仕事、妊娠、出産、子育て、夫婦関係…働くママを応援| BRAVA(ブラーバ)

2019.10.01

子供の熱性痙攣(ねつせいけいれん)対処法は? いざという時慌てないために<体験談>



「熱性痙攣」のことご存知でしょうか。6ヵ月~5歳ころまでの乳幼児期に38度以上の発熱に伴って起こるけいれんや意識障害のことを熱性痙攣(ねつせいけいれん)といいます。起こった場合どのように対処すべきか、実際の体験談とともにご紹介します。

熱性痙攣とは?


主に、6ヵ月~5歳ころまでの乳幼児期に38度以上の発熱に伴って起こるけいれんや意識障害を熱性痙攣(ねつせいけいれん)といいます。身体が未熟なために起こる良性疾患で、熱が上昇する際にけいれん発作を引き起こすことがあります。
突発性発疹やインフルエンザ、中耳炎など高熱をともなう病状すべてにけいれんを起こすきっかけにつながると言われています。突然意識がなくなり、白目をむいたり、泡を吹いたり、身体が震えけいれんする状態のほか、脱力や一点凝視、眼球上転などの反応も熱性痙攣にふくまれます。
また、生後6ヵ月未満の場合は他の病気を発症しているケースが考えられるため注意が必要です。

わが子が発症した実体験


わが子が熱性痙攣を起こしたのは娘が1歳2ヵ月の頃でした。
その日の日中から発熱していて小児科に診察へ行った日でした。インフルエンザが流行っていた時期だったこともあり検査をしようとするも発熱の時間がまだ短く、解熱剤をもらい帰宅しました。いつもの元気がなくすこしぐったりした様子でした。心配しつつも夕食の準備をしていたその時、リビングでごろんと横になっていた娘からこれまで聞いたことのないようなうめき声が聞こえました。びっくりして駆け寄ると全身がけいれんしており、呼びかけても応えず、目の焦点も定まっていない状態。初めてのことですっかり動揺してしまい、震える手で即119番に電話をしました。
抱きかかえながらいくつか受け答えしているうちに娘のけいれんはおさまり、意識を失い眠っているように見えました。それから保険証やらおむつやらをバッグに詰め込み、3歳だった上の子の手を引いて救急車を待ちました。救急車が来るまでの5分間、人生で一番長く感じた5分間でした。
病院へ到着してからは状況の説明と診察、点滴をしてその日は帰宅しました。点滴後は娘も落ち着き、元気とは言えないながらも笑ったり、おもちゃで遊んだりできるまでに回復。
翌日の検査で中耳炎だったことがわかり、その後は何ごともなく過ごしています。

けれど、けいれんを目の当たりにした時の衝撃ともう元気な娘に会えなくなってしまうのではないかという恐怖とで、できる事ならもう二度と起こってほしくない、トラウマレベルの出来事となりました。

気が動転してしまう熱性痙攣。まずは時計を見ること。


病院に到着して確認されたことは
・けいれんしていた時間
・けいれんの部位
・白目や泡はどうだったか
・呼びかけに応えたか
の4点でした。

先生によると、5分以上のけいれん発作が続くと「けいれん重積状態」と診断されます。子どもが熱性けいれんを引き起こすと動揺してしまう親御さんがほとんどなので1分1秒が長く感じてしまい、正確な時間が答えられない場合が多いそうです。
適切な判断をしてもらうために、けいれんを確認したらまず時計を見て時間を計ってほしいと言われました。
熱性痙攣は「単純型」と「複雑型」に分けられ、症状によっては入院を必要とする場合もあるようです。

救急車呼ぶ?呼ばない?


わたしは当時、引っ越しをした直後でかかりつけ医院がなかったため救急車を呼んでしまいました。先生に本当に救急車を呼んで良かったのかと後に尋ねると、初めての子や5分以上けいれんが続いた場合は迷わず連絡をしてほしいとのことでした。
救急車を呼んで良いのか躊躇してしまいますが、呼ぶことで冷静になれるなら迷わず電話しましょう。
気が動揺してしまい、思わぬ事故を起こさないためにも119番のほかかかりつけ医院や近くの救急外来の電話番号をすぐ分かる場所に置いておくのが安心です。

発症率は意外と多い…。


日本の乳児の熱性痙攣の発症率は3.4~11%という報告があります。
そのほとんどが良性疾患であり、成長とともに発症率が低下してくるということが研究結果で報告されています。
しかし稀に再発や癖となってしまう場合やてんかんの可能性がある場合もあります。
2015年熱性けいれんガイドライン
<http://minds4.jcqhc.or.jp/minds/febrile_seizures/febrile_seizures.pdf> 
によると、1.両親いずれかの熱性けいれん家族歴 2.1歳未満の発症 3.短時間の発熱・発作間隔(概ね1時間以内) 4.発作時の体温が39度以下
いづれかの事項にあてはまる場合、再発率が2倍となると記載されています。
このガイドラインは医師の医療基準をまとめたものですが、ネット上で誰でも見る事ができるのでより深く知りたい方は一度目を通しておくのをおすすめします。
熱性痙攣を目の当たりにするとどうしても焦ってしまいますが、前もって知っておくことと、起こったときに見れるものを用意しておくと少しでも冷静さを取り戻すことができます。きっと大丈夫です。まずは落ち着いて行動しましょう。

牛嶋絵美

, , , ,