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2018.07.21

不妊治療の限界と妊活中止を決める時…二人で今後を話し合う


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不妊治療をやめる……それはとても大きな決断のように感じますね。せっかく生活習慣として身についたはずの妊活までやめてしまおうと決める時、それはどんな時なのでしょうか。そして、いつ決断すれば良いのでしょうか。

実際に不妊治療や妊活をやめたという方の意見や、その決断をくだす時に夫婦はどうすべきなのか、そしてその後の人生についてどう受け止めていけばいいのかなどを、一緒に考えてみましょう。

不妊治療に関する壁・偏見と乗り越える力

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不妊治療を続けることには、とてもたくさんの障壁があります。治療に対するストレスのほかに、偏見などいわれのない理不尽に襲われることもあります。

不妊治療が夫婦に与える負担
不妊治療に関する資金面での壁には補助金が出ます。しかし各自治体で定められている女性の43歳前後の年齢制限があり、その年齢以降は自費でまかなわなければなりません。

また排卵誘発剤や各種の検査、そしてホルモン剤の投与や採卵など、つらい検査や治療はたくさんあります。精神的に恥ずかしさを感じてつらいものや、痛みをともなうもの、後々体調不良を感じるものなど治療内容によってもさまざまです。

「今度こそ妊娠できる」と信じて、それでも生理が来て落ち込むことを繰り返すことも、女性にとって本当につらいですよね。そして女性を支える男性にとっても、精神的に大きな負担になります。

不妊治療に対する偏見とその乗り越え方
残念なことですが、不妊治療に対する偏見はまだ存在しています。現在、体外受精や顕微授精など生殖補助医療によって誕生している赤ちゃんは、全出生児のうち5.1%、20人に1人にあたります。排卵誘発剤などを使用した人工授精で誕生している赤ちゃんは、さらに大きな人数になるでしょう。実際に不妊治療を行ったことがない人々は、人工授精とそれ以外の生殖補助医療を混同していることが多く、その違いすら分からずに「自然に反する行為」と偏見的な発言をすることもあります。

人工授精で生まれた赤ちゃんも、生殖補助医療で生まれた赤ちゃんも、自然妊娠の赤ちゃんも変わりはありません。みんな尊い命です。そして授かり方に関わらず、ママと赤ちゃんのコンディションが合えば経腟分娩に、合わなければ帝王切開での分娩になるでしょう。

そして生まれてからも、ママの母乳が足りなければミルクを飲んで育ちます。離乳食も、レバーなどは手作りより加工品の方が衛生的で鮮度も落ちず優れていると言われています。予防接種は命に関わる病気から赤ちゃんを守ってくれますし、腸重積など恐ろしい病気になれば手術をすることもあります。

それは赤ちゃんに限りません。「自然に反する行為」と批判する人々の中で、病気になったとき化学的な治療をまったく行わずに生きている人はどれくらいいるでしょうか。塩素消毒されていない自然の水だけで生活のすべてをまかなっている人は?農薬や薬品を一切使わず育てた野菜や肉だけで生きている人はどれくらいいるでしょう。人間はすでに、自然にすべてをゆだねて生きることはできないのです。現代日本で一般的な生活を行っている限り、「自然に反する」という言葉自体、意味を持っていないことがわかりますよね。

実際に人工授精や生殖補助医療に踏み出したカップルは、そういったことを含めてよく考え、話し合って答えを出した人々でしょう。彼らには彼らの決断があり、彼らの人生の責任を取れるのは、彼ら自身でしかありません。「命を授かる」という大きな決断について、口を出せる他人はいないはずです。そもそも、夫婦間の決断に他人が口を出すという行為自体、自然ではなく「礼儀」に反することでしょう。

少子高齢化が問題視されている現在、子どもを授かることができない人に対して非常に差別的なことを述べる政治家さえ存在しています。偏見的なことを言う人はどこにでもいます。何にでも文句を言わなければ気が済まない人もいるものです。普段から不妊治療を理解してくれる仲間や不妊治療をともに頑張る仲間とのつながりをもち、偏見的なことを言われたら、理解ある人々や一緒に頑張るパートナーに話を聞いてもらって、気持ちのモヤモヤを発散してしまいましょう。

不妊治療の限界

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不妊治療には、さまざまな限界があります。それは年齢に関わらず、夫婦の間に訪れるかもしれません。

