2016.12.07
ベビーカーに子どもを無理やり乗せるママを見て感じた【忘れちゃいけない】赤ちゃん時代
先日、子どもたちと公園の近くを通った時、あるお母さんが、1歳ちょっとのお子さんをベビーカーに乗せようと奮闘していました。
はじめは、「ベビーカーに乗ろうね」という優しい感じだったのですが、徐々に、「もう乗らないとおいていくよ!!」「もう、ママ知らないよ!」と強い口調になっていき、最後には、体をねじって泣く子をベビーカーに押し付け、力づくで、ベルトをはめてベビーカーに乗せました。
周りの人の反応はさまざま。ある人は、何も見えていないように完全無視。ある人は怪訝そうに眉をひそめ、ある人は興味深そうに傍観していました。
ちょっとの声がけが疲れたママたちを救ってくれる
私はと言えば…。「あー、分かるよ、分かるよ。お母さん、大変だよね。そういう時ってあるよね。」と心の中で思いましたが、何も声をかけることが出来ず、ちょっと離れた場所で、傍観していました。
しかし、私はこのママの気持ちが痛いほどよく分かります。そして、我が子たちがベビーカー時代に、同じようなシーンを何度も経験しました。
ちょこちょこ歩き出す1歳ちょっとの頃、ベビーカーに乗りたがらなくなる子は多くいますよね。でも、お昼寝なども想定してベビーカーを持って出ている場合も多いのです。
ベビーカーをコントロールしながら、まだ足元がおぼつかないあんよの我が子のフォローをするのって、本当に大変。それに急いでいる時だってある、心に余裕がない時だってある。子供の安全を確保したい。車通りの多いところでは歩かせたくない。そう思っている事だってあります。
私も何度、娘や息子を力づくで、ベビーカーに座らせたことか。
でもね、その時の周りの反応。体をねじり必至で抵抗する我が子を無理やり、ベビーカーに縛り付ける。そんなシーンを見た人はたいてい怪訝そうな顔をするんです。もちろん、昨今では虐待のニュースも多く、目を光らせなければいけないというのもあるかもしれない。でも、母はいつも完璧じゃなきゃいけないのですか?ニコニコいつもご機嫌で、やさしい母じゃないければいけないのですか?
私が子どもたちをベビーカーに無理やり座らせているときに、声をかけられたことがあります。「お母さん、大変ですねーー。この時期は歩きたがるんですよね。」こうやって声をかけられたとき、私は涙が出るほど、嬉しかった。「わかってくれる人がいる。」
逆に「あら、赤ちゃん、かわいそ!」と通りすがりの年配の女性に言われたこともあります。この時は本当に悲しかった。悔しかった。私だって、こんな風に子どもをベビーカーに縛り付けたくなんかない!今は急いでいるし、歩かせたら危ない。しかも二人の子連れでベビーカーは必須なんです!そう叫びたかった。
忘れちゃいけない赤ちゃん時代。先輩ママになったいま私ができること
子どもが赤ちゃん時代を卒業して、最近はついあの頃の大変さを忘れてしまいそうになります。たとえば、両手に荷物を持ち、エルゴ抱っこで、スーパーのレジでお金を出す。この動き、無茶苦茶大変だった。スーパーでお金を払うことが大変ってどういうこと!?と、当時思っていました。
本当に赤ちゃん時代は大変だったなぁと振り返って思います。でもあの時、何人かの方に声をかけられた「大変なんですよね。」の言葉。あれに何度助けられたことか。
逆に「そんなこと、分かっているよ!」もしくは「今はそれは重要じゃないのよ」と思うようないらないアドバイスをくれる方々。あれには、何度腹を立てたことか。
だから、私もあの赤ちゃん時代のママの気持ちを忘れちゃだめだなと最近思います。辛そうなママがいたら共感してあげたい。私もそんな時代があったよ。大変だね。そういってあげたい。
今も、まだまだ子育て奮闘中。でも赤ちゃん時代のママよりは先輩になった。だから、次の代の人たちが、少しでも子育てが楽になる。そんな声掛けをできたらいいなぁと思っています。
松本尚子
ライター・編集者
2010年生まれの女子、2012年生まれの男子の2児の母。主婦ときどきライター&編集者。女性向けサイトの編集者を経て、リクルートの住宅サイトでweb編集者を経験。酒好き、旅好き、美味しいもの好き。鎌倉在住。