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2020.06.08

ママが休むと育児放棄なるの!?あっていい「本日、家事育児やりません!」宣言!


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平日は基本ワンオペですが、夫がたまに仕事で早く帰ってきた時は、「ママ閉店」宣言をすることがあります。「今日はママ、閉店します!」と、夫と子供の前で宣言でして、蛍の光を歌いながらシャッターを閉めるパントマイムをした後、別の部屋で読書をしたり、iPadでドラマ(アマゾンプライム、ありがとう!)を見たり・・・。
たまに子供が「ママ閉店しないで~!!」と乱入してきますが、夫がアイスで釣ったり、折り紙やレゴで釣ったりすると、けっこうあっさり離れていきます(眠い時だけは、ママがいい、とひっついて離れませんが・・・)

ママが休むと育児放棄なの?Twitterが炎上

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こんな「ママ閉店」宣言、我が家では、平日はごくたまに、週末によく見られる風景です。

ですが、先日、3人の子どもを育てているママが、同じく時々「ママ閉店」を宣言しているということをパパがツイートしたら、「その母親はネグレクト(育児放棄)だ」、「毒親だ」という批判コメントが殺到して炎上したという記事を読んでびっくりしました。

え?その場にパパがいるんだから、ネグレクトじゃないですよね?!

しかも、ツイートしたパパさん自身が、「世のママも閉店したらいい 急遽閉店するのがいい」と、言っているのに、なぜ炎上するのでしょうか?

スウェーデンの決意

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炎上した理由は、共働きが多数派を占める今の時代でも、未だに「ママ=育児・家事、パパ=仕事」という、前時代的な固定観念を持つ人がいるから、という気がします。そう考えて、ふと幸福度指数が高く「夫婦共働きで、家事・育児も分担し合うのが当たり前」というスウェーデンのことを思い出しました。

スウェーデンでは、20年以上前の1995年に、各国に先駆けて「父親の月」という1カ月間の父親の育児休暇制度を導入しています。
導入前に政府が研究会などを設置して、「父親の育児を阻害する要因」を探った結果、出てきた主な要因は3つ。

1.父親が育休をとって育児をしたいと思っても、経営者/上司が認めない
2.「母親が育児をすべき」という家庭内の性別役割分担意識(固定観念)
3.父親自身が育児をしたくない場合、母親の家庭内交渉力が弱く、父親に決定権がある。

こうした状況について、当時のスウェーデン政府は「家庭内の性別役割分担が社会に及ぼす悪影響を看過できない」として、「育児分担は、家族において解決すべき問題のように見えるが、もはや家族の問題だけではない。父親の育児は、企業・労働市場・政治に関わる社会問題だ」と宣言して、「父親の月」の導入に踏み切りました。

現在「父親の月」は3カ月間に延長されていて、パパが取らないと消滅するクオータ(割当制)になっています。また、育児休暇の分割取得や、同性婚家族・養子家族にも適用されています。
スウェーデンでは、こうした制度の導入によって、今では父親の8~9割が育休を取っています。

日本の育児休暇制度の現状は?

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日本の育児休暇制度は、別にパパがとってもママがとってもかまわないのですが、取るのは圧倒的にママ。スウェーデンなどの国をまねて、なんちゃって(?)「パパ・ママ育休プラス」はありますが、パパのためだけのクオータ(割当制)でありません。しかも、育休の分割取得も認められていないので、仮にママが半年・パパが半年取った後に保育園に入れず、再びママが育休を取るということはできません。そんなわけで、実際には、パパが育休を積極的に取るようなインセンティブが働かない制度になっています。

ただ、日本政府も一応、がんばっています。厚生労働省「育児休業給付金が拡大した今こそパパが育児休業を取るチャンスです!!」というリーフレットで、パパが育休を取って、育児をすると、こんなに良いことが沢山ある!と一生懸命アピールしています。

育児だけでなく家事もですよ

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というわけで、日本政府の意識もようやくスウェーデンの20年前の社会に近づいてきたような気がします。

ただ、政府の意識は変わっても、世間一般の意識はまだまだのような気がします。
専業妻がいる私の上司などは、育休に入る後輩ちゃんを見て、「いいなあ、オレも育休とって休みたいよ」と、平然と周囲につぶやいてますが、完全に間違ってます(怒)。

育児休業は、休むのでなく、育児と家事と配偶者の世話も全部しなければならないんですよ!生まれたての頃は夜中もずっと寝不足なんですよ!そしたら、休む暇なんて全くないことに気づくはず(サポートなしで出産後、1人で育児した結果、1カ月後には、新聞記事の意味も分からなくなるくらい脳みそが破壊されました、私は・・・)。

兼業ママだけでなく、専業ママだって、産後1カ月は母体保護のために床上げしない方が良いです。さまざまな事情があって里帰りできる母親ばかりじゃないし、上の子がいる場合、あるいは双子だったりする場合もある。
そういう時にパパが育休をとって全面的にサポートするのは、これからの時代、大切だし、当たり前になっていくといいなあと思います。

そして、世間一般の意識を変えるのは、結局のところ、私たち子育て世代であり、「ママ閉店」宣言を温かくサポートするパパたち、そして、その子ども達なんだろうなと思います。

※この記事は2018年9月に公開されたものです。

市口芳江

市口芳江

4歳の子どもを育て中。保育園には足を向けて眠れません。


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