2015.12.01
【おかずは何品も必要なし!】簡単&時短で体にもいい食事 “粗食スタイル”とは?【前篇】
ワーママにとって毎日手作りの食事を作るのは本当に大変なこと。
お総菜や外食に頼ると、出費もかさむし、心にどこか罪悪感。
小さなこどもを抱えていると、どうにか自分で作ってあげたものを食べさせてあげたい、という気持ちがあります。
けれど子育てもして、仕事もして、家事もして…
正直やることも、考えることも多いのに、時間もない!
毎日あれこれ考えなくて済む、手軽で子どもの身体にもいい食事って結局なに?
そう悩んでいた時、出会ったのが‘03年に発売され、ベストセラーにもなった『粗食のすすめ』。当時ブームにもなったのでご存知のかたも多いはず。
その筆者である幕内秀夫さんの講演を聞く機会があったのですが、それはもう子どもの食事に悩む私たちには、目からウロコな話がたくさんありました!
そこで今回は「幕内式・粗食スタイル」を前後篇にわたってご紹介します。
子どもには“白ごはん”が一番いい!
幕内秀夫さんは伝統食や民間食養法を研究する「フーズ&ヘルス研究所」を主宰されていらっしゃる管理栄養士さんです。
「学校給食と子どもの健康を考える会」代表でもあり、パンを出さずに全食ごはんに!という運動もされています。
10数年以上全国を講演して運動してきた甲斐あって、今では自治体によって「完全ご飯給食化」が進んできているようです。
幕内さんが唱えるのは(主食である)ごはんを中心の和食を食べていればそれでいい。
とにかく主食を基本に考えるのです。
ごはん以外にも主食にはうどんやそば、もちもふくまれますが、メインはやはり白ごはんです。
白ごはんが主食としてベストな理由は
・水分をたくさん含んで食べやすい
・一日3回食べても飽きない
・加工品でない
・どんな野菜にも合い季節感がでる
確かに、言われてみればごはんってスーパーフードですね。ほかにかわるものがありません。
今話題の糖質制限ダイエットなどは、幕内論ではありえないそうです。
あと、和食といっても手の込んだ煮物やおかずではありません。昔から日本人が食べていた日常食
ごはん、みそ汁、漬物(常備食)、お茶
のこと。たしかに、これは粗食ですね!
「健康なからだを作るなら日常食をきちんとすることです。手の込んだおかずを作る暇があったら、みそ汁、漬物、ごはんのわき役にちからを入れてください」
幕内秀夫著「じょうぶな子どもをつくる基本食」より
なんかこれだけで正直ホッとしました!
あれこれ栄養のバランスを考えたり、おかず何にしよう…と毎日苦しんでいた自分が救われました。
おかずを多くつくるならみそ汁にこだわれ!?
でもやっぱりおかずの品数が多いほうが、食卓が豊かに感じますよね。家族にも「え?これだけ?」って思れてしまいそうで。
品数が多い方が良しとされてきた背景には、欧米のスタイルに憧れて見よう見まねで真似てきた結果。
欧米の主食=パンではお腹がいっぱいにならないのでおかずである副食をたくさんとりますが、日本は米が豊かにとれる国。お米だけでも十分おなかいっぱいになるのでおかずは少なくてもOK。それゆえ粗食なのです。
ごはん中心の和食が日本の風土にも私たちの身体にも合っているという事なのでしょうね。
そのかわりみそ汁を質のいいものにすれば、ごはんとみそ汁で身体に必要なものをほとんど補えると幕内さんは唱えます。
具はなんでもかまわないので、季節の野菜をたっぷり入れることと、だし(煮干しやこんぶ、かつお節)をしっかりとって作る。味噌はすこしこだわっていいものを選ぶ。これで十分。
そう言えば、わが家の子どもたちもほかのメニューでは食べない野菜も、お味噌汁に入ってしまえば意外とぺろりと食べてしまいます。
おかずには手軽で便利な常備食を
ご飯とみそ汁まではたどり着きました。
その後の漬けものをはじめとするわき役(常備食)はどうしたらよいのでしょうか?
その前に常備食とは
野菜の常備食=漬けもの
海藻の常備食=のり
豆の常備食=納豆・煮豆
魚の常備食=小魚のつくだ煮やふりかけ
これらは日持ちがして、なおかつ味が落ちない。そしてご飯とみそ汁以外の足りていない野菜、豆、海藻、魚なども補えるのです。
幕内さんはこれらを週末に作り置いて冷凍しておけば、常時は作らなくて済むし、もし作る暇がなければコンビニにも100円ショップにも売ってあるので、そこからでも始めたらいい、とおっしゃってました。
たしかに。常備食というのは正直なじみがなかったのでが、よく考えたら実家の冷蔵庫にはいろいろありましたね。
これらをあれこれ小皿にのせておくだけで、確かに品数が増えた気にもなるし、トッピングとしてごはんのお供を自由に楽しめるのでいいかも!
これはすぐにとりいれられそうです。
自分たちが小さかった頃の食生活
考えてみたら、自分たちが小さかった頃、今みたいに食事のジャンルやメニューもこんなにありませんでした。
基本はごはん中心の和食で、そこにうどんやそば、時々スパゲティーやハンバーグ、オムライスやカレーなどの洋食系があるぐらい。
今や中華、イタリアン、フレンチ、韓国、タイ、インド、エスニック…どんどんジャンルも細分化され、日常にも当たり前のように食卓に並んでいます。
幕内さんは講演でおっしゃいました。
「子どもは『生きる』ために食べますが、大人は『快楽のため』に食べるのです」
これは確かに納得です。子どもは外で元気いっぱい遊べばお腹がすいて、とにかくおにぎりでも何でもペロリとたべてしまいます。
大人はあれが食べたい、これが食べたいと、その日の気分でより好みしてしまいます。これに付き合わせてしまってはいけないのですね。
おかずやメニューにあれこれ振り回されるなら、炊きたてのご飯とおだしの効いた季節のみそ汁と旬の魚。これで十分!
選ぶ楽しみが増えた分、それを毎日変えないと飽きてしまう自分=毎日悩みながら作らなければならない苦しみができてしまったのではないでしょうか?
もちろん、週末や時間のある日は和食以外を楽しむのもありですね。それもまた週末の楽しみ、みたいになって良いかもしれません。
講演でも「パンやラーメン、パスタやピザなどカタカナの主食は日曜日に」とおっしゃっていました。
では後半はいよいよ幕内式の実践編をお伝えしますね!
また幕内さんのフェイスブックには毎日のおいしそうな和定食な食事がアップされていますよ。よろしければごらんください。
飯田りえ
編集者/ライター