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2020.06.10

緊張や不安を抱えやすい「繊細な子ども」にどう対応すべき?<先輩ママの体験談>



子どもの性格はひとりひとり違います。やんちゃすぎて頭を抱えているママたちも多いでしょうが、同じくらい多いのが、繊細すぎるわが子に対して不安を覚えているママたちです。

「些細なひとことをずっと気にして落ち込む」
「緊張すると言葉がでなくなるみたい」
「たいしたことでもないのに、どうしようどうしようと悩み続ける」
「傷つきやすく立ち直りが遅い」

繊細な子は優しい反面、集団のなかでうまく立ち回れず、いいように振り回されている感じもして、親としてイライラすることもあるようです。

今、高校生になるN美ちゃんのママは筆者と昔からの知り合いです。彼女が「N美が小学校時代は本当に心配した。こんなに弱くて世の中渡っていけるのかなと思った」と話してくれたことがあります。

今回は「今でもガラスのハートを持つ」とママが称する、N美ちゃんの成長記録とママの心境をまとめました。もし、繊細で敏感なお子さんがいて不安や心配があるとしたら、似たような経験をしてきた彼女のお話が参考になるかもしれません。

あまりに神経質なわが子にイライラすることも

小さいときから友だちの顔色を伺う感じだった。特にリーダータイプの子、そういう子が喜んでるか嫌がってるかばかりを気にしてたのね。家で鬱々としているから聞いてみると「きっと○ちゃんは私に怒ってる」とか「あの時すぐに消しゴムあげればよかった」とか言うのよ。うちの子が何か悪いことしたわけじゃない、ただ、その子がちょっと睨んでたとか、ちっ、って言った、とか、それをいちいち覚えていて帰宅してからずっと気に病んでいる

ちょうど下の子が1歳になったばかりくらいで、手がかかることもあって「淋しいのかな」とママは思ったそうです。パパとふたりでよく話を聞くようにしたり、週末にはお出かけしたりと気分転換するようにも気をつけた。それでもなかなか子どもの様子は変わりません。

ひどく落ち込むというわけではないけど、ずっと不安げな顔つきで。友だちのことだけじゃなく、たとえば明日学校でグループ分けをする、なんて言われると、もうずっと「○ちゃんたちと一緒じゃなかったらどうしよう」「自由と言われて声かけてくれなかったら誰とグループになればいいんだろう」と心配するの。そして翌日の朝になると朝食もあまり食べず緊張しているのか朝から何度もトイレいったり。学校に行くのを嫌がりはしないけグズグズしはじめて、あれこれ、こちらが励まして背中を押さないと出かけない・・・

N美ちゃんは家ではヒザを抱えてうつむきながら、しくしくと泣くけれど学校では普通。だから先生に相談しても「おとなしいほうかもしれませんが友だちと仲良く遊んでますよ」で終わってしまいます。緊張や不安を抱えやすい子の中にはこのように外ではあまり「不安なこと」を態度や表情に出さないタイプが多いんですね。とても我慢強い一面もあるわけです。

これより前、幼少期ですが、やはりおとなしすぎるN美ちゃんに、もっと大勢の子と競争したほうがいいのではと考え、ママは仕事を融通しN美ちゃんを保育園から幼稚園に転園させています。このことからわかるように、ママは行動的で竹を割ったようなスパっとした性格。そんなママからすればN美ちゃんのうじうじした様子についイラっとしてしまうこともあったそうです。

ほんとにわたしからすると、くだらないことでグズグズしてるから。○ちゃんはわたしのこと嫌いになったのかも、とか「別にいいじゃないの!○ちゃんだけが友だちじゃないんだし!」なんて怒鳴ったりして。それで反論するならまだいいのよ、反論してきたら、それは違うよって話せるじゃない? でもそうすると私の顔色を見るわけ、顔色をみながら、うんそうだね、とか、ごめんなさいとか謝るんだけど、そういうのってけっこうカチンとくるっていうか、イライラするんだよね。なんで謝るの?何も悪いことしてないじゃない!ってまた、わたしが怒鳴る感じ

