2022.08.17
保育園連絡帳にウンザリしているママへ、先輩ママがしてあげればよかったと感じた後悔とは?
少し前の話なんですが、今もずっとノドにささった小骨みたいにズキンとしていることがあるんです・・・。グループで飲んでいたのですが、まだ保育園児がいるママが数人いて「保育園さまさまだよね~」「ほんと足向けて寝られないよ」みたいな話題になりました。二次会も終わり、解散してからひとりのママに誘われてもう1軒付き合ってみたら、彼女は肩をすくめながら
「ウチ、2人目は10ヶ月で保育園入れたんだけど。正直、ちょっと、なんでこんな面倒くさいの!って保育園にウンザリ、疲れちゃって」
こう言ったのです。
保育園連絡帳にウンザリ・・・
彼女は長男を産み1年2ヶ月で職場復帰、子供は近所にいた実母に預け、3歳からは延長保育つきの幼稚園に入れていました。その後、少し歳が離れて下の子を出産、この時、既に実母は亡くなっていました。
仕事の関係上育休を早めに切り上げざるを得ず、下の子は10ヶ月から保育園に預けることに決め、かなりリサーチして納得した園を選んだのですが。
保育園の連絡帳どーしてあんなに書くことがあるの!? 毎朝検温だし、就寝時間に起床時間、排便でしょ。離乳食の献立も書くのよ!柔らかご飯80グラムとかさ、ミルクの量とかさ、いちいちはかってられないわよ!
検温がまず大変なのよ。ウチ、すごいイヤがって毎日ギャン泣き。それから保育園に入れてから夜泣きがすごくなって、毎晩グッタリ
連絡帳には子どもの様子みたいなメモ欄もあるでしょ、けっこう大きなスペースだけど毎日書くことなんてないよ!
会社の昼休み、帰宅時と常に今日は何を書いたらいいんだろうと考えてしまう、疲れ果てて離乳食面倒だから味噌汁おじやでいいや、と思うけど連絡帳に書くことを考えると「軟飯・ほうれん草を出汁で煮て、豆腐ハンバーグ」くらいは作らないと・・・どんどん面倒なことが増えていくんだよね、と。
連絡帳を放り投げたこともあるわ、と、彼女は言いました。
保育園の愚痴をこぼしたら冷たい視線にさらされて
ところで、彼女の話はそれで終わりませんでした。
ちょっと忙しくて忘れていたら、爪切りを必ずして下さいって言われちゃったし
延長保育に5分遅れただけで先生に思いっきりイヤな顔されるし
後追いの時期のせいか、園に着くと泣きわめくんだけど、先生はお母さんが未練がましい態度をとると余計に泣きますからって私に説教するのよ!
ほとほと「保育園疲れ」していた彼女は、つい
「忙しいから預けるのが保育園なのに、大変すぎ! もっと先生とか優しくしてくれてもいいのに」
とポロっと口にしてしまった。ところがうなずいてくれると思っていた同じ園のママ友から冷たい視線を食らったというわけです。でも、私も聞きながら(保育園入れない人だっているのにそこまで言うのはなぁ)と実は思っていました。
爪切りは医療行為とみなして園で行わないところもありますから、方針に従うしかありません。ハイハイや伝い歩きする10ヶ月の子が爪で誰かをひっかいたりしたら、それこそ大変でしょうから親が気配りしないと迷惑をかけてしまうかもしれません。1歳未満の子どもを預けている以上、保育園側として昨日何を食べて、どれくらい寝て、ウンチは出ているのか、も、情報として必要でしょう。園を嫌がる子をグイグイ連れていくのも、正直珍しい話ではありません。
離乳食に関しては何もそんなミエをはらなくてもいいのでは、そもそも連絡帳に書くために作っているわけじゃないんだし・・・と心の片隅でつぶやいていました。
まして連絡帳なんてノート1枚分、幼い子どもを預けているのですから書いて当然「面倒くさいとか言うか」と思ったのは事実です。
偉そうに説教をしてしまったこと
まだ手のかかる上の子もいて、共働きで夫は「頑張ってる、けど、正直本当に助かるっていうことをやってくれない」そんな状況で、しかも上の子の時は実母に預けられて恵まれた環境を経験している彼女からしたら、きっと保育園ってこんな面倒なわけ?とビックリもしたでしょう。
でも私はその時、「それってさ~、母親として当然のことじゃないの」と言いました。保育園の連絡帳を書くことは、やはり親のつとめです。やって当然だし、園側としては預かった子どもを健やかに正しく見守るために必要な情報だよね、と。
彼女は私の顔を見て小さなため息をついただけで、もういいわ、と言ってビールを飲み干しました。少し気まずい雰囲気のまま、別れました。
翌日、彼女との会話を振り返りつつ、私の子どもはすでに手がかからないほど成長していて、ごく幼い頃の大変だった記憶はすっかり薄らいでしまっているのだと気づきました。思わず吐き出していた彼女の愚痴を、
「うん、大変だよね」
共感する、あるいは共有して「そうか、それってかなり大変そうだね」と肯定する言葉が浮かばなかった。それどころか「それってさ」と偉そうに指摘する自分がいたことに「子育てって、その真っ最中にしかわからないことがある、過ぎてしまえば忘れてしまうことの方が多い」と改めて思いました。
ママ友の愚痴を受け止めてあげれば良かった
保育園の連絡帳、あなたはどうでしょうか?
子どもの様子を書く欄を前に(むぅ~、もうなんか書くことないし)と思ったことはありませんか。
3人の子を持つ、別の友人が私にこう言いました。
連絡帳? もはやテンプレート化してて内容もループ状態。それに保育園だって離乳食の欄とかね、全部正直に書いてないかもね、くらいには思ってるわよ。あたし、たまに盛って書いてるもん! でもそこ、見抜いてるよね、先生もね
それはもう3人も育て、保育園に入れて、共働きをやり過ごしながらベテランの域に入っているママだからこそ「いいのよ、そこまで真剣にきっちり書かなくても。3人目は大事なことだったら先生に直接口にして伝えたもん」・・・それが出来たのは経験があったからこそ、です。
初めての保育園。やっぱり、わからないこともあるし、完璧をめざして一生懸命に連絡帳を書きもするでしょう。もともと「書く」ことが得意だったり苦にならない人もいれば、その逆に文章を考えるのが面倒という人もいるでしょうし、保育園との対応が苦手でうまくできないママがいたって当たり前なんですよね。
誰にでも得手不得手があります。子どもを育てる時に「これ嫌い」とか言っていられないけれど、言うべき相手さえ間違えなければ、口にしていいはず。私の友だちは保育園に対してはひと言も文句を言ったわけではなく、ただ、長年の友だちに聞いて欲しいプチ・ワガママな愚痴をもらしただけだったんですね。
あの時、「ちょっとキツイこと言ったけどさ、私も同じ立場だったら〝面倒くさ~、大変~〟って叫んでるよ~」そんな風に彼女の気持ちに寄り添うように、最後に簡単なひと言だけでも口にしていればよかった。
今さらだけど「どうしてる? この前は言い過ぎたかも」ひと言メールしたれ!と思うと同時に、働くママ同士の愚痴は本当に同じ環境にないと、なかなかパッと共感して、相手を思いやる言葉が出ないものだなぁ・・・と思ったりの、それでズキンズキンと痛みを抱えつつ反省中の私です。
※この記事は2018年6月に公開されたものです。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。