2021.01.03
子どもの「反抗期」があってもなくても心配しなくていい!その理由を先輩ママが体験から語る
最初の関門は2歳児の「イヤイヤ期」でしょうか。3歳児、5歳児、小1、小4、中学2年……書いてみて唖然としましたが、ほとんど数年おきに反抗期のタイミングがやってきそうではありませんか! 「しょうがないわよ、反抗期なんだから」こんな言葉もよく耳にします。ところが、反抗期がないという悩みもまた、けっこう多いんですね。
反抗期に参ってる?イライラを「表に出せる子」は安心
よく反抗期は、親からの自立、自我の目覚めとも言われます。ですが、親からすれば、理由なんて正直どうでもいい。言うことを聞いてほしいし、言う通りにして欲しい。小さい子の反抗期では、特に親が怒ってしまった後に激しく落ち込みます。なんであんなに大人げなく怒鳴り返したのだろう、そう悩む事も多いでしょう。
私も3歳の子ども相手にテーブルをドンッと叩いてビビらせた挙げ句に「そんなにイヤなら食べなくて結構!」と皿ごと、シンクにがしゃーんと投げるという暴挙に出た過去、ありました……。
「あるある」反抗期、今あなたのお子さんはどの辺りにいるでしょうか?
歯磨きをしようとすると「何かに襲われているかのように」大声で叫びながら逃げ出す!(2歳児のママ・Tさん)
「絵本を片づけて」というと「今読んでるのッ」、「ブロックを箱に戻して」「遊ぶのッ」ああ言えばこう言う。しまいには怒鳴りつける。泣き出す。大泣きして廊下に逃げる子を見ると、一気に落ち込む……(5歳児のママ・Sさん)
さっきはピンクの靴下と言ってたのに、いざ出かけようとすると「白じゃないとイヤっ」とガンとして言うことを聞かない。反抗期とわかっていても、つい手をあげそうになる(5歳児のママ・Oさん)
これが小学校に入ってくると・・・
「宿題やったの?」「やろうとしてるところ!」「ゲームは30分って約束でしょ」「いつ何時何分何十秒に約束したっけ」と言い返された時には(私も同じ事を母親に言ったような……)と、時は繰り返され、仕返しされてる気分に陥った(小1のママ・Fさん)
とりあえず、何を言ってもまず「口答え」してくる。(小4のママ・Kさん)
そうしてやがて中学生にもなると、「うぜー」のひと言で会話が終わってしまいます。この位の年齢の反抗期は、親の方もかすかに(自分も親がイヤでイヤで仕方ないときがあったっけ)と記憶が残っていますし、「そういう年頃だからなぁ」とも冷静に思える反面、反抗の度合いもかなり激しい場合があるので精神的に参ってしまうママもいます。
いずれにしても、反抗期は子どもなりの「イライラ」が表に噴出している状態。いわば「活火山」なんですね。自分で処理しきれていないイラつき、表現できない葛藤を、「イライラ」という形で表に出せるのは悪い事ではありません。ためこんだイライラは、まず家庭の、そして一番身近な親にぶつけてくるのは、逆にいえば、健康的です。
・幼児期~小学校低学年
この頃の子どもの反抗期は、深い意味がありません。まだまだこの時期は「反抗する方法を探している」状態です。イライラや焦り、コントロールできない気持ちの表し方を試している状況とでもいいましょうか。ですから、なるべく親も軽くスルーするのが一番です。よくよくわが子を見てあげて下さい。まだまだ小さい!「おお、一人前の口きくようになっちゃって」ぐらいの余裕を持ちたいところです。
・小学校中学年
この年齢になれば「話せばわかるはず」と思うところですが、その「親が理解しているような態度をとる」事さえも気に食わない年頃なんですね。あまり理詰めで追い詰めるよりは、「これは絶対にダメ」という許されないラインを踏みそうになっていない限りは、なるべくおおらかに受け止めていきましょう。
というのが、「反抗期の対処法」アドバイスとして模範解答かな、と思います。が、現実はそう簡単ではありません。
例えば母が「反抗」したっていいんです!
