2016.09.15
子どもだってある!「人間関係」で悩んだときに読ませたい絵本3選
赤ちゃんのお世話期が終わり、イヤイヤ期を経て、着がえる、食事をとる、靴を履く、など一人でいろいろできるようになり、少し落ち着いた頃。また新たな悩みが出て来るなぁと思うのは、4歳から6歳くらいの頃ではないでしょうか?
今まで、親や担任の先生など大人の庇護の中で、成長していた子供たちが、大人とは離れたところで、自分の世界、友達関係を築いていく。
その過程で今までにない感情を経験することでしょう。その感情の中には、もちろん嬉しいことだけでなく、不安に感じたり、悲しかったり、悔しかったり。
そういう経験は必要だと分かっていても、子どもが悔しい思いをしていたり、悲しい思いをしている姿を見るのは、親としてもとても苦しいものです。
しかしここで安易にしゃしゃり出てその関係に介入するのではなく、もう少し間接的に何かフォローできること。そういうものってないかなぁと思ったときに「絵本」というのも有効な一つの手だてかもしれません。
そう思い、いくつか図書館で絵本を探した中で、この絵本は今後も一緒に何度も読み返していきたいなぁと思った「子どもが人間関係で悩んだときに読ませたい」絵本を3つ選んでみました。
何度も読みたいオススメの絵本
ともだち
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「ともだちって」
かぜがうつっても へいきだっていってくれるひと
いっしょに かえりたくなるひと
大人になって読んでも、「友達」ってこういうことだよな。って改めて考えさせられる名作。読んでいる人も多いかもしれませんが、やっぱりこの絵本は友達関係を考える中で、折に触れて読み続けたい絵本だなと思います。
友達ってなんだろう、なんで友達が必要なんだろう。友達なのになんでケンカしちゃうんだろう。そういう気持ちを谷川さんの分かりやすい日本語と和田さんのほのぼのあったかい絵で表現されています。
「ひとりでは」
もてない おもいものも ふたりでなら もてる
つまらないことも ふたりでやれば おもしろい
本当にそう。友達がいるから面白く広がる世界がある。幼児から小学校高学年、さらに大人まで。きっと心に響く言葉を見つけられます。一度は手に取ってもらいたい絵本です。
あのときすきになったよ
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実はこの絵本を初めて読んだとき、こらえきれず涙してしまいました。
子どもに読み聞かす時も、必死に涙をこらえて読みました。
小学校1年生の主人公は、おもらしばかりしてしまう同じクラスの女の子「しっこさん」をちょっと疎ましく、あまりよく思っていません。始めは仲たがいしていた二人ですが、ひょんなきっかけから仲良くなり、お互いがクラスにいないと寂しく感じる関係になっていきます。
そんな中、主人公がある失態を犯してしまいます。そのときにとっさに起こした「しっこさん」の行動が、想像した以上に「大したこと」で、しっこさんの友を思う優しい気持ちに、心を打たれます。飯野和好さんのインパクトのある絵と、子供も普段使いそうな言葉が印象的で一度読むと忘れられない絵本となります。
特にオススメなのは、少し人間関係が複雑になってくる小学校低学年、中学年の女子。目に見える分かりやすい印象だけでなんだか気にくわない、と決めつけるのではなく、もっと踏み込むことで広がる人間関係もある。そういうことも教えてくれます。
コッコさんのともだち
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保育園に通うコッコさんは、引っ込み思案でなかなか上手にお友達に声をかけることができません。はじめは、庭の隅で寂しそうにうつむいています。しかし、同じように一人でいる、コッコさんと似た雰囲気を持つ女の子と徐々に仲良くなっていきます。
ちょうど一年位前でしょうか、わが子も実をいうと自分からお友達に声をかけるタイプではなく、お迎えに行くと一人でいることがあり、大丈夫かしら? と思う時期がありました。実際、彼女は一人でいたい時も多いようなのですが、遊びたい、と思ったときに声をかけられず、困ったような、寂しいような、そんな表情をすることがあり、親としては切ない気分になることもありました。
コッコさんをそんな娘と重ねながら、読みました。
一人の女の子と仲良くなったコッコさんは、そのうちクラスのみんなとも一緒に遊べるようになっていきます。そしてトラブルや感情の揺れなどを経験しながら、最後は解決し、友達みんなと上手に遊べるように成長していきます。幼児にも響きやすい言葉のリズムと、味のある絵も、この絵本の魅力です。
現在年長の我が子も、以前と比べると友達と上手に遊べるようになってきたように思います。男女いとわず楽しそうに園庭を駆けずり回りながら遊ぶわが子を見ると、コッコさんと同じ成長をたどっているのかなと感じ、少し頼もしく思うこともできるようになってきました。
絵本をヒントに成長してほしい
子どもに人間関係で悩んでほしくない、確かにそう思います。いつも気の合う人が周りにいて、いつもいつでも、笑って過ごしてもらいたい。でも全く人との関係に悩むことなく、成長していく事ってなかなか難しい。仲のいい友達だって時にはぶつかる時もある、なかなか輪に入れないときもある、そんな時に絵本がちょっとしたヒントになればいいなぁと思います。
松本尚子
ライター・編集者
2010年生まれの女子、2012年生まれの男子の2児の母。主婦ときどきライター&編集者。女性向けサイトの編集者を経て、リクルートの住宅サイトでweb編集者を経験。酒好き、旅好き、美味しいもの好き。鎌倉在住。