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2019.06.13

この先どうなる?どうする?子供の英語教育【教育改革2020】


教育改革2020で大きく変わる英語教育

「教育改革2020」がもうすぐスタートしますね。文科省の説明(新学習指導要領について)によると、改革が目指すのは「新しい時代に必要となる資質・能力の育成と、学習評価の充実」と書かれています。
そのため、これまでの「受け身の座学・暗記中心の教育」から「積極的な対話・実践中心の教育」に切り替えていくことになります。また、明確に「学習内容の削減は行わない」と書かれています。
ということは、単純に考えると、改革によってこれまでより「学習量が増える」という事を意味しています。効果的な対話や実践教育を行うためには、まず座学・暗記等で得られる基礎知識が欠かせないからです(逆に言うと、この土台部分を教育現場でしっかりやらないと、アクティブラーニング授業は、基礎学習が身についた一部の子にしか効果を及ぼさないのではないかと・・・)

そして、改革で特に大きく変わる教科の1つに「英語」があります。中学から大学まで10年近く勉強しても「話せない」「使えない」という現状を打破するために、さらに幼少の小学校から「英語」が必修科目になり、成績がつきます。また、一部の中学受験で英語は選択科目ですが、数年後は必須科目になる可能性もあります。さらに、これまでの「聞く」「読む」という受け身スキルに加えて、都立高入試では「書く(ライティング)」「話す(スピーキング)」テストが導入され、より実践的な能力が求められるようになります。大学受験では、外部の英語検定試験の点数申請が可能になるなど、制度変更もいろいろありそうです。
英語はできないよりできた方が、人生の選択肢が広がるとは思いますが、そうは言っても、限りある資源(お金)の中で、どのタイミングで子どもの英語教育に投資するのが良いか悩みます。
今回は、そんな中で、個人的に衝撃を受けた英語教育をめぐる友人たちの決断を紹介したいと思います。

仕事を続けながら、オーストラリアへ


先日、学生時代の友人から「オーストラリアに引っ越す」との連絡があり、仲の良い数人とともに送別ランチをしました。
外資系勤務の夫の都合(転勤)で行くのかと思ったら、夫は日本に残ってそのまま働き、彼女と2人の子(小学生)だけが行くと聞き、驚きました。
その主な目的は「子どもの英語習得のため」。
彼女自身は、海外の大学院を卒業後、在宅で専門的な仕事をしています。その仕事を現地で続けながら、子どもたちは今後2年間、現地の公立小学校に通うそうです。
「英語習得」が目的なら、日本にもインターナショナルスクールが多数あるし、そうでなくとも放課後に民間の英語学校に通えば良いのでは?と思いましたが、聞くと、都内のインターは、1人あたり年間300万円前後の学費がかかって途中転校も大変だけれど、オーストラリアの公立小は1人あたり年間80万円ですむ上、2年間の限定ビザだから気楽に行って帰ってこれるのがいい、とのことでした。
なお、事前に物価が安い東南アジア等も検討したそうです。しかし、各国大使館が集まる留学フェアに家族で参加した際に、オーストラリアの地方政府がこのような子どもの留学を積極的に受け入れていて比較的ビザが出やすいこと、現地の公立小の教育水準が高いことに加えて、子どもたちが希望し、夫も賛成したことで、決断したとのことでした。
個人的に「語学留学」というのは、何となく大学生くらいのイメージがあったので、小学生の段階で・・・というのはけっこう衝撃的でした。

あえてアメリカンスクール


送別ランチから数日後、今度は、うちと同じ5歳の子がいる近所のママ友さんから、「夫の海外赴任に帯同するため、仕事を退職して3~5年ほど海外で暮らすことになった」という連絡がありました。
赴任先は非英語圏ですが、日系企業が多く進出している地域です。大規模で評判が良い日本人学校もあるのですが「英語習得のため、あえて現地のアメリカンスクールに通わせることにした」とのこと。日本の教育は、別途通信教材を使うそうです。彼女自身は、英語は苦手とのことですが、同じ理由でアメリカンスクールを選択した駐在家族がいるので、何とか保護者会等も乗り切れそう、と話していました。
このママ友さん、夫の海外赴任が数年のうちにあるかも・・・ということで、お子さんは以前から英語教育に力を入れている保育園に通っていました。もし夫の海外赴任がなかった場合は、仕事を続けながら、小学生を対象にしたボーディングスクール(全寮制)の「神石インターナショナル」が2020年に開校するので、そこに通わせたいという話をしていました。小学校で寮に入るという話に衝撃を受けましたが、無事、海外赴任が決まって本当に良かったなと思います。

KUMONで英語、洋楽を聞かせるなど英語教育は三者三様


この話を職場でランチにしたところ、大学生の子がいる先輩からは「英語教育が変わると言っても、実際にどうなるか分からないから、あまり惑わされない方がいい。うちはKUMON英語を少ししていたけど、イーペンシルでネイティブの発音を繰り返し聞きながら、自分で勝手に勉強してくれるから楽だし、海外の公文教室では、英語が母国語の子も同じ方式で学んでいるからオススメだよ」とのアドバイスを頂きました。また、別の同僚は「私が洋楽好きで、いつも自宅で英語の音楽を流していたら、少し大きくなって子どもが歌詞を知りたがって、自分で英語を勉強し始めて、大学は英文科に行ったよ」と、話していました。また、独身の同僚は「AI技術の進展で、話した途端に正確に訳してくれるドラえもんの“ホンヤクコンニャク機”がもうすぐ実用化されるはずだから、英語は勉強しなくていい。文科省の教育改革は間違っている」と言い切っていました。
英語教育に対する考え方は、まさに三者三様ですね・・・。

低年齢からの英語教育は、効果があるのか


ところで、我が家の年長児は、保育園の昼寝明けに週2で英語プリスクールに通っています。主にネイティブ発音のインプットが目的ですが、校舎が増設され、送迎バスが大きくなり、受入れ人数が増えたのに、今年は例年になくキャンセル待ちが多いそうです。
こうした状況を見ると、結局のところ、改革による小学校からの英語必修化は、さらに低年齢(未就学)の子に対する英語教育へ影響を及ぼしているような気がします。

最後に、子ども自身に英語プリスクールの感想を聞いてみました。「んーとね、先生の髪型がボワってなっているから面白い。あとスイミングで一緒の〇〇がいるから楽しい」とのことでした。英語とは全く関係ないところで楽しいようです・・・。
親としては、発音だけはネイティブ並にやたら良いので、まあいいかなと思いますが、何となく、この費用対効果はどうなんだろうか等はいろいろ悩むところです。

参考資料/文科省サイト 新学習指導要領について

市口芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


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