親子喧嘩は、悪いことばかりではありません。確かに気分は悪い。私は息子の中学時代の反抗期には、私の方が家出してやる!と思った事がありましたし、実際に家出はしなかったものの「そのまま出かけて朝まで飲んで」逆に夫に叱られるという不本意な結末を迎えた日もありました。
いくら「大きく構えてわが子を受け止めよう」と言われたところで、実際に「ママって最低~」「うるせーな」の連続では、腹が立たない方がおかしい。心を落ち着けて、よく言われる「10秒ルール」ですか? 10秒数えて深呼吸してから相手する。別の部屋に行って、とりあえず一旦気持ちを抑えてみる。こういうトライはしてみるべきだけど、それにしても「限界」と思ったら、
「はぁ、そうですかッ。ママもいい加減頭にきたしッ」
怒鳴り返したっていいのでは? というより、実際に私も何度も爆発しました。活火山どころか、大噴火ですよ。1度なんて、育児書には「もっともやってはいけない母の行動」とされる「モノを投げて鬱憤をはらし」「あんた、ひとりで育ったつもりなわけ?」と禁句を発し、「ロクな大人になりゃしないんだから」とわが子に否定的な意見を浴びせかけました。その後の、しばらくたってからの私の「激しい落ち込みと反省」も後の祭り。
大人対応は当然です。ですが、親も人間ですから、たまに爆発したって仕方ありません。子どもがそれほど反抗しているのに、ずっと「おおらかに構えている」なんて、よく考えてみたら不自然です。不自然な事を続けたら、「ゆがみ」が出ます。
抑制できるうちは理性と母性で反抗の相手をしましょう。でも、たまに「やっちまった!」でも大丈夫。例え5歳の子どもでも、ママも本気で怒ってる。そして、ちょっと落ち着いたら、子ども相手ではなく1対1の会話として「○ちゃんがイヤイヤばっかり言うから、ママもイヤイヤって気分になっちゃって怒鳴っちゃったよ!」ストレートに子どもに語りかけてみたらどうでしょう。3歳だって5歳だって、意味がわからなくてもママの「怒りたくなかったのに、怒っちゃった残念な気持ち」を鏡のように映して察してくれるはずです。
「反抗期がない」親の悩みだってある
ところで、反抗期の対策だとか、親がとるべき行動とかはネットでも育児書でもよく見かけます。ただ、中には「うちの子、反抗期っぽいのがないんだけど」と逆に不安になるママたちもいます。
少数派かもしれませんが、子どもの気質によっては小さいうちから「ものわかりの良いタイプ」がいます。また、反抗的な感情が、見てわかりやすい態度に出ないだけの場合もあるでしょう。本人なりには「反抗している」というケースもけっこうあります。
反抗期がないからといって、「大人になって反抗されたら困る」と心配しなくても大丈夫です。反抗期なかったな?と思ったまま成長し、ずっと親子で仲がいい、というファミリーも知っています。その家族の育て方に秘訣があるのかもしれませんが、同じようにしたからといって、どこの家庭の子も「反抗せずに、親と適度な距離感を持てる」わけでもないでしょう。
それは100人の子どもには100人の個性があり、その親100人も、100人違う性格を持っているからです。その個性のひとつとして「親に反抗しない」という性質もあります。
「生まれてきてくれてありがとう」反抗期の後に必ずその日がきます
反抗期のど真ん中は、本当に面倒だし、厄介です。2歳児のイヤイヤは精神的なだけでなく、追いかけ回し、ひっつかまえる体力的な疲れもあります。ですが、どの反抗期も休みなく一生続くわけではありません。
反抗期というトンネルは、必ず抜け出せる日がきます。幼児期の反抗期は、「あれ、いつの間にかイヤイヤしなくなったかも」とふっと親に余裕が出た瞬間に見えてくるもの。小学生や中学生の反抗期は、かなりキツいものですが、これもまた、「振り返ってみると、たかだか1年なかったな」と思い出します。「反抗期」はまさに「期間」です。つまり抜け出せる、ゴールがあるものなのだから、どうか「ダメな親かも」と悩まないで下さいね。
ひとつ、最後に優しい話題を。
長男は5歳ぐらいの時、それから小4、そして中学に加えて高校2年でも「反抗期」と思われる激しい闘いが親子でありました。その彼が社会人になった時、
「ママに」
と給料でお財布をプレゼントしてくれた時、ありがとうもなかったけれど、ただ一言「ママに」と言いながらプレゼントをくれた時に、私は泣き出しそうでした。
「ママに」
私に、息子がそう言って渡してくれた瞬間に、親なんてこんな小さな一瞬で子どもの全てが「良い思い出」になってしまうのだと思いました。親って、なんて甘いのでしょう。でもあなたにも、同じ瞬間が、違うタイミングで違う形かもしれませんが、必ず来ます。
生まれてきてくれてありがとう。
病院でたぶん、最初に母親が思ったその言葉を、必ず又、母親というのは、何度も何度も実感するのです。それは今ではないかもしれない。ずっと先かもしれない。私のように皿を放り投げ、怒鳴りつけてしまう時だってあるかもしれない。
でも、必ず、再び、そして何度も、生まれてきてくれてありがとう、そう思う瞬間がきますから。
だから自信をもって、働くお母さんをやりましょう!
※この記事は2016年11月に公開されたものです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。