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2021.06.26

子どもの言い分どこまで信じる?子ども同士のトラブル、親としての向き合い方


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子ども同士のトラブル。子どもの成長段階では、様々なトラブルに遭遇します。小さいなことから言えば、2歳や3歳くらいなら週末に公園に行き「砂場でシャベルの取り合い」になり、相手の親に謝ったりしながらも(ちょっと、あんたんちの子どもが先に奪ったんでしょーがッ)と内心ムカっとしたりします。幼い子どもなら、すぐ側に親がいて見守りつつ「あッ、危ない!」と手をだせます。
小さい子どものことなのに、ろくに見てもいないで文句をつける親がいれば、子どもが傷つかないようにうまくスルーしたり、あるいは「あなたは見ていなかったけど、私は見ていました」とハッキリわが子の代わりに主張できます。
では保育園や幼稚園、小学校に入るとどうでしょう。親の目が届かないところで起きる子ども同士のトラブルは一筋縄に解決できないことも多々あります。それらにどう対応し、子どもに対してどう接するべきなのか?今回の記事で考えていきたいと思います。

目の届かないところで起こるトラブル

よくあることですが、子どもが「○○君が僕をバカにしたり嫌なことばっかり言うからケンカになった」と言います。それで親は「だったら先生にちゃんと言いなさい」とアドバイスします。ところが子どもは「僕、○○ちゃんがヒドイことばかり言うからって言ったのに、先生聞いてくれなかった、僕も怒られた」と不満げな顔で帰宅します。

これがスタートです。保育園・幼稚園の年長さん、小学校に入ると先生だって常に30人近い子ども全てを見ているわけではありませんから、どちらの話しも聞いて「ケンカ両成敗」としたのかもしれません。子どもの言い分の話し方も悪かったのかもしれません。しかし、子どもからしてみたら納得がいかないので、帰宅してからエンエンと親に訴えます。
この程度なら「世の中理不尽なこともある」「自分の主張をきちんと伝えられないと不利なこともある」様々に学ぶ機会とも言えるのですが、例えば相手がケガをしたり、イジメとなると、双方の親にとって大きな問題になっていきます。

やる側・やった側の立場で考えるトラブル

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職場や家に連絡がきて「ちょっと問題がありまして」となると、大抵は相手がいて「どちらかが被害者で、いっぽうが加害者」という構図になります。

被害者の子どもの親はかなり激高しますね。それは当然です。ケガにせよ、心の傷にせよ、わが子が大きな痛みを与えられたのですから、親としては「どうしてくれるんだ」と思います。

では、加害者(大げさな言い方にもなりますが、わかりやすくするために表記しています)の方はどうでしょうか。

ケースは様々ですが、例えば子どもに聞いてみると、それに至るまでの長い道のりがあったりします。子どもとしては「我慢に我慢をしてきたけど、いい加減頭にきた」から手を出したけれど、先生や周囲は「今起きた事件」しか見てくれない、だからすごい悪者になっている。でも違うのに!

子どもの話をよくよく聞いた親としては、今度は「ウチの子も悪いけど相手だって悪いんじゃないの?」とムカムカすることもあるでしょう。

子どもの話をどこまで信じるか?

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さて、保育園ならそれでもまだ大抵はトラブル自体はそう大きくはないので何とかなりますが、これが小学校も高学年にもなると、例えばケガをさせれば骨折なんていう大事もあるでしょうし、イジメの問題にも繋がります。

「どこまで子どもの話を信じるべきなのか」

これは本当に難しいです。私は「子どもの言うことは話半分」と考える派です。自分に悪いことや都合が良くないことは口にしないはずだから、トラブルがあったらひとまず「子どもの話を疑ってかかる」という考え方です。

しかし、子どもがもし本当のことを口にしている時、親がずっと「嘘なの?ホントなの?」と揺らぎ続けていたらどうなのでしょう。

その見極め方に「こうすれば良い」という回答はありません。その都度、親は子どもと向き合いながら子どもが自身を守ろうとするあまりにつく小さな嘘を見抜かなくてはならないし、同時に必死に自分の正しさを主張している時にそれを話半分に聞いてはならないのであって、だけれども、その「見極め」こそが親としては本当に難しいのです。

子どもと向かい合うこと・子どもを守ること

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子どもが起こすトラブルというのは、小さなことからスタートし、それに対して親がどう対応するかが問われているように思います。

子どもは親がどう反応するかを幼い時こそ、よく観察しています。やがて成長と共に「どうせウチの親なんて」と見限ってみせたり、わざと親を頼らないでトラブルを解決しようとはするでしょう。

でもその時に子どもの心底にあるのは、幼い時に親が「自分の苦しい時、失敗した時」にどう対応し真剣に叱ってくれたか、誤りを指摘し越えてはいけないラインを示してくれたか、そしてどう自分を守ってくれたか、その実体験の記憶が、本当にどうしようもなくダメな時に「お父さん、お母さん、どうしよう」と最後の最後で頼ってきてくれるか、に繋がるのではないでしょうか。

危機管理は「どう謝罪し、どうアピールすれば社会からの反感を買わなくてすむか」なのかもしれません。それは弁護士なり、よくわからないけれど、プロフェッショナルな方々がサポートすればいい。でも親にしかできないことがあるはずです。

子どもが窮地に陥った時、間違っていることは厳しく導く、それでも絶対に見放さない、放棄しない、諦めない。そして側にいて「いざとなったら前に出て、お前のために最後まで戦うから」と言えること。

劣悪な犯罪になれば話は別ですが、人生には思いもかけない落とし穴があり、若いうちに無知で無謀なばかりに足をつっこんでしまうこともあるかもしれません。そんな時に、親が「正しいこと・正しくないこと」を見極めて、子どもに諭すべきことと、それでもお前の気持ちはわかるよ、と寄り添えるかどうか。

成長と共に親の手に余るようなトラブルが生じたら、思い切って「危機管理」と考え、必要に応じた手助けを求めて動かなくてはならない、残念ながらそういう時代を迎えているような気がします。

どうか、若いお母さん・お父さんたち、子どもの大きな問題に当たった時、落ち着いて冷静になれるよう努力して下さい。私はなかなか出来なかった。だから本当は偉そうに言ってはいけないのでしょうが、それでも言っておきたい。

自分の子どもが3歳でも10歳でも18歳であっても、です。一生懸命に子どもの気持ちを読み取り、またトラブルでは相手がいる以上は大人として「その相手の立場になっても考えてみること」。何より親として、子どもが苦しい時こそ、どこまでもどこまでも、まっすぐに向き合うことが大切なのかな、と思っています。

BRAVAでは、子ども同士のトラブルによる記事をほかにも公開しています。合わせて読んでみてくださいね。
【子どもが起こしたトラブル】親の対応で変わる「その後」、実体験を通してわかったこととは?

※この記事は2018年5月に公開されたものです。

大橋 礼

大橋 礼

年の差15歳兄弟の母。DTP会社勤務後、フリーで恋愛・料理・育児コンテンツを執筆中。今や社会人長男のママ仲間とは「姑と呼ばれる日」に戦々恐々しつつ、次男の小学校では若いママ友とPTAも参戦中。飲めば壮快・読めばご機嫌!本とお酒があればよし。


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