2015.07.16
小さな工夫で子連れ出勤〜Sow Experience<中編>〜
ママがイキイキ働く Smile Place
前回からスタートした、ママがイキイキと働けるように…そんな思いで作られた「場所」をめぐるシリーズ。
第1回は子連れ出勤を実現、推奨しているSow Experience。
前回は、子連れ制度を実施したきっかけや、この制度を聞き入社した方のお話を紹介しました。しかし、この制度を利用しているのは子を持つ親、社員全員がこの制度を快く思っているとは限りません。 その辺はどんな対応をしているのでしょうか? そこには意外な結果と、社員の本音に迫った工夫がされていました。
子連れ出勤に関するアンケートを実施
一時期はだいたい5〜6人ほどの子どもがいたというオフィスですが、この4月から保育園に入れた子どもたちがいるため、現在は、シフト制で週に2〜3日勤務のお母さんが連れてくるたまちゃんともうひとりの2人になりました。
会社のメンバーも子連れ出勤を始めた時の10名から、30名ほどに増えています。
まさに「よってたかって」の子育てができる状況なわけです。
しかし、気になるのは、人数が増えれば増えるほど考えが違う人がいるということ。子連れ出勤に対しても、手放しで「さんせい!」という人ばかりではないかもしれません。
そこで、社員全員にアンケートを実施したそうです。子どもを連れてくるママ側、受け入れる社員側、それぞれに「子連れ出勤」について質問を投げかけました。
ママたちには「実際子連れ出勤をしてみてどうか」「会社の環境はどうか」「子連れ出勤を続けたいか。続けるとすると何歳までか」「欲しい設備はあるか」といったことから、「ママや子どもたちでやってみたいアイデアは」といったことまで、子どもを育てる環境として会社がどうなのか?の視点で質問がされました。
また、受け入れ側には、「取り組みをどう思うか」「業務に支障がでたことがあるか」「泣き声はどれくらい気になるか」「ママたちに変えて欲しいことはあるか」と、かなりリアルに仕事をする環境として子どもがいることはどうなのか?と質問がなされました。
大家族で育てるカンジ
気になる結果はどうだったのでしょうか。
代表の西村さん曰く「みんなポジティブに捉えてくれていました。大変なのは大前提で、でもそれを楽しもうという感じですね。泣き声もBGM。静かだと逆に落ち着かないですよ(笑)」
アンケートを実施したのは、保育園に入れるこの4月まで子どもを連れて出勤し、現在2人目を妊娠中、間も無く育休を取る予定の中井裕子さんです。
1人目の時は、フルで育休を取りましたが、今回は早めに育休から復帰する予定だといいます。それも、子連れ出勤制度があるからできることです。
普段から仲の良い社員同士だけれども、本音を確認することで、ママも他の社員たちも気持ち良く働くことができる。中井さんのアンケートのおかげで、ますますお互いの理解が進んだのではないでしょうか。
男性ながら自分でも時々子連れ出勤を体験している関口さんは「グズったとき、ママでなくとも誰かがなんとかします。大家族で育てる感じですね。昔は家も大家族だったし、地域で子育てをしていたでしょ。それがなくなってきた時代ですから、会社というコミュニティーで育てるのもアリだと思いますよ」といいます。
ただ、他のママさんも同様ですが、ずっと会社で育てることが一番いいのだとも思っていないようです。
子どもには子ども同士のコミュニティーも必要。
そう考えているからか、みなさん保育園に入れる状況になれば、子どもを保育園に預けています。
小さくても、日々学ぶことがある
お子さんのいない特に男性社員はどう思っているのでしょうか。
入社したときにはすでにこの制度があったという湯本さんは26歳・独身です。
面接の時に、子連れ出勤に関しての説明はなかったそうですが、初出社の時こそちょっと驚いたものの、すぐに慣れたといいます。
いまでは「集中力がなくなってきたときとか、気晴らしにあやしに行きます(笑)」と、子どものいる環境を楽しんでいます。
創業メンバーでもある堀さんは32歳・独身、デザインの仕事をしています。デザイナーという職業柄、パソコンを抱えてカフェや自宅で作業することがときどきあります。その自由度から子連れ出勤も気にならない?と思いきや・・・。
「親たちの方が先回りしてとっても小さい工夫をたくさんしてくれていたんです。具体的に聞いたときに『すごい!』と思ったし、ストレスを感じていなかった理由がわかりました」と、事務所で作業をする上での不自由はないといいます。
むしろ「会議とかお客さんが来てとか、その子の親の手を空けなきゃというのを察して預かっています」と、気遣いが自然とでてくるそうです。
「子どもたちとは、小さくても一人の個人としてつきあっています。良い意味で多様性ですよね。日々学ぶことがあります。」
会社というさまざまな環境の人間がいるコミュニティーだからこそ、平等に意見を聞き、お互いを理解し自然に助け合っていくことが大事になっていくんですね。
後編に続きます。