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2019.01.18

【体験談】「壮絶なイジメを受けた」わが子を守るため親が取った3つの行動に思うこととは?


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「わが子がイジメられた」その状況が、私たちが想像する以上にひどい場合、親としてどう思うでしょうか。苦しむ子どもの姿を見ながら、冷静な対応などできるのでしょうか。

イジメは他人事の話しではありません。いじめは全く親が想像もつかない時に起きうることです。今回は読んでいて楽しい話題ではないかもしれません。

凄惨ないじめがあり、その時「親はこんなことをした」という体験談をお伝えします。それが、正しいかどうか、を問うているのではありません。でも、現実として、誰にでもあり得るかもしれない、いじめを受けた親が取った行動を3つ、お話したいと思います。

いじめた子どもを怒鳴りつけたのは間違っていますか?

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娘がいますが、クラスのある男の子に「キモい」と言われ、頭をはたかれる、背中をどつかれる、といった事が続きました。下校途中にランドセルを思いっきり押して娘が前のめりに倒れるのを見て笑って、側にいた子たちにも「おかしくね?」と笑うのを強要もしたそうです。
その場にいた子のひとりが親に話したことがきっかけで、そのママの知り合いから私のところへ連絡がきました。それを聞いた夫は激怒、特に相手が男の子ということで余計に頭にきたのでしょう、何があっても会社を休まなかった夫が半休をとり、下校時にその子がやってきたところを呼びとめ、すごい剣幕で怒鳴りつけました。
うちの娘を二度と傷つけるな、父親として絶対に許さない、とその子が泣き叫んでも肩をつかんで怒鳴り続けました。知らない人が見たら、通報してもおかしくないくらい怒鳴りました。正しい対処法とは言いません。でも、あなたの子が同じように、ひどいイジメを受けたらどうですか。やられてみないとわからないでしょうが、わが子がアザだらけで帰宅し黙って声をださずに泣き続けていたら、そのぐらいのことはしてやる!と思いませんか。私は夫を止めませんでした(N.Yさん・子ども 小4)

屈辱的なイジメを受けたわが子の親の気持ち

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体も小さい上に声も小さく、とにかくボンヤリしがちな息子ですがクラス替えをした小3の時からイジメが始まりました。半年くらいは気づかなかったのですが、ある日ノートがびりびりに破られ「う○こ」などと落書きされているのを見て、息子に問いただしてようやくイジメの現状がわかりました。教科書で何度も頭を叩かれたり、校庭でボール当ての的にされていることがやがてわかり、すぐに学校へ相談に行きました。

先生がクラスで話し合いをし、さらに首謀者と思われる子の親も呼び出したそうですが、その親は約束をすっぽかし、その後は連絡しても電話にも出ない。そういう親だから、と言うのは簡単ですが、イジメをうけている子の親としては「だからどうしようもない」では終われません。

校長先生にも直接話しに行き、学校が対応できないなら警察に相談するとも言いました。学校を脅すような振る舞いをするのは本当にイヤでしたが、わが子を守るためなら、自分がモンペ扱いされても構わないと思いました。だって、ボール当ての的にするんですよ? 体育の着替え時にパンツを脱がして笑い、周囲の子が笑わなかったら「次、お前にしよか?」って脅すんですよ! だからみんな笑う。パンツ脱がして、笑われているわが子を思ったら、親として黙っていられますか?

私は相手の家に何度も行き、居留守を使われてるのもわかっていましたがドア越しに「お宅のお子さんのことでご相談したいんですが」と言い続けました。結局、出てきませんでしたが。私の行動が色々と噂にもなりましたが、それでいいんです。みんなの噂になり、誰の家でも「それはヤバいんじゃない」となり、うちの子がいじめられそうになると先生に言いにいってくれる子が出てきて、最終的には収まりました。

やり過ぎと言われても仕方ありません。でも本当にひどいイジメを受けているわけでもなく、傍観者でしかない子の親たちに、私の気持ちがわかるわけがない、とも思います(M・Aさん/子ども 小3)

イジメを正当化する親に思うことは

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娘が小学校5年生の時、数人の女子グループからイジメの標的にされました。その内の2人はそれまで同じクラスで仲良しだったようですが、クラス替えの後にリーダー的な女の子の言いなりになって、一緒にイジメをするようになったようです。仲間はずれや、ちょっとした悪口という感じだったので担任には話をしましたが、様子見をしていました。今思うと、最初の段階でもっと親が出しゃばってでも「あれはイジメです!」と言えば良かった・・・。

ある時、仲良しだった子に「仲直りしよう」と呼び出され、夕方公園に行った娘が帰宅した途端に部屋に入り、ひどく泣くのでビックリして問いただすと、黙って腕を差し出しました。そこにはヤケドのような跡がたくさんできていて「行ったら、そこの丸の中にいろ、と言われ、爆竹のようなものを投げられた」と言うんです。ちょうど帰宅した年の離れた大学生の姉が「ここまでいくと、普通じゃない!」とスマホで写真を撮影し「学校なんて、最後まで面倒見てくれない。警察だよ!証拠の写真だって言って、ママが行かないと」と言われました。

