2015.09.14
【我が子が加害者!?】友だちにケガをさせてしまった時どうする?
「加害者」なんて言うと大げさですが、子どもが保育園や学校でお友だちにケガをさせてお迎え時に発覚したり、電話で呼び出しがあったりした経験ありませんか。
私(フリーライター、42歳、子ども11歳、8歳、1歳)の長男が3歳半くらいの時、友だちとおもちゃの取り合いになり、積み木を相手に投げて角が頭に当たってしまい軽いケガをさせてしまったことがありました。
でも、当時の保育園の方針は「ケガをした、させたという事実だけ伝え、(よほどでない限り)ケガをしてしまった子とさせてしまった子の名前は親には伝えない」というものだったので、謝りたくてもケガをさせてしまった子が誰なのか分からず。
理由はどうあれ、ケガをさせる=ショックを与えること、相手のお子さんと親に謝れたなかったことが今でも悔やまれます。以前は伝えていたそうなのですが、親同士でもめるケースも多く、子どもにまで影響を与えてしまったことがあったので、伝えなくなったそうです。
子どもがケガをさせてしまったら…そのときあなたはどうしますか?
好きな女の子の腕を噛む!
〔Nさん、経理、40歳、子ども2歳〕
ある日のお迎え時、いつもなら若い保育士さん1人だけ出てくるのに、なぜかベテランの保育士さんも出てきて2人体勢。
疑問に思っていると、ベテラン保育士さんが言いにくそうに「○○くん(息子)なんですが、2日連続○○ちゃん(仲のいい女の子)の腕を噛んでしまったんです。軽く噛む感じなのですが、けっこう泣いてしまって…」と。
もう鼻血が出るほど驚きました。
割とおとなしい性格ですし、まして家で親を噛むなんてことは一度もなかったのですが、さすがに「家の子に限ってそんなことはない!」なんて言えません。
ともかく女の子のお母さんの連絡先を教えてもらい(親同士ほとんど関わりがなかったので)、その日の夜に電話をかけ、ひたすら平謝り。
でもそのお母さんも「まだ2歳だし、お互い様だし、軽く歯形が付くだけで翌日には治ってるし、どうか気にしないでください」と。
いやいや、歯形付いてるし! とまたまた平謝り…でもこのときばかりはいいお母さんで良かったと思ってしまいました。
まだろくに説明もできない息子。噛む理由を聞いても分かるはずもなく。それに、保育士さんも「まだ2歳なので怒るときは現行犯で怒らないと意味がありません。一応叱っておきましたので、家では叱らないであげてください」と言われたので、モヤモヤしながらも私からはそのことは触れずに、園で様子をみてもらうことに。
どうやらその女の子が好きすぎて、スキンシップのように噛み付いていたようです。
1ヶ月ほどで治まりましたが、3日に1回はそのお母さんに電話して謝ってました(笑)今ではそのお母さんとはよく話せる間柄になりましたよ。
なるほど、相手が分かり次第ともかくすぐに謝ること。メールだけで済ませず、直接会うあるいは電話で謝る方がベターです。誠実な態度を見せることはその後の関係のためにも、とても大切なことなのですね。どうしていいか分からない場合は、保育士さんに聞いてみてもいいかも。
家族ぐるみで仲良くしていた相手に!
〔Oさん、営業、子ども11歳、5歳〕
長女が8歳(小学校2年生)の時、同じクラスの男の子を突き飛ばし、そのはずみで男の子は校庭の溝で膝を打ち、3針も縫うケガを負わせてしまったのです。
職場で学校からその連絡を受けた私はもう真っ青!!しかもその男の子のお母さんとは1年生の時からクラスも学童も一緒で意気投合し、たまにお互いの家を行き来していた仲でした。
すぐさま相手のママにお詫びメールを入れ、大事に至っていないことを祈りながら、早退してお詫びの品を買い、学童で娘をピックアップして事情を聞きました。
どうやら、何人かで鬼ごっこをしていて、男の子がふざけて娘を挑発したはずみに押してしまったそう。
しょんぼり反省しきりの娘の言うことを信じ、「分かったよ、大丈夫。でも、縫うようなケガをさせてしまったのだから、ちゃんと謝りに行こうね」と決して怒らないよう、じっくり諭すように伝えました。
その夜お家まで謝りに行ったときも、男の子が娘と同じことを言ってくれたし、相手のママも「はずみだったんだし、もう気にしないで」と。
一時はどうなることかとかなり凹みましたが、なんとか無事に収束しました。
傷を縫うケガをしたので、一応事情を聞くということで、翌日学校側から呼び出され、担任の先生と相手親子と私たち親子で話し合うことに。
前日にひたすら謝って話し合ったので、そのときは全員で落ち着いて話すことができましたね。
そして今、何事もなかったように仲良くできているのは、あの時「こんなことがあったけど、どうか許してほしい。二度とこんなことがないよう、子どもに言い聞かせるので、これからも親子とも仲良くしていきたい」という気持ちが伝わったからかもしれません。
もちろん、相手のママの懐の広さに感謝しています。
日頃から仲良くしていた相手だと、なおさら焦りますよね。つい「今後仲良くできなかったらどうしよう」なんて考えがよぎってしまいます。この場合は直接会って、親子で顔を見て話すことが一番だと思うのです。
ケガをさせてしまった本人も…
ケガをさせられた子はもちろん、ケガをさせてしまった本人も心のダメージは相当大きい気がします。
我が長男の場合、ケガをさせてしまった子は翌朝もケロッと登園していましたが、させた本人は朝からドヨーン(笑)日中も相手の目を見ることすらできなかったそうです。
「相手にケガをさせてしまった」と聞いたとき、親は本当にショックですよね。
でも、子どもの「ケガした、させた」は、本人同士わざとケガをさせようというつもりは全然ない、あるいははずみで起きてしまうことが意外と多いのです。
まだお話ができない年齢なら現行犯以外では怒らない、もうお話ができる年齢なら話をしっかり聞き、子どもの気持ちに寄り添うことも必要ですが、やはり「ケガをさせてしまった」という事実としっかり向き合い、誠意をもって謝ることが何より大切なのではないかと思います。
田崎美穂子
mamaライター