2017.03.22
孫育てのトラブル続出!?「祖父母が孫は預かりたくない」と思う理由とは?
「身近に両親や身内がいて、いざという時は子どもを預けられる」「保育園に入れずに祖父母に子守を頼める」ワーママにとっては本当に心強いものです。
でも、一番理解できるはずの両親と孫の事でトラブルになった人も少なくありません。共働き夫婦とその両親、それぞれの本音を聞いてみると想像以上に過激な発言もあり……
預けた親と、預けられた祖父母の本音
祖父母の悩みと嘆きとは
娘と嫁に子どもがいて、それぞれ共働き。今年の冬は学級閉鎖が連続してあり、約2週間立て続けに孫の子守。どちらもねぎらいの一言もなく引き取る時も荷物だ何だと急かすような事ばかり。私はパートを休んで孫を預かったのに、孫連れてきてあげたみたいな親孝行しているような態度もウンザリする。正直、〝孫いらない〟くらいの気持ちになります……(58歳/女性)
我が娘ながら感謝の言葉もない。忙しくて時間がないからと「オムツ買っといて」「離乳食は○○製のやつ用意しといて」妻も疲れて不機嫌になるし、正直、最近は孫は盆暮れだけ会えれば充分かも、と思っている。(71歳/男性)
70歳を過ぎたら急に体力がなくなったなと実感してます。長男の子は私も60歳前だったので何とかなりましたが、末っ子の孫は半日見ているだけで精一杯。自分の注意力なども落ちてる気がして、大事な孫だからこそ預かる不安もふくらんでいます。(76歳/女性)
では、預けている両親のほうはどうでしょうか。
近所に実家もあり、夫の実家もある「恵まれた状態」です。でも我が子を預けてみてわかったのは、私の実家は「仕事をしたい私の為」、でも夫の実家は「孫が可哀想だから預かる」という差。姑には毎回「こんな思いをさせて、どれだけ偉い仕事してんの」と言われます。(34歳/女性/1歳の長女)
夫の実家に預けています。実費として保育園代にまでは届きませんがお礼として毎月お金も渡しています。とはいえ祖父母も高齢になりつつあり、預けるのは限界を感じています。でも保育園激戦区で、今年はダメでした。次も絶対に入れるという保証もなく、このままだと仕事を辞めるしかないのかも……(35歳/女性/5ヶ月の長男)
実母ですが、いくら言っても躾や食事の与え方など守ってもらえず。今だに口移しで噛んだものを食べさせているのには、つい怒鳴ってしまったら今度は逆ギレして「もう預からない!」。こちらも怒鳴りすぎたと謝っているのに、結局数日間行ってもドアを開けてくれなかった。1度こじれてしまうと修復が難しいのが身内との関係なんだと実感。思ったより難しいです(37歳/女性/1歳児と7歳児)
保育園に入れてますが、病気の時など妻の実家頼み。私がふがいなく収入が足りないから娘が働いている、だからウチが預かってるといったような事を迎えに行くたびに言われた。いい加減頭にきたので、自分の収入でも暮らしていけるが、あなたの娘さんがキャリアにこだわるから共働きを選んだですよ!と言い返したら、義父が妻に「お前の夫に怒鳴られ、お母さんが泣いている」と。そこから溝が深まり、あやうく離婚寸前にまでなりました。(41歳/男性/10ヶ月、4歳、7歳)
祖父母だけに頼らないように気をつけましょう
こうして聞いてみると、思った以上に激しいトラブルになっているケースがあります。ここまでいかなくても、孫をはさんで「ちょっとした言い合い」「微妙な雰囲気」になったという人は本当に沢山います。
祖父母の側の不満も尤もなら、預ける側のジレンマやモヤモヤもわかります。
保育園に入れている人は、特に病気や治りかけの時、発熱時のお迎えなどに祖父母を頼ります。まずは、祖父母以外の預け先を確保しておきましょう。
さらに「もっと気をつけるべき」は保育園に入れずに祖父母に預けているケース。シビアに割り切り「預かる」「預ける」条件や希望を話し合うのが大切です。また、最初のうちは特に問題がなく、だんだんと祖父母側が不満を募らせるケースが目立ちます。
『1ヶ月目、3ヶ月と一定の期間ごとに「今のやり方で大丈夫?」とこちらから常に「祖父母の希望」を聞くようにしました。大きな不満になる前なら、お互いに冷静に話し合えるので上手くいくようになりました。聞いてみないとわからない、そんな事がイヤだったんだ、って事もけっこうあるんです。とにかくため込まず、小さな火種のうちに消すのがコツです』
という先輩ママの意見がありました。参考になりますね。
大切なのは「感謝の気持ち」を伝えること
私は早くに長男を産みました。ですから、もしかしたら長男があと数年のうちに結婚をし、子どもを産むかもしれない。そして共働きで「ちょっと預かってよ」となったら、どうなのだろうと考えます。子守はできるでしょう。でも、まだ現役で仕事をし、これから夫婦で趣味を楽しもうという時期に、当たり前のように「預かってくれるよね」となったら、どうなのだろう、と思わないでもありません。
親には親のライフスタイルがあります。私たちは、今、働く夫婦としてとても大変で忙しい。でも、親がヒマだというわけでもないのです。
最近はネット上でも祖父母が「孫を預かりたくない」といった投稿が目立ちます。祖父母、両親、孫と幸せな1枚の写真のような家族風景が、互いの重荷になってしまう。そんな寂しい結果を招くことのないように、祖父母に子どもを預ける時は「預ける側が常に気を配り、感謝の気持ちを伝える」のが大切なような気がします。私たち、預ける側から見ればそれは細々と言いたいことはあるでしょう。それでも、最悪の結果にならないようにするには、こちらが気を遣わざるを得ないのではないしょうか。
家族だから、身内だから「言わなくてもわかる」とは限りません。夫婦間でも同じです。結局はコミュニケーション不足からくる「感情的な行き違い」がトラブルの元になります。身内だからこそ、より深刻なトラブルに陥るのです。お金で解決できる方がよほど「わかりやすい」メリットもあるのです。
預かってくれる祖父母に毎日でも「ありがとう」や「今日はどうだった?」と声をかけるのが大切です。
家族の単位って、不思議なものだと思いませんか。私の親、夫の親、そして自分たち。血のつながりはあっても、本当はそれぞれの「生活」があるのです。祖父母も、当然ながら私たちも、そこに「自分たちなりのライフスタイルがある」それを理解した上で、お互いに理解と絆を持てるように……その狭間にいるのは愛するわが子であり、祖父母にとっても目に入れても痛くない孫なのですから。
共働きでは、身内にしろ、保育園での優しく面倒見のよい先生がたにしろ、様々なサポートを受けています。保育園ならお金を払っているのだし、祖父母なら可愛い孫の為だし、ある種「当然ではないか」とつい私たちも思いがちです。
それを「当たり前」として受け止めるのではなく、「ありがたい」という気持ちを持って接していけたら、と思います。と同時に「でも、私たちも我慢したり頑張ってるよね」と、例え身内でも親にも言えない本音は夫婦で気持ちを共有していくのがとても大切なのではないでしょうか。
大橋 礼
ライター
年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。