私の知人で、不妊治療を長く行ってきたにもかかわらず、赤ちゃんを授かることがなかったカップルがいます。長年の重圧によるストレスに疲れ、年齢的には余裕があったものの不妊治療をやめてしまいました。
しかしやめて数ヶ月、不妊治療のことを考えずに生活するようになってから、そう経たない時期に自然妊娠で赤ちゃんを授かったのです。

このケースの場合、不妊治療の限界となったのは、夫婦にかかる妊娠への期待と裏表の重圧、ストレスでした。
そのほかにも不妊治療にはいろいろな限界があります。

・女性の年齢制限による補助金の打ち切り
・女性の閉経
・金銭的な限界
・男女ともに大きな病気の発症
・夫婦仲の悪化

こういった不妊治療の限界があること、いつかはやめるときがくることを、夫婦であらかじめ話し合う機会を設けておくことをおすすめします。

不妊治療をやめるとき

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不妊治療や妊活をやめるとき、私の知人は夫婦でよく話し合ったそうです。そしてお互い仕事との両立が難しい、このままでは二人とも共倒れになってしまうということで、不妊治療をストップしたそうです。

不妊治療を「やめよう」と感じる瞬間は、カップルによって、そして男女それぞれによって違ってくるでしょう。男性が妻のつらい様子を見続けることに耐えられなくなって「やめないか」と持ち掛けることも、女性が更年期障害と不妊治療のダブルの重荷に押しつぶされそうになって「もう限界かも」と泣き出してしまうこともあるのではないでしょうか。

不妊治療をやめる「時期」は、夫婦が決めることです。もちろん夫婦で決断できないときは、主治医や両家の両親など、夫婦のことを考えてくれる信頼できる人に助言をお願いしても良いでしょう。どうしても思いきれないなら、身体と心、資金に限界がくるまで続けても構わないのではないでしょうか。いずれにしても、他人が「もうやめなさい」と止めることではありません。

最も悲しいのは、不妊治療に関することで夫婦の関係が崩れたり、両家の意見が割れたりして、夫婦が互いに愛情を失ってしまうことです。愛情の証として我が子が欲しかったはずなのに、そのための努力に疲れていつしか愛情を感じられなくなってしまったら、意味がありませんよね。

不妊治療に迷いを感じたり、不安や疑問、相手や医師への不信感を覚えたり、両家の両親からのプレッシャーなど、とにかく「つらい」と感じることがあったら、二人でたくさん話しましょう。答えが出ず、愚痴の言い合いで終わってしまっても、慰め合って終わっても良いのではないでしょうか。ひとり溜め込んで、大好きだった人への愛情を失うくらいなら、どんどん話して互いの思いをもっと理解しましょう。

「諦める」のではなく「二人で生きる」選択

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不妊治療は「諦める」のではありません。諦めるのではなく、「今後の人生を、二人で生きていく」選択をすることです。

子はかすがいだけれど、愛情が無い夫婦をつなぎとめることは難しい
不妊治療を続けるうちに仲違いが続き、愛情を感じなくなってしまったけれど子どもだけは欲しい……そんなカップルもいます。でも、子どもが欲しいからという理由で、愛情のまったくない二人が性交渉だけを行い、赤ちゃんを授かったとしても、冷戦状態が続いていたら赤ちゃんにとって幸せな家庭とは言えません。

赤ちゃんさえ生まれれば夫婦の仲は元に戻ると考えている方がいるのなら、それは間違いです。赤ちゃんが生まれた後に、夫の育児への協力不足などが原因で夫婦仲の悪化が急速に進む「産後クライシス」も問題となっています。夫婦仲は夫婦で愛情を育てようと気持ちをひとつにし、互いに歩み寄る努力がなければ修復できません。赤ちゃんを産んだからといって、すべてが丸く収まるわけではないのです。

だからこそ夫婦でたくさん話し合い、触れ合うことをやめずに愛情を育て続けることがとても大切です。そのうえで赤ちゃんを授かることができれば、ラブラブで互いを尊重し合う両親がいる家庭は、赤ちゃんにとってとても素敵で幸せなゆりかごとなるでしょう。全身に愛情を浴びて成長し、安心して巣立ちの日を迎えることでしょう。

