2015.07.08
教えて先輩! ワーママ人生、どう歩んだ?〜後編〜
現在大学2年のご長男と高校2年のご長女がいる出版社勤務のワーママTさんのお話の後編。今小さい子どもを育てながら働いているママにとっては、心強い存在の先輩ワーママ。
前編ではまさに子育てまっ最中の苦労話をうかがいました。後編では仕事を辞めずに続けられた理由や、働いていてよかったことをうかがいます!
辞めたいと思ったことある?
仕事を辞めたいと思ったことは数えきれないほどありました(今でもたまに発作的に感じたり…)。理由は仕事関係、子ども関係、さまざまですが。
具体的には、子どもが具合悪くて寝込んだり平日の学校行事があるときに、どうしても仕事に行かなくてはならないときですね。子どもを第一に考えなくてはいけないのにそれができない、それが大きなストレスでした。辞めればそんなストレスなくなる! と何度思ったことか。
あとは、全員残業しているのに自分だけ先に帰らなくてはいけない罪悪感に押しつぶされそうになったときですね。同僚はなにも言わないけれど、なんとなく「もう帰れていいよね」と言われている気がして…。でもそれは、働いているママなら誰でも感じてしまうことなんじゃないかなと思います。
一番辞めたいと思ったのが、退社と同時にダッシュで保育園閉園ぎりぎりに子どものお迎え、やっと家についてそこから子どもを寝かすまでの家事全般作業がかなりきつかったことですね。子どもがぐずったりして思うように進まずイライラMAX、思わず子どもに八つ当たりする自分が本当に嫌でした。
こんなに時間にせかされながら子どもと接さなくちゃならないくらいなら、仕事辞めたほうがもっと余裕を持って子どもとの時間を過ごせるのに! と何度思ったことか。
別に自分の時間がほしいとか、やりたいこと・したいこと(買い物や習い事)をする時間がない! というわけではないんです。とにかく時間に追われまくる自分が嫌で辞めたかったですね。
なぜ辞めなかったの?
なぜ辞めなかったかと改めて振り返ると、正直よくわからないです。とにかく嵐のような勢いで仕事・家事・育児をこなしていました。辞める選択肢を考えるより、目の前のことをこなすのに必死だったのかもしれません。
ただひとつ思うのは、まわりの人(家族やママ友)が助けてくれたから続けられたということ。
保育園で一緒だったママ友が、お迎えが間に合わないときに一緒に引き取ってくれたり、休日出勤のときは預かってくれたり。それに全員ワーキングマザーで同じような境遇なので、愚痴を吐き出しても全部分かってくれる。本当に助けられ、支えられました。苦楽を共にしたこともあり、今でも交流がありますよ。
仕事や育児のストレスをあまりため込まないで済んだのは、彼女たちのおかげと言っても過言ではないですね。
やはり働いていてよかった! と思うこと
長男が思春期まっただ中のとき、複雑な気持ちをくみ取れずもめたり、細かいことのやりとりで煮詰まったりした時期がありました。そんなとき、仕事の現場にいると業務に集中することによって頭を切り替えて冷静になれたり、違う視点で物事を考えたりできましたね。
家庭から離れて仕事をすることで自然とスイッチを切り替えられ、母ではなく一社会人としていろいろな立場からの見方ができるので、煮詰まった自分を救ってくれました。
また、仕事や保育園を通じて築いた人とのつながりが、子育てがほぼ終盤にさしかかった今でも続いている。働いていなければなかった貴重な出会いだったと思います。
もうひとつは、経済面の恩恵はやっぱり捨てがたい「よかった!」と思えることですね。子どもが行きたい中学~大学の学費や習い事の月謝などを相談された場合に経済的余裕があると、ある程度までは制約せずに子どもの背中を押してあげられます。
子どもの学費や塾のお金のために働いてる、ということも自分のモチベーションを高める要因でした。
「苦労は絶えなかったですが、やっぱり続けてよかった」と笑顔で語ってくれたTさん。
何度も辞めようと思う気持ちを乗り越え、仕事を続けたことでメンタルも鍛えられ、そのたびに相談した家族やママ友との絆も強くなったそう。野球一筋だったご長男はキャンパスライフを謳歌し、ご長女は体育会系ボート部で部活一色の生活、「そろそろ2人とも私の元を離れていきつつありますね」と少し寂しそうでもありましたが…
働いているからこそ…
これから復職するママ、復職したばかりで頑張っているママ、今ちょっとくじけそうになっているママ、この記事で勇気づけられたのでは。先輩ママもみんなもがきながら続けてきたんですね。つらいことも多々ありますが、子育てしながら働いているからこそ味わえる楽しさや素敵な出会いもたくさんあります!
これから長く続けていくためにも、どうか実り豊かなワーママライフを!
田崎美穂子
mamaライター