらにポイされても、ま、いっか、という感じです。

(2)は一応「座ってノートを開く」という行動そのものを覚えて欲しい、例えば幼稚園によっては年少さんから先生の指示に従って折り紙をおったり、紙にクレヨンで「まるや三角」を書いたりしますから、似たようなイメージでドリルの指示を教えてあげてやらせてみる。できなくてもよし、とにかくドリルをやるという「学習タイム」の体験をさせていくことが主題。5歳くらいになったら「一応、なんとか平仮名は書けるし、自分の名前は書けるし読める」を目標にノンビリやる方法です。

さて(3)小学校入学に向けてステップアップする学習法はどうでしょうか。

色々言われていますが、私個人の経験ですがいわゆる「難関校」という中学受験をしている子たちを見ていると、比較的低年齢から親が学習のステップを考え、意識して教えています。

3歳にもなれば公文やドラゼミのような幼児教室に通わせたり、文字の書いてある積み木やいわゆる知育玩具で遊びながら教える。フラッシュカードのような記憶式をやらせる親もけっこういます。

小学校に入る時点で平仮名・数字がわかり、簡単な計算くらいなら出来たりします。入学時に出来ることが重要なのではなく、そうしてステップアップさせながら4年の入塾時期までに学習パターンを覚え込ませてしまう、というケースが多いように見受けられます。もちろん、そうしなくても小学校5年生くらいからドカーンと爆発する地頭の良い子もいますが、実際にはある程度準備期間を経て、受験体制に入っている場合が多いようです。

ドリルを与えるかどうかは「どう勉強させたいか」親が考えるチャンス

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でも、誰もが中学受験するわけではないですし、ドリルは学習法のひとつでしかありません。どこの本屋でも購入できるので母親としては買い物ついでに「あれ、もうそろそろ、こーいうのをやらせた方がいいのかも」気軽な気持ちで選ぶ人がほとんどでしょう。

ドリルがなくても、もちろん学ぶ習慣をつけることはできるはずです。

たまたまママが台所で夕飯の支度をしている時に、子どもがお絵かき帳に何か書いているとしても、「あら、上手!」とひと言声をかける。一緒に鉛筆やクレヨンをもって「い」という平仮名を書いて「コレが〝い〟だよ!いい子のい、だよ!」絵本を開いて「ほらほら、ここにあるね」と〝い〟の文字を見せたりする。そこまでできればドリルも必要ないでしょうが、なかなか出来ないのが現実です。

私もそうでしたし「だったらドリル買うかな〜」と購入したものの、ちゃんと出来ないのにイライラしっぱなしで、怒鳴ったり泣かせたりしたこともあって、今思うと反省です・・・。それにちゃんと1冊終わらせることもなく、ほぼほぼ「いつの間にかどっかいっちゃった」ドリルばっかりでした。

それで小学校入学に困ったかといえばそうでもなく、かといってやっぱり1年生でもしっかり平仮名・カタカナ・数字が出来る子はいるもので「あの子は頭いいな~」と思ったりもしました。

ドリルは「購入するだけで親が満足」するのが一番ダメなのかも、と思います。買って、適当にやってるだけでもいいんですよ。「平仮名ってのがあるんだな〜」と直感的にわかって欲しい、幼稚園ならやっているかもしれない学習のきっかけとして与える方法は、例え途中で投げ出してもアリだと思います。

でも、それ以上を望むなら親もきちんとドリルを与えた子どもに対してフォローをするべきでしょう。そこが「なぜドリルを与えるか」目的をハッキリさせてみませんか?という提案に繋がります。

子どもの進路については、考えはひとつではないし、どれが正しいという方法もありません。ドリルはとても手軽でわかりやすく、だから多くのママが「やらせた方がいいの?」と迷います。

迷った時が「考えるチャンス」です。3歳で子どもの将来へのレールを引く必要などないんです。でもドリルを買おうかな、やらせようかな、は「これから子どもとどう勉強・学習・進路に対して向き合っていくか」を少しずつ決めていく機会になるかもしれません。

※この記事は2018年5月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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