そして、もし不妊治療をやめると二人で決める日が来た時、夫婦の間の愛情が大きく育っているのであれば、「不妊治療をやめる」決断はそのまま、「二人の人生を生きていく」決断となります。

夫婦二人で生きていくために話し合うべきこと

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子どもをひとり育て、公立大学を卒業させるまでには、だいたい1500万円以上のお金がかかると言われています(AIU保険会社調べ)。夫婦二人の人生をこれからも歩んでいくのであれば、これだけのお金が資産として残る計算になります。

将来夫婦が老いた時もお金の心配をせずに済むように、話題の個人年金をはじめてみようか、という話し合いをしたり、今後は元気なうちに年に一度は旅行に行こうかという話し合いをしたり、夫婦で楽しめる話題はたくさんあるものです。どちらかが倒れたとき、介護はどうして欲しいかなども話し合っておきたい事柄ですね。

よく子育て世代の夫婦の会話は、ほとんどが子どものことで占められていると言われています。「それ以外の話はほとんどしないわ、子どもがいなければ夫婦の会話なんてないかも」という女性も少なくありません。

我が家には障がいを持つ子を含め3人の子どもがいますが、健常な2人の子どもは家から独立させるつもりです。障がいを持つ子どもも、私たちが健康なうちに、社会の中で生きていけるように段取りをつけ、いつか親が亡くなった後も幸せに生きていける訓練をさせていきたいと思っています。

そのため、夫婦の会話は子どものことだけで占められているわけではありません。子どもたちが巣立った後どうやって二人の人生を生きていくかということや、互いの仕事について何か力になれることはないかということ、逆にアイデアや意見が欲しいことなど、会話は多岐にわたります。

ある時には時事問題について語り合うこともあります。発端は子どものことでも、障がい者理解や差別に関すること、日本における刑法のこと、医療に関すること、その季節の花々や生き物のことなどを話し合うこともあります。それぞれが見つけた美味しいパン屋さんなどの話もよくします。

そして子どもたちが眠りについたあとの夜9時以降は、夫婦二人の人生の予行演習のようになっています。互いにニュース番組などを見て話し合うことを大切にし、どちらかがスマホに夢中になっていたら「今は二人の時間だよね」と声をかけたり「何かおもしろいニュースがあった?」と会話を引き出したりしています。

二人で生きていく人生を充実させたいのであれば、やはり努力は不可欠です。直して欲しいところを指摘したり、失敗を一方的に責めたりするだけでは会話になりませんし、愛情は育ちません。相手を指摘する前に「どこか直して欲しいと思うところ、私にはないかな?」と訊ねてみたり、「ごめんなさい、失敗しちゃった」と素直に謝ってみたりしてみましょう。相手の立場に立って考えれば、一方的に責められることは決して愛情を感じられる行為ではないことがわかります。

相手に直して欲しい場所があるなら、まず自分にもないか訊いてみたり、相手に聞いてほしい話があるのなら、まず自分から相手の話に耳を澄ませたり。相手からの気遣いを求めたい場合は、まず自分から相手の立場に立ってものごとを考え、「相手のことを思いやる姿」をこちらから見せていってはいかがでしょうか。

妊活を「二人の幸せ長生き活動」へ

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そして不妊治療をやめて夫婦二人で生きていく決断をしたとしても、妊活をやめてしまう必要はありません。妊活は、栄養バランスのよい食べ物を三食きちんと食べたり、夫婦で軽い運動習慣をつけたり、タバコやお酒をつつしむなど、健康に良い事ばかりです。また夫婦で触れ合う機会を増やすなど、夫婦の愛情を育てることにもつながります。

不妊治療をストップし、妊活の必要性を感じなくなったら、今度は「二人で幸せに長生きする活動」として続けてみてはいかがでしょうか。二人の幸活のはじまりです。夫婦二人で生きていくとき、互いの健康状態は何よりも大切なことです。そして、健康な身体と冷めることのない愛情を維持していれば、もしかして近い未来に思わぬ奇跡が起きるかもしれません。ヒトの身体には、不思議なことが起きるものです。

そんな奇跡が起きても起きなくても、愛する人とずっと一緒に仲良く暮らす人生はとても幸せで穏やかなものではないでしょうか。この夫婦で生きていくと決めたなら、どうすれば健康に、優しい気持ちで生きていくことができるのかを、夫婦でたくさん話し合ってみませんか。

 

 

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河野 まちこ

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