私は警察ではなく、イジメに詳しいという弁護士のところに相談に行き、対処しました。学校にも面談を予定してもらい、弁護士に同席してもらったところ、態度が急変、いきなり校長先生自らが相手の子の親たちと話し合いをしました。学校側に真剣な対応を求めるためにも、弁護士を頼むといった一種のプレッシャーは必要なんです。この時、リーダー格の女子のお宅も弁護士をつけてきたのには驚きました。「確かにやったことは悪いけど、そちらが弁護士を連れてきたので、わが子を守るためにうちも弁護士の先生にお願いした」と言うのにはあきれ果てました。

わが子を守るために? 何から? 私は親として、あなたのバカ娘からわが子を守るために弁護士を頼んだ。あなたは自分の子を叱る前に、叱られる人から守るために弁護士を頼むのか、と言うと「子ども時代には誰でもこういう間違いを犯す」としゃぁしゃぁと言うのでますます呆れました。
他の子たちは、それぞれ親が連れて我が家に謝罪に来ましたし、ひとりの子の父親は玄関に土下座して謝ってきました。それで許せるわけではありませんが、少なくともその子は土下座して謝罪している親をみて思うところがあるはずです。しかし、あのリーダー格の子はどうなんでしょうか。人をどのように傷つけても「パパが弁護士雇ってくれるから大丈夫」なんでしょうか(N・Sさん/子ども 小5)

イジメに立ち向かう親と傍観者である子の親がすべきことは

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どう感じたでしょうか?

私は最初、大変申し訳ないけれど(行き過ぎでは)(そこまでやれるものかな)などと思いました。しかし話を聞くうちに、そもそも「イジメの凄惨さ」を考えると、学校も教育委員会も誰もわが子を最後まで守ってはくれない時、親なら憤然と立ち上がるだろう、とも思いました。

「わが子がいじめられている」とわかった時に親がどう対処すべきか。一般的に学校に相談することからスタートします。でも、初期の段階でイジメに気づくとは限らず、わかった時には大切な子どもの心がボロボロになるまで傷ついていたら、それを目の当たりに見た瞬間、親の理性など吹っ飛ぶでしょう。理性という言葉は正しくないのかもしれません。子どもの傷が深ければ深いほど、それを言葉にして訴えることもできないほど絶望しているわが子を見た時、親としての怒りは抑えきれぬ勢いでふくれあがるのは当然です。

結果として、周囲から見れば「え、そこまでするの?」と思うような行動をとる場合もある。例えば、いじめの対応をする専門家から見たら「間違っている」正しい対処法ではないとしても、です。それでも子どもを守ろうとして、攻撃的な手段に出ることもあるでしょう。

私はそれを非難できない、と、思いました。なぜなら、親の気持ちを想像すればわかるからです。

ひとりのママが、こう言いました。

「イジメを受けている子が声をあげるべきとよく言うけれど、いじめられている最中に子どもは恥ずかしいとか自己否定とか、絶望の中で口にも出せないのよ。親として気づけないことは最低だけども、わからないことだってあるんだよ。だからせめて周囲の子が、先生に言えないとしても、親に話せないものか。聞いた親が、イジメがあると周りに話してくれたら、遠回しにでもイジメられてるみたいだよと教えてくれたら、早くから何とか対応できるかもしれないのに」

イジメはクラスの中で、他の大勢の子が気づいています。でも、子ども達も口に出せない。なぜなら先生に言いつければ、次に自分がイジメの的になるとわかっているからです。

それでも、親子の会話が少しでもあれば、ある瞬間に「あの子、けっこうやられていて可哀想」という話が出てくるかもしれない。この時、親としては、いえ、私個人の意見ですが、やはり簡単には学校に言えません。なぜなら、そのイジメられている子の苦痛がわかっていてさえも「言えばわが子が次にそのイジメの標的になるかも」と不安に思うからです。

でも、見た子どもが家で親に話したら、大人の知恵でいくらでも方法はあるのです。学校に「たまたま見かけたのですが」でも、「ちょっと聞いたのですが」でも、卑怯なやり方と言われるかもしれませんが、私はそれでも黙っているよりも「イジメがあります!」と伝えることが第一歩だと、思われてなりません。

イジメを受けた本人が声をあげるのは、とても厳しい、辛く難しいことです。そして傍観者であることを責めるのは簡単ですが、子どもの世界で「そんなイジメはよくないよ! やめようよ」なんて、簡単に言えるわけがないのです。

だから、イジメを見た子どもが親子のコミュニケーションの中でちょっと漏らしたことを聞き逃さず、それをうまく学校や周囲に伝えるというのは、理想的なやり方ではないにせよ、私は、できる方法でイジメを減らしていく現実的なやり方だと思います。

わが子にイジメをした子に対し激しく向かっていく親。私はそれを「間違っている、もっと違う方法がある」とは、簡単に言えないのです。

【企画協力】
いじめのサインを見逃さない こどもをマモルサービス
株式会社マモル

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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