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2022.10.06

育休明け3カ月間の極意は「無理をしない!」こと。そうすべき3つの理由とは?


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半年から1年以上の間、出産を経て子育てに専念してきたところから、いよいよ復職です。育児休業が終わり、実際に職場に戻ると「さぁ頑張ろう!」と意気込むママたちの気持ち、よくわかります。
でも、最初の3ヶ月は親子共にまず、新しい環境といままで家事育児のみだったところに仕事が加わるのですからそのペースに慣れることが第一です。職場復帰に向けて「これから長く働くために」、最初の3ヶ月が肝腎。そして極意はただひとつ

「やらないこと」

です。なぜ、ムリをしてやってはいけないのか、理由は3つあります。

育休明け復帰は「疲れをためない」のが第一

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理由はまず、最初から飛ばしすぎるとバテてしまうからです。元の職場(会社)に戻るといっても、実際に元通りにすぐなるわけではありません。なにしろ、あなたの環境自体が大幅に変化しているのですから。

子供も最初のうちは体調を崩したり、ぐずったり、夜寝なくなったりと、思わぬつまずきも多くあるでしょう。ママ自身もです。

とにかく最初は緊張もしますし、意気込んでいるだけに自覚しづらいかもしれませんが、思っている以上に疲れます。日々、その疲れは蓄積されます。

この時期は、とにかく少しでも疲れをとり、体力を蓄える。あるいはムダな体力を使わない。

だから、やらないこと、です。

もちろん、子供に食事を出さないわけにはいきません。でも手作りしなくても、外食が続いても、だからといって病気になるわけでもママの愛情不足なんてこともないんですから。大切なのは、我慢と忍耐を重ね、無意識のうちに自分に圧をかけて、その圧に押しつぶされてしまわないようにすること、です。まずは、できそうにないと思ったらやらないこと、です。できることだけ、やればいいんです!

パパに「オレも手伝わなくっちゃ!」と自覚してもらう為にも

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もうひとつ、実は最初の3ヶ月は「なるべく、やらない」ほうがいい理由があります。

それは夫に「共働きの大変さ」をリアルに感じてもらうことです。

育休の間、いわば専業主婦状態だったのですから、それまで共働きだった人も、料理洗濯をはじめ家事全般が自然と妻に比重がかかってしまっていませんでしたか? 夫も「妻が家にいて家事をしてくれている」状態に慣れてしまい、なんとなく「あれ、オレのシャツどうした? 洗濯しといてくれた?」なんて平気で聞いてきたりします。そこで、つい「あ、忘れた、今からやっとく」と習慣のように答えてしまわず、ひとこと

「疲れた、できない」

いいんです、それで。

復職して1ヶ月もすると、いよいよ疲れもピークに達します。帰宅して何とか夕飯を食べさせても、洗い物までできないかもしれません。いいんです、やらないくていいんです!

やらなければ食器はたまります。朝起きて、キッチンに山積みの食器を見るのはイヤなものです。だからつい、頑張ってやってしまうかもしれないけれど、山積みの食器を目の当たりにしないとパパは「大変だ!家事や育児を手伝わないと家庭崩壊かも!」となかなか思えないんですよ。

だからとにかく、この時期はムリをせず、出来ないことはやらないこと。そして、できない現実をふたりで見ること、です。山のように積まれた食器、たまるいっぽうのゴミ袋、ピンチから直接とっては渡す下着・・・たまりかねて夫の方から手を出すくらいまで、放っておきましょう。

頑張ってやってしまえば、頑張ればできるという事実だけが残ってしまいます。

私が夫の言葉でイラっとしたのが、

「たいしたことじゃないんだから、これくらい、やっといてよ」

のひと言でした。私は心の中で「たいしたことじゃないなら、自分でやればいいじゃない、たいしたことだから、大変だから、面倒だから、やってくれ、って言ってるんでしょう!」と思っていたのに、専業主婦の時間が長かったせいか、仕方なくやっていました。でも耐えきれず、ある日爆発したら夫はポカンとしてましたが。

「いや、だっていつもやってくれてたから、だから、たいしたことじゃないと思ってたんだけど」

そう、最初から頑張って何でもやりこなしてしまったら、大変な思いをしてやっていることも、側にいる夫でさえ「たいしたことじゃないだろう」と思ってしまうかもしれないんです。悪気がないだけに困ったことになります。

だから、最初からやらないところを見せておく。できないものはできないと、夫が実感する為にも、ムリをしてやってはいけないのです。

「できないこと」に慣れるための3カ月に

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子育てと家事、仕事の両立は「わたしはこれだけ出来るんだ」よりも、できないことを認めてしまうことからスタートする方がつまずかない気がします。

これまで仕事でも成果を出し、家庭でも共働きながら手作りの料理にアイロンかけと何でも出来てきた女性にとって、「あれもできない、これもやれない」と焦り、「なんでみんなやってるのに、私はできないんだろう」と落ち込んでしまうかもしれません。

でもね、ちょっと待って!できないことは、悪いことではないんです。

考えてもみて下さい。私たち母親には2本しか腕はないんですよ! その腕で子どもを抱っこしたら、後は何ができるというのでしょう。子供が生まれて、仕事に復帰し、やることは倍増どころか3倍にも4倍にもなったのに、作業をする腕はあいかわらず2本しかないんです。ま、私は足で床にちらばったレゴを蹴飛ばして、部屋の片隅に見えないように追いやるくらいのことはしましたけどね。でも、例え足を使っても、できないことは山ほどある。それが生活です。

だから、できないことに焦らないで下さい。

「私には2本しか腕はない! この山積みのお皿を今すぐ片付けてサッパリしたいなら、もう2本の腕が必要なんだよ!」

どうぞ、大声で叫んで下さい。夫がその腕を差し出してくれるように。あるいはお金で買えるなら、腕の代わりを得るのも結構じゃありませんか。掃除や洗濯、便利な道具でもアウトソーシングでも、必要経費と割り切って外注するのもアリでしょう。

どうしても「私しかやる人がいないんだから」ついそう思ってしまいがちです。でも、できないこと、やれないことがあること、に慣れて下さい。

それは職場でも言えることです。産前、フルタイムでバリバリ働いていたときと同じ、いえ、それ以上に成果を出したい、ポジションに戻りたい気持ちはとてもよくわかります。ですが時短勤務だったり、保育園のお迎えだったり、重要な仕事の時に限って子どもが熱を出したり、これは職場復帰後には本当によくあることです。

できない自分に落胆しなくていいんです。

スタート地点からハイスペックになったら、どれだけ周囲から望まれてしまうか考えたことがありますか? 

高いハードルを次々と飛び越えていっても、ゴールがないのが子育てであり、生活です。いつか息切れし、あるいはハードルに足をとられ、転んでしまうでしょう。

だから、低いところからはじめましょう。とことん、低い場所からスタートして、ハードルなんぞ置かずに、てくてく歩いていけばいいのです。

※この記事は2018年4月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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