ママはひとつ大きなため息をつきました。

敏感すぎる子に対する基本的な対処法とは


子ども同士のやり取りや先生のひと言などをずっと心にとどめて気にする子は少なくありません。少しいつもとは違う予定や行事が入ると数日前から緊張してしまう子もいます。親から見ると「え、そんなことで?」と子どもの敏感すぎる反応に、最初は「大丈夫よ」と励ましますが日常的に起きてくると今度は「もういい加減にしてよ」とウンザリすることもあるでしょう。

実際に彼女は、度重なる「どうしよう」という子どもの言葉に苛立ちを覚えるようになった、と口にしています。

敏感な子どもはそれこそ親の態度も気にしています。不安なところへ親がよけいに不安な顔をしたり、逆に苛立つ様子を見せるとますます「どうしよう」がふくらみます。

神経質だったり不安を抱えやすい子に対しては、親が次のようなことに注意してあげるといいですね。

・おおらかに見守りましょう
・子どもの話をきちんと聞いてあげましょう
・その気持ち「わかるよ」と安心させてあげましょう

しかし、正直なところ、子どもの気持ちに常に共感できるわけではありません。なぜ?どうして?と子どもの気持ちがわからないまま、でも「寄り添いましょう」「子どもの気持ちになって考えてみましょう」というアドバイスを親は一生懸命行おうとします。

子どもはそんな母親の態度も「なんかママ、本当は怒ってるのにそうじゃないフリしてるのかも」と考えてしまいます。

敏感な子どもは察しが良すぎて、考えすぎてしまうのかもしれません。それでも「大丈夫、ママはここにいるよ」と伝え続けるのは大切なことです。わかってもらえなくても「離れることはない」一番近くにいることを知れば子どもは安心します。いつだって親は子どもに言葉と態度で「あなたを見守っているよ」と示すことが必要なんですね。

子どもの性格をそのまま受け止められるようになって


結局、N美ちゃんは小1の終わりから小3くらいが最もひどい時期でした。そんな時に助けになったのがお姑さんでした。

姑が遊びに来た時、ちょうど娘がまた「どうしよう病」になっていて、わたしがイライラしていたら、姑がのんびりと「N美ちゃん、わかるわ」「うちの子もそうだった」って言うわけよ

実は夫も幼少期にそんなところがあった、というわけです。相手が何を考えているかを常に考えてしまう、これを言ったらどう思うかと考えているから言葉がなかなか出てこない。少し相手が不機嫌な雰囲気とわかると、言いたかったことも飲み込み、相手が望んでいそうな言葉を探してしまう。よく周囲から言葉が遅いと言われたとお姑さんは話しました。

血は争えないわねぇと微笑んでる姑に当時はわたしもイラっとしたもんよ。でも姑がわたしに説明してくれたの。とても優しい子でとても思いやりがある子なんだって。あなたのようにしっかりしたタイプから見るとイライラするかもしれないけど、とても深く考えているってことは決して悪いことじゃないと思う。優しくて思いやりのある子なんだと思うわ、と

加えてママの実母はストレートにアドバイスしました。

がさつなあんたじゃなく、優しいKさん(夫)に似たんでしょ。神経質だと決めつけると子どもも神経質なんだ、と悪いことに思っちゃうだろうから、あんたとは違う性格なんだと思うことね

ママも「こういう性格なんだ」とN美ちゃんを受け止められるようになると、少しずつ「心配性」はおさまったように見えました。学校生活や友人との関わりの中で何度も「どうしよう」を繰り返しながら、かなりのスローペースですが、多少なりともやり過ごす術を覚えたようでした。
ママの言葉を借りると「ものすごい感度のよすぎるアンテナ」で、頭の上でくるくる回りながら周囲の声を拾い上げては自分のことかも?と悩んでいたN美ちゃんが、「アンテナを出したり、ひっこめたりするようになった」のがちょうど中学生から高校生の頃でした。

