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2020.10.18

【サードプレイス】がママたちに必要な理由とは?母でも妻でも働く人でもない自分に戻れる時間と場所を持とう!



『妻であり、母であることはとても大切だけど、ひとりの人間として過ごすことも大切です!』

頑張りすぎてしまうママ向けのメッセージ、実際によく見かけます。私も同じようなことを思いますが、家にいれば母であることが最優先、職場にいけば会社人としての役割を果たすことで精一杯・・・。妻や母といったすべての肩書きと役目を脱ぎ捨てて、素の自分で過ごす時間は、実際にはなかなかありません。

このところ、よく耳にするようになった「サードプレイス」という言葉。ざっくり言えば、家や職場、学校といった場所ではない、ひとりの人間として心地よく過ごせる居場所、といった感じでしょうか。アメリカの社会学者オルデンバーグによる定義はもっと複雑ですが、ここでは「私が私でいられる、家や職場以外の3つ目の場所」と捉え、ママたちがどこでホッとひと息ついているのかを聞いてみました。

ママでも妻でも働く人でもない!ここが「私のサードプレイス」

「さっぱりスッキリする美容院」
私の場合、美容院かなぁと思いました。もう10年くらい通っていて、同じ担当者です。話しかけられるのが苦手なのもわかってくれているので、気遣う必要もなく、のんびりできます。丁寧にシャンプーしてもらい、雑誌をぱらぱらと眺めながら、さっぱりヘアカットしてもらうだけで気分がとても良くなります。
美容院の帰りには、気に入っているカフェで白ワインを飲みます。2ヶ月に1度のペースですが、居心地のいい私だけの時間、というなら美容院からカフェでの白ワイン一杯までが、サードスペースかなと思います。帰りがけにはスーパーでお総菜買うので一気に現実に戻っちゃうのが残念ですが(笑)(Nさん/30歳/子ども 2歳)

「昔から通っているバー」
独身時代から通っているバー。いや、もうめったに行けないんですけども。数えてみると、去年は2回かな。一番近いのは去年の暮れで、会社の忘年会なので夫に子どもを預けていました。忘年会は一次会だけ参加、義務を果たして、そのまま、ひとりで移動して、そのバーへ。
薄暗く、静かで、マスターも何か押しつけるようなことはなく、お酒のうんちく垂れてる人もいない(笑)日頃から家事と育児と仕事とフル回転している私が、なにも考えずに、なにもせずに、ぼんやりと少しきついお酒を飲む。別世界ですね。秘密のサードプレイスです(Oさん/39歳/子ども 6歳・4歳)

「会員制の図書館」
実はわりと最近なんですが、会員制の図書館に入会しました。夫には「本なんて家でも読めるのに」と怪訝な顔をされましたが、例え子どもが寝た後でも、部屋中に干してある洗濯物、まだ終わってない洗い物、家にいると「あれをしなくちゃ、まだこれもやってない」とついつい色々と考えてしまうし、ソファに寝転んだ夫が何か言えば答えなくちゃならないし、落ち着いて本を読むことなんてできません。
会員制の図書館はとてもきれいで、ギャラリーのような空間なんです。子どもが小学生になり、週末の短い時間なら夫に預けるのもラクになったし、土曜授業がある日は必ず、その図書館へ。コーヒーなんかも飲んでいいスペースもあるし、外国の美しい写真集や、学生時代に学んでいた古代エジプト関係の資料とかもあり、ぱらぱらとめくっているだけでも心が安まります。周囲と話すような雰囲気ではないけれど、完全な静寂でもなく、この図書館で過ごす1~2時間は私にとっては本当に居心地のいい「ひとりの時間」。まさにサードスペースかなと思います(Aさん/35歳/子ども 7歳)

特別な海辺がひとりで過ごす「マイサードプレイス」
ちなみに筆者は昔から毎年のように夏休みを過ごしているホテルがあります。ホテルの居心地の良さもそうですが、それ以上にわたしは、目の前に広がる海を愛しています。

海ならどこでもいいのか、といえば、そうではないのです。思春期には言葉にできない「むしゃくしゃした気持ち」を抱えてコンクリートの護岸に座り、時にはラブソングを聴きながら報われない片思いに小さな胸を痛め(・・・もはや色あせた思い出ではありますが)、大きなお腹を抱えてとても幸せな気持ちで雄大な海原を見つめていた夏もあったし、両親を立て続けに亡くし、押し殺した悲しみや悔いを握りしめるようにして、海をただただ眺めていた時もありました。たくさんの過去と思い出がよみがえり、自然と体中の力が抜けていくように思える、特別な海辺なのです。

夫も子どもも、もちろん一緒にホテルには宿泊しますが、わたしがひとり早朝に、海辺で1時間ほど過ごすことに気付いてはいないでしょう。あるいは、たぶん、本当に何もかもが嫌になってしまった時に、思い立ったように電車に乗り、その海辺に向かった、過去の出来事も、知らないでしょう。私にとっては、今もなお、その海がサードプレイスです。これから先も本当に心が参ってしまうことがあれば、きっとあの海に癒されるだろうと思います。

ひとりを満喫できる場所と時間を持ってみませんか?


自分らしい時間を過ごせる、自分のための時間を持つことができる、そんな場所があれば、ママたちの多くが少しは気持ちをラクにできるような気がします。

でも、サードプレイス、なかなか見つけるのが大変です。

なぜなら、例えば「いきつけのカフェ」もサードプレイスになり得るけれど、顔なじみができる、話しかけられる、ちょうどよい距離関係が保てればいいけれど、そこにコミュニティがうまれるとどうしても「やりとり」の中で、また違った面倒が起きることが多いからです。趣味のサークルや、気の置けない仲間と過ごす時間さえも、時に煩わしくなることもあるでしょう。

本来の意味でのサードプレイスは、ゆるやかに人と関われる優しいコミュニティがある第三の場所をさすようです。でも、常に家族と職場、周辺の人間関係に疲れを感じるママにとっては、孤独とは違う「ひとり」を楽しめる場所こそ、家でもない、職場でもない、癒やしの場所となり得るのではないでしょうか。

そこに行くだけで、わたしのための時間をゆったりと過ごせるサードプレイス、あなたも探してみませんか?

出典:サードプレイス/レイ・オルデンバーグ

※この記事は2019年4月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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