スローペースでも自分なりに歩き出す


ただ、最終的に何かと不安になる、心配になるところは変わらず、たとえば修学旅行前など荷物を数日前から何度も中身を確認したり、仲良しの子たちが「校庭で集まって話してたんだけど、わたしのこと何か言ってるのかな」と気に病むところは変わらなかったようです。

当然ながら高校受験は親にとって不安の種でした。勉強はできるほうでしたが、あの調子では本番は緊張で力が出し切れないだろう、入学したところで競争の激しいところでやっていけるだろうか。共学の方がいいのか、似たような子が多そうな女子校を探したほうがいいのか。

ところが大人しいと思ったN美ちゃんは、案外あっさりと「わたし、農業高校へ行きたい」と言い出しました。さぁこれまたビックリです。農業高校が悪いわけではありませんが、選択肢として全く考えていませんでした。
「植物や生物を育てるのが好き」というN美ちゃんの希望を最終的に両親は尊重します。そうして今、彼女は農業高校に通っています。将来はバラ園を作りたい、バラ苗の生産業者になるのが夢で今は近くのプラントナーサリーでバイトもしています。

個性にあった「生きやすい方法」を自ら見つける日がくるよう

わが子だからって自分とそっくりの性格とは限らないのよね。思えば産まれた時からよく泣く子だった。ちょっと暑くても寒くても泣いたし、旅行へ行くと寝付きが悪くなった。友だち関係だけでなく、すべてにおいてナーバスなところがあったのね

鋭敏なアンテナを持って生まれたN美ちゃんは、保育園・幼稚園・小学校と子ども社会の中でアンテナからどんどん流れてくる情報に「どうしようどうしよう」と思い、自分が周囲からどう思われているかばかりが気になり、嫌われるのが怖いから常に安全策をとりたくて「前もって準備したい、そうしないと不安になる」ことばかりだったのです。

N美ちゃんにママが聞いてみてくれましたが、本人は今でもいろいろと気になっているそうです。たとえば、栽培記録を発表するときはやはり前日から眠れないし、緊張すると声が震えてしまうそう。クラスに仲良しの子はいますが、「N美ちゃんはカラオケとか嫌いでしょ」と言われ誘ってもらえなかったときも夜通し悩んだそうです。

でも小学生のときとは少し違う。まず人はどう思ってるかを察知するアンテナを常にはりめぐらすのをやめるようになったこと。人がどう思ってるかはやっぱり気になるけど、自分は植物栽培という好きなことがあって、それが気持ちを癒してくれること。考えすぎない方法=他に夢中になることを見つけて、少しずつ「自分をうまくコントロールする」ことを身につけたようです。

正直、すごく繊細な子って、言い方悪いけど育てづらいの。大変なのよ。おとなしい子は手がかからなくていいわねって言われるけどそうじゃないのよ

クラスに乱暴な子がいてね、そのママときたら、やんちゃで元気が良すぎる子なのって言うわけ。いいように解釈したもんだなぁと思ったけど、そういう考えこそウチには必要なのかもって気づいたのね。敏感で繊細な子も違う方向から見れば、洞察力があって細やかな気配りができる子なんだから、いいじゃないかって

今だに娘のことはよくわからない。だって家でさ、いろんな植物育ててるんだけどベランダで花に話しかけてるのよ。水やりながらさ。そういうのわたしには考えられないの。でもまぁそれも個性だし、個性にあった生き方がどうにかこうにかできそうなら充分だと思うようにしている

繊細な子は、細やかな神経をもっている、とても優しい子なのです。その優しさが生きていく上で「ハードル」になるのではと思うかもしれませんが、傷つき失敗をしながら、きっと子どもは何かしら自分なりの「対処法」を見つけていきます。用意されたものではなく、自ら見つけた対処法こそ、生涯にわたって子どもを支えていく力となるに違いありません。

親はそばで見守りながら、本当に危険だなと思ったり、大人のアドバイスや指示が必要だなと思ったらしっかりとフォローしてあげましょう。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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